京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

夏空が広がる京都で厄払い

夏空が広がる京都で厄払い

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

千年の歴史の中で幾度となく厄病が流行し、各地で厄病を鎮める神事などが行われてきた京都。今年は新型コロナの影響で、祇園祭をはじめさまざまな疫病退散の神事が感染防止仕様に変えて執り行われます。ウィズコロナ時代、みなが今夏を無事に越せますようにと願いを込めて、厄払いに行きませんか。

京都の混雑状況(2022年10月25日現在) ★★★☆☆ 例年並みです。 ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。

バス停「京大正門前」からスタートです!

バス停「京大正門前」へのアクセス:JR「京都」駅より市バス206号系統・京都バス系統18号系統で約30分
モデルコースの所要時間:2時間30

ルート

バス停「京大正門前」からスタート!

徒歩約7分(約580m)

1

「吉田神社 本宮」

徒歩約6分(約400m)

2

「吉田神社 斎場所大元宮」

徒歩約43分(約3km)

3

「御靈神社(上御霊神社)」

徒歩約1分(約100m)

4

「水田玉雲堂」

神が集いし岡で厄除・開運を願う

神が集いし岡で厄除・開運を願う

よしだじんじゃ ほんぐう

吉田神社 本宮

平安京の鬼門を鎮める「吉田神社」は、貞観元年(859年)の創建以来、厄除・開運の神様として強い信仰があります。永延元年(987年)には一条天皇の行幸を仰ぐなど皇室の崇敬も厚く、特に室町時代に神職・吉田兼倶が吉田神道を創始してからは、神道界に絶大なる権威を得て隆盛を極めた社です。
鎮座地である吉田山は、古来より「神楽岡(かぐらおか:神が集いし岡)」と呼ばれ親しまれている聖地で、その秀麗な山容は東山三十六峰の12峰目に数えられています。南北約800m、東西約300m、標高約102mの小高い丘の西側斜面一帯が吉田神社の境内となっており、山内に多くの摂社、末社があります。本宮を詣でた後は、ぜひ神楽岡のお社を巡りましょう。

吉田神社 本宮

近隣には京都大学・吉田キャンパスがある西麓の参道風景。一の鳥居、二の鳥居の先には本宮へ繋がる階段が続きます

吉田神社 本宮

朱塗りの壮麗な社殿が青空に映えます。吉田神社の節分祭は主に本宮・大元宮で3日間に渡って執り行われ、厄除祈願や御神札を求める参拝者が多数訪れます

基本情報
所在地

京都市左京区吉田神楽岡町30番地地図

アクセス

京阪「出町柳」駅より徒歩約20分、市バス31・65・201・206号系統「京大正門前」より徒歩約7分

電話番号

075-771-3788

URL

http://www.yoshidajinja.com/

時間

月曜日~日曜日 9:00-17:00(社務所)

休日

年中無休

料金

参拝無料


次の
見所
「吉田神社 斎場所大元宮」まで徒歩約6分(約400m)
「吉田神社 斎場所大元宮」まで徒歩約6分(約400m)

本宮の参拝を済ませた後は、神楽岡に点在するお社巡りへ向かいましょう。※写真は本宮前に掲げられた案内看板


森羅万象を体系づける吉田神道の中心地

森羅万象を体系づける吉田神道の中心地

よしだじんじゃ さいじょうしょだいげんぐう

吉田神社 斎場所大元宮

室町末期に吉田兼倶が吉田神道を創始し、その拠点として文明16(1484)年、吉田神社の境内に「斎場所大元宮」が建立されました。吉田神道の教義により宇宙軸を現す大元宮は、本地で唯一なるものを神として祀り、森羅万象を体系づけています。明治初期まで吉田神社の信仰の中心地として興隆し、現在は末社の一つに数えられます。
通常は写真のように中門からの参拝となりますが、正月3日間と節分祭、また毎月1日に限り、大元宮の本殿を特別に参拝できます。大元宮の本殿は、平面八角形で入母屋造茅葺の屋根で、背後に平面六角形の後房を付す特異な形式。この本殿を取り囲むように東西諸神社の社殿が連なり、ここを参拝すると全国の神様を参拝したのと同じご利益があるとされています。

吉田神社 斎場所大元宮

斎場所大元宮への道中にある「菓祖神社」は、橘を日本に持ち帰ったとされる田道間守命と、日本で初めて饅頭を作ったとされる林浄因命の2神をお菓子の神様として祀ります

吉田神社 斎場所大元宮

斎場所大元宮のそば、市中を望む西麓には包丁の神・料理飲食の祖神である藤原山蔭卿を祀る「山蔭神社」があります

基本情報
所在地

京都市左京区吉田神楽岡町地図

アクセス

京阪「出町柳」駅より徒歩約26分、市バス31・65・201・206号系統「京大正門前」より徒歩約13分

電話番号

075-771-3788(吉田神社)

