京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を見る 更新日:2018.04.19
伝統と革新が生み出す、京の酒造り
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。
近年、世界的に和食が注目される中、日本酒への関心も高まっています。京都は都市としての歴史同様に酒造りの歴史も長く、特有の酒文化があります。杜氏の伝統技術や酒蔵独自の創意工夫により生み出される京都のお酒。そんな酒造りの地を訪ねてみませんか。
酒処・伏見屈指の蔵で知る日本酒の今昔
げっけいかんおおくらきねんかん
月桂冠大倉記念館
京の酒処・伏見。その中でも屈指の歴史を誇り、現在日本最大級の酒造メーカーの一つである「月桂冠」は、寛永14(1637)年に初代・大倉治右衛門が創業しました。風情ある街並みの一角にある「月桂冠大倉記念館」は、明治後期建造の酒蔵を活用した施設。貴重な酒造用具類を保存し、伏見の酒造りと日本酒の歴史を紹介しています。
またオプションとして、記念館に隣接する「月桂冠酒香房」の見学も実施(前日までに予約要)。ここは但馬流の杜氏が昔ながらの手法で酒を醸す酒蔵で、モロミが発酵している様子をガラス越しに見学可能(蒸米や仕込みなどの作業は、不定期で実施)。さらに見学後は吟醸酒や大吟醸、プラムワインのきき酒タイムもあり、目でも舌でも伏見の酒文化を堪能できます。
提供元:月桂冠
基本情報 | |
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所在地 | 京都市伏見区南浜町247地図 |
アクセス | 京阪「中書島」駅より徒歩約5分、近鉄「桃山御陵前」駅より徒歩約10分 |
電話番号 | 075-623-2056 |
URL | |
営業日 | 月曜日~日曜日 9:30-16:30(最終受付16:15) |
休業日 | お盆・年末年始 |
料金 | 入館料 大人300円(税込)【2018/7/1より大人400円(税込)に価格改定】 |
丁寧な造りで究極の質を追求する伏見の蔵
ふじおかしゅぞう・さかぐらばーえん
藤岡酒造・酒蔵Barえん
酒処・伏見で一旦は酒造りに幕を降ろしたものの、平成14(2002)年に見事に復活を果たした「藤岡酒造」。最盛期には普通酒を中心に8,000石(144万L)を醸造していましたが、現在は220石(4万L)の規模。量を追わず、味や質で納得のいくものを目指している蔵元です。「青空を見上げるとホッとするように、飲んだ人がそんな優しい気持ちになれるお酒」を目指し、『蒼空』の銘柄で親しまれています。
蔵見学は酒造期間外の夏場のみ可能ですが、酒蔵併設のBar「えん」は通年営業。ガラス越しに仕込み蔵を望みながら、銘酒のきき酒や甘酒、酒粕アイスクリームなどを味わえます。
基本情報 | |
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所在地 | 京都市伏見区今町672-1地図 |
アクセス | 京阪「伏見桃山」駅より徒歩約6分、近鉄「桃山御陵前」駅より徒歩約8分 |
電話番号 | 075-611-4666 |
URL | |
営業日 | 【酒蔵Bar「えん」】月曜日~火曜日、木曜日~日曜日 11:30-18:00 |
休業日 | 水曜日 |
料金 | 酒蔵見学 大人500円(税別) |
京の街中に残る、酒造りの貴重な史跡
きんしまさむね ほりのきねんかん
キンシ正宗 堀野記念館
代表銘柄『金鵄正宗』で知られる伏見の酒蔵・キンシ正宗。1781年に京都御所の南で初代・松屋久兵衛が造り酒屋を創業したのがルーツ。創業地は現在「堀野記念館」として、京の造り酒屋と町家文化の博物館として公開されています。館内は創業以来酒造りに使われてきた名水「桃の井」や京の粋と美意識を感じさせる「鶴亀の庭」、酒造りの貴重な道具類を保存する酒蔵「天明蔵」、酒造業の変遷が記された古文書などを納めている「文庫蔵」などの見所満載。
明治期より清酒は伏見で醸造されていますが、記念館に隣接する「京都町家麦酒醸造所」では1997年から地ビールを醸造。口当たりのよい名水を使って仕込まれたビールは京の食を引き立てる上品な味わいで、女性にも好評です。
基本情報 | |
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所在地 | 京都市中京区堺町通二条上ル亀屋町172地図 |
アクセス | 地下鉄烏丸線・東西線「烏丸御池」駅より徒歩約10分 |
電話番号 | 075-223-2072 |
URL | |
営業日 | 月曜日、水曜日(5月のみ)~日曜日 11:00-17:00(最終受付16:30) |
休業日 | 5月は毎週火曜日、5月以外は毎週火曜日・水曜日、年末年始、8月は臨時休館あり |
料金 | 入館無料 |
太陽光発電の近代的設備で醸す美しい酒
まついしゅぞう かもがわぐら
松井酒造 鴨川蔵
鴨川のほとりにある「松井酒造」は、享保11(1726)年に但馬国城崎郡香住(現・兵庫県香住町)で創業。江戸後期に京都市中心部へ移転し、洛中で最古の歴史を持つ蔵元とされています。伝統技術を守る一方で最新技術も導入し、時代と共に酒造りも進歩してきました。
現在蔵に必要な電力の6割は太陽光発電で賄い、近代的な設備で醸しています。掃除がしやすい環境の利点もあり、見学時には蔵の中まで入り、場合によってはもろみが発酵している様子も見学可能。代表銘柄の『五紋神蔵 KAGURA』は、一切濾過を行わず、無濾過、生酒、原酒であることにこだわったお酒。長い伝統に裏打ちされた経験と最新の設備で挑戦し続けています。
基本情報 | |
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所在地 | 京都市左京区吉田河原町1-6地図 |
アクセス | 京阪・叡山電鉄「出町柳」駅より徒歩約10分 |
電話番号 | 075-771-0246 |
URL | |
営業日 | 月曜日~土曜日 9:00-18:00 ※変更の場合あり |
休業日 | 日曜日・祝日 |
料金 | 酒蔵見学無料(団体の場合は有料) |