京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を遊ぶ 更新日:2017.07.06
祗園で日本の伝統芸能にふれる1時間
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。
旅行中、時間の許す限り多くのものを見物・体験したくなるもの。ギオンコーナーでは舞妓さんによる京舞をはじめ、7つの日本伝統芸能を約1時間ですべて鑑賞可能!京都の夜、きっと有意義な時間になることでしょう。
やさかかいかん ぎおんこーなー
弥栄会館 ギオンコーナー
祇園甲部歌舞練場に隣接する「弥栄会館 ギオンコーナー」は、国内外問わず多くの方に日本の伝統芸能を気軽に楽しんで貰う施設として、1962年より舞台公演をスタート。7つの伝統芸能をダイジェストに鑑賞できるとあって、海外からの旅行者からも人気を集めています。また、今年3月には檜舞台に一新され、座席数も197席に増加。多言語対応のアプリも登場するなど、設備がさらに充実。毎日18:00と19:00の2回行われる公演は予約不要の為、日中の観光後やディナー前に、祗園の中心地で気軽に日本の伝統芸能を体感できます。
ギオンコーナー公演 ※個人は当日館内で受付 | |
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通常公演 | 毎日18:00~、19:00~(2回公演) |
冬期公演 | 12月~3月第2週目まで金、土、日、祝日のみ開催 ※冬期公演中、文楽は休演。代わりに舞妓さんとの写真撮影を実施 |
休演日 | 7/16、8/16、12/29~1/3 |
料金 | 大人3,150円 |
所要時間 | 約50分 |
定員 | 197名(1名から参加可能・全席自由席) |
弥栄会館 ギオンコーナー | |
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所在地 | 京都市東山区祇園町南側570-2 弥栄会館内地図 |
アクセス | 市バス46・100・201・206号系統ほか「祗園」より徒歩約5分、京阪「祇園四条」駅より徒歩約5分 |
電話番号 | 075-561-1119 |
URL |
展示を見学
まずは入口を入ってすぐの展示コーナーへ。今春よりデジタルサイネージでの展示も加わり、花街などに関する多くの情報を得ることができます。舞妓さんの帯や花かんざし、おこぼ(履物)など華やかで可愛らしいアイテムに興味津々!
公演会場へ
受付を済ませて公演会場へ。当日の会場内は国際色豊かな雰囲気。日本の伝統芸能に対して、国籍・世代を問わず多くの方が関心を寄せていることが実感できます。
※公演開始時刻の30分前より受付・入場が開始。会場内は全席自由席。
「茶道」演目の鑑賞
いよいよ公演がスタート。まずは舞台右手の立礼席(椅子に座った作法)で、裏千家の茶道のお点前が披露されます。また手前の席には参加者の中から選ばれた2名が特別ゲストとして着席し、実際に点てたお茶をいただく嬉しいサプライズも!
「箏曲」演目の鑑賞
舞台の幕が上がると、箏曲と華道が同時に披露されます。美しく、おごそかな音色の箏は、江戸時代に上方では生田流、江戸では山田流によって一般庶民にも普及したそう。ギオンコーナーでは、生田流の演奏が披露されます。
「華道」演目の鑑賞
箏曲と同時進行で行われる華道の発祥は約1500年前。仏前に花を供えた事に由来し、室町時代に池坊専応がいけばなとして確立させました。空間を活かす花姿を通じて自然の姿を映すいけばなが、見事な手さばきで完成されました。
※華道演目は、池坊と嵯峨御流が日替わりで担当
「雅楽」演目の鑑賞
一度下がった幕が再び上がると、鮮やかな楽舎幕が巡らされた舞台で雅楽が披露されます。雅楽とは、6~7世紀頃、朝鮮や中国などから伝来した音楽とそれに伴う舞。麗しい動きの舞楽は、思わず写真に納めたくなるほどです。※舞台はすべて撮影自由
幕間にパンフレットを確認
華々しい雅楽の幕が下がった後、幕間にパンフレットを確認。幕間の時間はほんの数分ですが、この後で披露される狂言や文楽の筋書きに目を通しておくと、短時間で舞台の世界へ誘われることでしょう。
「狂言」演目の鑑賞
幕が上がると続いて、狂言が披露されます。15世紀頃に成立した狂言は、その時代の日常の言葉とユーモラスな動作で演じられる一種の喜劇です。おどけた演技に会場が笑いの渦に包まれます。
「京舞」演目の鑑賞
続いては、お待ちかねの「京舞」。眩いほどの金襖を背景に、華やかな装いの舞妓さんが舞を披露します。約200年の歴史を持つ京舞は、祇園の芸妓、舞妓によって演じられるものです。
※舞台には、京都最大の花街・祇園甲部より、1~2名の舞妓さんが日替わりで登場
「文楽」演目の鑑賞
日本固有の人形劇の一つである文楽は、室町後期に起こった浄瑠璃節が、江戸初期に三味線と共に人形芝居を上演するようになったことで成立したとされます。巧みな人形遣いの技に、人情が生き生きと表現されます。
※冬期公演中、文楽は休演。代わりに舞妓さんとの写真撮影を実施
日本語と英語で解説が進み、国籍を問わず楽しめる公演でした。私自身、以前茶道を習ったことがありましたが、公演形式で美しい所作を目にでき、とても新鮮でした。これをきっかけに日本人として、一つひとつの演目にもっと触れてみたくなりました。