URL

http://www.yoshidajinja.com/yuisyo.htm

時間

参拝自由

休日

年中無休

料金

参拝無料


次の
見所
「御靈神社(上御霊神社)」まで徒歩約43分(約3km)
「御靈神社(上御霊神社)」まで徒歩約27分(約2km)

吉田山の西麓から今出川通りを西へ。加茂大橋を渡り、川風を感じながら賀茂川沿いの道を北へ向かいましょう。※距離があるので炎天下や雨天時は、市バス37号系統(バス停「河原町今出川」~「出雲路俵町」)の利用もおすすめ


悪疫退散の御霊会にちなむ「こころしずめ」の社

悪疫退散の御霊会にちなむ「こころしずめ」の社

ごりょうじんじゃ(かみごりょうじんじゃ)

御靈神社(上御霊神社)

京都御所の北に位置する「御靈神社」は、延暦13(794)年に崇道天皇の御霊をはじめ八柱をこの地に祀ったのが始まりと伝わります。祭神の御霊を鎮めると共に、参拝者の心も静める「こころしずめ」の社として有名で、京都御所の南東に位置する「下御霊神社」と区別するために、一般には「上御霊神社」と呼ばれます。
平安時代には御霊信仰(非業の死をとげた高貴な人物を神様として祀る信仰)が盛んでした。貞観5(863)年にはここで悪疫退散の「御霊会」が勅命で催され、以降は疫病除の霊社として信仰を集めています。例年 5月1日に神幸祭、5月18日に還幸祭が行われ、御神輿の先導として後陽成天皇ゆかりの壮麗な御車が巡幸します。

御靈神社(上御霊神社)

江戸時代中期に再建された楼門(西門)。両脇には平安時代の貴族の護衛役である「随身」の木像が安置されています

御靈神社(上御霊神社)

境内には史跡が多く見どころに事欠きません。本殿(写真右)は享保18(1733)年御寄進の内裏賢所御殿の由緒ある遺構を復原したものです

基本情報
所在地

京都市上京区上御霊前通烏丸東入上御霊竪町495番地地図

アクセス

地下鉄烏丸線「鞍馬口」駅より徒歩約3分、市バス37号系統「出雲路俵町」より徒歩約6分

電話番号

075-441-2260

URL

http://www.kyoto-jinjacho.or.jp/shrine/02/004/

時間

月曜日~日曜日 9:00-17:00(社務所※季節により変更あり)

休日

年中無休

料金

参拝無料


次の
見所
「水田玉雲堂」まで徒歩約1分(約100m)
「水田玉雲堂」まで徒歩約1分(約100m)

菊の御紋が張られた御靈神社の石鳥居。門前の通りを挟んだ場所に次なる目的地があります。


創業540余年、銘菓「唐板」の味を守り継ぐ

創業540余年、銘菓「唐板」の味を守り継ぐ

みずたぎょくうんどう

水田玉雲堂

平安時代に京都で疫病が大流行し、御霊を鎮めるために貞観5(863)年に神泉苑において御霊会が行われました。その際に疫病除けとして神前に供えられたのが「唐板煎餅」で、日本最古の焼き菓子と伝わります。御靈神社門前に店を構える「水田玉雲堂」は、応仁の乱後に境内で営業を開始し、「唐板」一筋で540余年の歴史を有します。「唐板」は小麦粉と砂糖、卵を混ぜて薄くのばした生地を、銅板の上で丁寧に焼いた煎餅。パリッと軽い歯ざわりとほどけるような食感が特徴で、ほのかな甘味の余韻が残ります。
現在「唐板」の味を継ぐのは水田千栄子さん。素材や工程を吟味したお菓子には手仕事の技はもちろんのこと、平安を祈る想いが込められています。

水田玉雲堂

御靈神社の門前に佇む店舗。白暖簾に記された「唐板」の流麗な文字が風に揺れます

水田玉雲堂

店内に飾られた写真。昭和17(1942)年までは御靈神社の境内(藤棚付近)に茶店を構えていました

基本情報
所在地

京都市上京区上御霊前通烏丸東入ル上御霊前町394地図

アクセス

地下鉄烏丸線「鞍馬口」駅より徒歩約3分

電話番号

075-441-2605

URL

http://www.gyokuundo.com/

営業日

月曜日~土曜日 10:00-17:00

休業日

日曜日、祝日

料金

「唐板」袋入700円(税込)、「唐板」箱入(2袋)1,520円(税込)


お疲れ様でした

お疲れ様でした

西へ少し歩くと幹線道路の烏丸通があります。近くに地下鉄烏丸線「鞍馬口」がありますので、四条駅や京都駅へも速やかに移動可能です。


周辺MAP