京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を食べる 更新日:2017.11.16
新春にいただくご利益料理
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。
まもなく師走。紅葉シーズンが終わると、京都の街では徐々に正月準備に入っていきます。一年を健やかに過ごせるようにと願いを込められた、おせち料理の準備もその一つ。今回は、古来愛されてきた新春の名物料理に迫ります。
京のおせち料理でも親しまれる「いもぼう」
いもぼうひらのやほんけ
いもぼう平野家本家
京都のお正月のおせち料理としても親しまれている「いもぼう」とは、海老芋と棒鱈の煮物。厚く面取りした海老芋と、柔らかく戻した棒鱈を丸一昼夜かけて炊きあげます。「いもぼう平野家本家」では、江戸中期の創業以来、「いもぼう」の技と味が当主による口伝で受け継がれてきました。手間を惜しまずにじっくりと炊き上げる「いもぼう」は、海老芋のアクが鱈を柔らかくし、棒鱈の膠質が芋の形崩れを防ぎ、芯まで味が浸みる仕上がり。食材としての相性の良さから「夫婦炊き(めおとだき)」とも呼ばれます。
人気の「花御前」は「いもぼう」をはじめ、「とろろ海苔巻」や「祗園豆腐」などが付き滋養たっぷり!
※海老芋が出回るのは10月中旬~5月初旬まで。それ以外の時期は里芋で代用されます
基本情報 | |
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所在地 | 京都市東山区祇園円山公園内(八坂神社北側)地図 |
アクセス | 市バス100・201・202・203・206号系統ほか「祗園」より徒歩約3分、京阪「祇園四条」駅より徒歩約10分 |
電話番号 | 075-525-0026 |
URL | |
営業日 | 月曜日~日曜日 11:00-20:30 (LO20:00) |
休業日 | 年中無休 |
料金 | 「花御膳」3,000円(税別) |
縁結びの社を詣で「良縁ぜんざい」でほっこり
しもがもじんじゃ さるや
下鴨神社 さるや
下鴨神社境内に2010年にオープンした「さるや」は、小豆菓子のおいしさで知られる下鴨の和菓子店「あずき処 宝泉堂」が営む休憩処。名物は「申餅(さるもち)」で、明治初期まで親しまれてきた葵祭の名物を、140年ぶりに復元した餅菓子です。また菓子と共に供される「まめ豆茶」は神職が祭礼時に禊のために飲用するお茶など、下鴨神社との深い縁を感じます。
冬季のおすすめは、厳選した大粒の丹波大納言小豆のおいしさを存分に楽しめる「良縁ぜんざい」。境内の縁結びの神様・相生社に由来するもので、ご祈祷を受けた「えんむすびの鈴」が添えられて供されます。良縁を願って参拝した後、ぜひとも味わいたい一品です。
基本情報 | |
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所在地 | 京都市左京区下鴨泉川町59 下鴨神社境内 明橋休憩処地図 |
アクセス | 市バス1・4・205号系統「下鴨神社前」より徒歩約3分、京阪「出町柳」駅より徒歩約10分 |
電話番号 | 090-6914-4300 |
URL | |
営業日 | 月曜日~日曜日 10:00-16:30 (LO16:00) |
休業日 | 年中無休 |
料金 | 「良縁ぜんざい」650円(税込)、「申餅 ほうじ茶付き」350円(税込)、「持ち帰り用 申餅5個入り袋」540円(税込) |
京の迎春用菓子の代表格「葩餅」
提供元:七條甘春堂
しちじょうかんしゅんどう ほんてん
七條甘春堂 本店
慶応元(1865)年創業、三十三間堂や豊国神社の御用達店でもあった和菓子の老舗「七條甘春堂」。七条通に面した風情ある趣の店舗には四季折々の上生菓子が並びます。7代目当主が創設した茶室「且坐喫茶(しゃざきっさ)」では、和菓子作りの体験教室を行うほか、甘味処として和菓子を懐石料理風にあしらった「和菓子膳」をいただくことができます。
「葩(はなびら)餅」は、京都の多くの和菓子店で1月初旬に限定販売されるもので、茶道における稽古始である初釜に欠かせないお菓子としても有名。白味噌仕立ての京のお雑煮を模したもので、白味噌餡を桃色の餡、ゴボウの甘煮と共に柔らかな白餅で挟み込んでいます。白餅にわずかに透ける薄い桃色が、新春を寿ぐようです。
基本情報 | |
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所在地 | 京都市東山区七条通本町東入 西の門町551番地地図 |
アクセス | 市バス100・110・206号系統ほか「博物館三十三間堂前」より徒歩すぐ、京阪「七条」駅より徒歩約5分 |
電話番号 | 075-541-3771 |
URL | |
営業日 | 月曜日~日曜日 9:00-18:00 ※甘味処10:00-18:00 (LO17:30) |
休業日 | 年中無休 |
料金 | 「葩(はなびら)餅」5個入2,322円(税込) ※1月初旬のみの限定販売 |
健やかな年を願って「小豆粥で初春を祝う会」
提供元:妙心寺東林院
みょうしんじとうりんいん
妙心寺東林院
妙心寺塔頭のひとつである東林院は通常非公開の禅寺ですが、行事の開催時期に限って公開されます。例年、小正月にあたる1月15日から1月31日に開かれる「小豆粥で初春を祝う会」は、平安時代より伝わる習わしを気軽に体験できる恒例行事。新春に小豆粥を食べると一年間の邪気を払い、万病を除くとされます。小豆は滋養があり心身に良いと、古くから貴重な食べ物。うっすらと桜色に染まった小豆粥に、焼き餅が載せて供され、まさに新春を祝するような御膳に。
静寂に包まれた庭園の青苔に映える赤い千両を眺め、水琴窟の音色に耳を傾けながら小豆粥を味わうひととき。日々の喧騒から離れてゆったりとした時間を過ごせます。
基本情報 | |
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所在地 | 京都市右京区花園妙心寺町59地図 |
アクセス | 市バス91・93号系統「妙心寺前」より徒歩約6分、JR「花園」駅より徒歩約8分 |
電話番号 | 075-463-1334 |
開催日 | 2018年1月15日(月)~1月31日(水) 各11:00-15:00 ※予約不要 |
参加費 | 「小豆粥で初春を祝う会(梅湯茶礼・小豆粥と精進料理)」1名3,800円(税込) |