京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

歴史の風を感じる花街・島原エリアを歩く

歴史の風を感じる花街・島原エリアを歩く

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

江戸時代以来、公許の花街(歌舞音曲を伴う遊宴の町)として発展してきた島原。正式地名は「西新屋敷」である島原の名の由来は、江戸初期に官命によって急な移転が行われたことが、九州で起きた島原の乱を彷彿させたことから。江戸中期には和歌俳諧等の文芸も栄え、幕末には新選組などの志士が駆け抜けました。そんな歴史の風を感じる島原エリアを散策してみませんか。

JR「丹波口」駅からスタートです!

JR「丹波口」駅へのアクセス:JR「京都」駅より嵯峨野線で約3分
モデルコースの所要時間:2時間

ルート

JR「丹波口」駅からスタート!

徒歩約6分(約525m)

1

「角屋もてなしの文化美術館」

徒歩約2分(約125m)

2

「きんせ旅館」

徒歩約2分(約110m)

3

「島原大門」

徒歩約1分(約80m)

4

「島原 乙文」

江戸時代の饗宴・もてなしの文化にふれる

江戸時代の饗宴・もてなしの文化にふれる

すみやもてなしのぶんかびじゅつかん

角屋もてなしの文化美術館

寛永18(1641)年の島原開設当初から饗宴の場である揚屋建築を唯一保存、公開する「角屋」。揚屋(あげや)とは、置屋から太夫や芸妓を呼んで歌舞音曲の遊宴を行った所であると同時に、現在の料理屋・料亭にもあたる場所です。大座敷に面した庭にお茶席を配するとともに、寺の庫裏と同規模の台所を備えていることが大きな特徴。幕末には諸大名をはじめ西郷隆盛や久坂玄瑞、坂本龍馬らが利用したことでも知られ、一階奥座敷「松の間」では新選組40数名の大宴会が催されました。
さらに島原は、遊宴の場にとどまらず文芸も盛んな町で、角屋も和歌や俳譜などの文化サロンとしての役割も果たしてきました。館内の島原文芸資料室では、貴重な襖絵や書画を目にできます。

角屋もてなしの文化美術館

陽光が差し込む台所。調理台と配膳台がフラットに繋がり、非常に機能的な造りであったことが窺えます

角屋もてなしの文化美術館

「松の間」から臨む庭園。枯山水白砂の名庭で、見事な臥龍松、曲木亭、清隠斎茶席などがあります

基本情報
所在地

京都市下京区西新屋敷揚屋町32地図

アクセス

JR「丹波口」駅から徒歩約6分

電話番号

075-351-0024

URL

http://sumiyaho.sakura.ne.jp/

開館期間

3月15日~7月18日、9月15日~12月15日

開館期間中の時間

10:00-16:00 ※月曜日(祝日の場合翌火曜日)休館

休館期間

12月16日〜3月14日、7月19日〜9月14日

料金

入館料一般1000円 ※2階の特別公開の座敷の見学は予約制。見学料800円別途必要


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見所
「きんせ旅館」まで徒歩約2分(約125m)
「きんせ旅館」まで徒歩約2分(約125m)

丹波口駅の方へ戻ると「島原西門碑」、「島原住吉神社」、「大銀杏」など歴史的なスポットが複数あります(写真は島原住吉神社)。これら島原ゆかりの場所(7箇所)には文芸碑があるので、散策途中に訪ねてみては。


歴史の威容と心地よさが共存するカフェ

歴史の威容と心地よさが共存するカフェ

きんせりょかん

きんせ旅館

島原の中心に位置する「きんせ旅館」。推定250年ほど前、江戸後期に造られたとされる建物は、大正後期〜昭和初期にかけて一階を洋風に改装しています。一旦は営業を休止していましたが、2009年に1階をカフェとして、2015年に2階を1日1組限定の宿として再開。一階のガラスの格子戸を入ると、コーヒーの良い香りがたちこめています。エントランスホールの焙煎室を抜けると、美しいステンドグラスの装飾が施された扉があり、その先にカフェ空間が広がっています。江戸から明治、大正…と大切に受け継がれてきた空間には、オーナーのご家族のコレクションやこの場所を愛するお客から贈られた猫のインテリアがそこかしこに。ここで過ごすひと時は、つかの間のタイムトラベルのようです。

