京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

モダンな空間で茶の湯の世界を体感

モダンな空間で茶の湯の世界を体感

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

2020年7月にオープンした「ホテルエミオン京都」内に設えられたお茶室で、茶の湯を"体感"することができます。まるで小宇宙のような茶室で、美しい所作に込められたおもてなしの心に触れてみてください。

京都の混雑状況(2022年10月25日現在) ★★★☆☆ 例年並みです。 ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。

ちゃりゅう ばい たんこうしゃ

茶瑠 CHALYU BY 淡交社

茶道を軸に歴史・宗教・美術・工芸・建築・庭園などの出版を手がける淡交社プロデュースの「茶瑠 CHALYU BY 淡交社」では、本格的な茶の湯の世界を味わうことができます。四畳半のお茶室でのお点前を体験できる「茶の湯体感」コース(予約制)のほか、喫茶コーナーでは濃茶と季節の主菓子などを気軽に楽しむことも。またお茶会や稽古場としても利用することができ、基本的な茶道具から消耗品まで用意されています。ホテル内でありながら心地よい静寂に包まれた美しいロケーションで、和の綜合芸術「茶道」の世界を感じてみませんか。

茶瑠 CHALYU BY 淡交社
茶瑠 CHALYU BY 淡交社
【茶の湯体感】
料金

3,500円(税込)

所要時間

約60分

定員

1名~4名

備考

靴下の着用をお願いします

茶瑠 CHALYU BY 淡交社
所在地

京都市下京区朱雀堂ノ口町20-4ホテルエミオン京都1階地図

アクセス

JR「梅小路京都西」駅より徒歩約2分、市バス33・58・86・88・205・208号系統「梅小路公園・JR梅小路京都西駅前」より徒歩約2分

電話番号

075-754-7501

URL

https://www.tankosha.co.jp/

営業日

月曜日~日曜日 10:00-18:00

休業日

不定休

受付

まずはカウンターで受付を。2帖ほどの小上がりに「且坐供一服(座ってお茶でもおあがりください)」という淡交社の創始者の書がかけられていました。こちらのスペースを借りて、自分でお茶を点てることもできます。

受付

腰掛待合で解説

格子戸の先にはホテル内とは思えない空間が広がっています。まず「腰掛待合」という、茶室の準備が整うまでの待機場所へと案内されます。足元の石や屋根に使われる木材など、細部に至るまで茶室ならではの設えが。

腰掛待合で解説

露地を通って茶室へ

続いて露地(ろじ)と呼ばれる庭を通って茶室へ向かいます。竹垣の先は日常を離れた「清浄」の世界。蹲踞(つくばい)〈手水鉢〉の手前に置かれた紐がくくられた小さな石(関守石)は、「入れるのはここまで」という亭主からの無言のメッセージなんだそう。

露地を通って茶室へ

にじり口から席入り

茶室にある小さな入口「にじり口」が少し開けられていたら、準備が整っている合図です。こうした言外のしるしが成立するのも、お作法を学んでいるからこそ。もちろん体験では、先生が丁寧に教えてくださるので安心してください。

にじり口から席入り

季節の主菓子

茶室に入りまずいただくのが「主菓子」です。主菓子は京都を代表する各菓子舗より週替りで季節のお菓子が用意されています。取材時の11月は「お茶のお正月」とされるおめでたい季節なので、「亀屋良長」のぜんざいをいただきました。

季節の主菓子

先生による「濃茶」のお点前

「濃茶」とはより格の高いお点前で、その日の茶会のメインイベントでもあります。凛とした空気の中で行われる先生のお点前は、ひとつひとつの所作が流れるようで思わず魅入ってしまうほどの美しさでした。

先生による「濃茶」のお点前

「濃茶」をいただく

作法を教わりながら濃茶をいただきます。この後の薄茶よりも上質なお抹茶が使われており、濃厚でありながらも少し甘味を感じます。濃茶では抹茶の鮮やかさを引き立てる、色の濃い茶碗が使われます。一椀をおいしくいただくために全てが整えられています。

「濃茶」をいただく

季節の干菓子

濃茶のあとはお干菓子をいただきます。下敷きに使われている紙は淡交社オリジナル。全部で8種類あってどれが当たるかはお楽しみ。ポストカードとして再利用可能なので、お土産としてぜひ持ち帰ってください。

季節の干菓子

薄茶をいただく

馴染みのあるサラサラしたお抹茶はこちらの「薄茶」です。濃茶とは違い色鮮やかな絵付けの茶碗が使われ、会話を楽しむ時間なんだそう。お点前やお道具についてなど、気になることがあればどんどん質問してみましょう。

薄茶をいただく

喫茶スペースでの点茶体験

喫茶スペースに戻り、先生にアドバイスを貰いながら、自分で薄茶を点てる体験ができます。茶瑠では同ホテル内にショップを構える京都・亀岡の「丹山酒造」の仕込み水が使われているそう。茶筅の動かし方など、体験して初めてわかる奥深さを感じました。

喫茶スペースでの点茶体験
体験を終えて
体験を終えて

まずホテルの中にこんな空間があるのに驚きました。本格的なお点前を体験するのは初めてだったので緊張しましたが、先生がとても丁寧に教えてくださったので、あっという間の楽しいひとときでした。 /写真は「茶瑠 CHALYU BY 淡交社」店長の宮村 萌さんと