きんせ旅館

京都市の歴史的風致形成建造物の指定を受ける建物。和洋折衷の空間が印象的です

きんせ旅館

コーヒーは館内エントランスで焙煎を行う「IWASHI COFFEE」の豆を使用。常時4種がラインナップ

基本情報
所在地

京都市下京区西新屋敷太夫町80地図

アクセス

JR「丹波口」駅から徒歩約8分

電話番号

075-351-4781

時間

【カフェ】月曜日・水曜日~金曜日 15:00-22:00、土曜日・日曜日 10:00-22:00

休日

【カフェ】火曜日

料金

「コーヒー ブラジル(中深煎り)」500円(税込)※アイスコーヒー+50円


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見所
「島原大門」まで徒歩約2分(約110m)
「島原大門」まで徒歩約2分(約110m)

「きんせ旅館」を後にして、道なりに東へと歩を進めると大門が見えてきます。途中、南北の通りを少し北へ進むと、由緒ある置屋「輪違屋」の建物を目にできます。(現在はお茶屋として営業中のため非公開)


島原の東入口に佇む正門

島原の東入口に佇む正門

しまばらおおもん

島原大門

寛永18(1641)年に開設された島原。当初は堀と塀で囲まれ、東北角の大門のみでしたが、その後、享保17(1732)年に西の大門が設けられました(西門は輪禍に見舞われ倒壊。現在は石碑が残されています)。
写真の島原大門は、日本最古の公許遊廊島原の正門で、島原エリアを東西に繋ぐ道筋の東端に位置します。当初の門の様式は明らかではありませんが、慶応3(1867)年に立て替えられた現在の門は、神社仏閣なみの本格的な高麗門で、京都市登録有形文化財の指定を受けています。かつて門内は通りの左右に格子造りの揚屋、置屋が整然と並んでいたと伝わります。威風堂々とした大門の佇まいに、往時の街並みが偲ばれます。

島原大門

かつて大火に見舞われたことのある島原。門前には石造りの水槽の上に木桶が積まれています

島原大門

一間幅、本瓦ぶき、切妻の高麗門。瓦には、火災除けの意味がある「三つ巴」の紋が用いられています

基本情報
所在地

京都市下京区西新屋敷町地図

アクセス

JR「丹波口」駅から徒歩約10分

時間

見学自由

休日

年中無休

料金

見学無料


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見所
「島原 乙文」まで徒歩約1分(約80m)
「島原 乙文」まで徒歩約1分(約80m)

大門前には通称「出口の柳」と呼ばれる柳があります。門前から花屋町通沿いに東へ。島原の門前町として歩んできた「嶋原商店街振興組合」には、和菓子店や飲食店などが軒を連ねます。


花街の粋を味わえる口福な料理店

花街の粋を味わえる口福な料理店

しまばら おとぶん

島原 乙文

島原大門から東へすぐの場所にある京料理と寿司の名店「乙文」。昭和2年の創業以来、地域の人々に愛され続けてきました。主人が毎朝市場へ足を運んで選び抜いた素材を、愛情を持って使い切る料理はどれも滋味にあふれる味わい。春は花見のちらしずし、夏は涼やか鱧のすし、秋は実りの鯖姿、冬は雪見のにぎりずしと謳われる京寿司をはじめ、四季折々の新鮮な食材を使った会席料理、幕の内弁当、フグやカニなどの鍋料理も充実。さらに、太夫さんを招いた会も年に数回開催しており、一見でも花街のお座敷文化にふれることができます。写真はお造りに焼魚、炊合せ、だし巻きなど京料理の粋が盛り合わされたお得なランチメニュー。目でも舌でも堪能できます。

島原 乙文

二階は大小の座敷席で構成されており、少人数のグループから宴会まで対応可能

島原 乙文

花屋町通に面した店舗。軒先には趣のある太夫さんの暖簾が掲げられています

基本情報
所在地

京都市下京区花屋町通壬生川西入薬園町158地図

アクセス

JR「丹波口」駅から徒歩約10分、市バス18・206・207号系統ほか「島原口」から徒歩約4分

電話番号

075-351-2792

時間

月曜日~火曜日、木曜日〜日曜日 10:00-19:00(LO)

休日

水曜日、第3木曜日 ※年末年始、春季・夏季休暇、他不定休有り

料金

「乙文のお昼ごはん(全7品)」1,700円(税込)


お疲れ様でした

お疲れ様でした

「島原 乙文」から花屋町通を東へ。南北に走る大宮通に至ると市バス「島原口」があり、京都駅や東寺、四条河原町方面のバスが運行しています。また、西本願寺も徒歩圏内にあります。


周辺MAP