京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

美しき世界へ「京の冬の旅」非公開文化財特別公開

美しき世界へ「京の冬の旅」非公開文化財特別公開

提供元:正伝永源院

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

凛とした空気と静けさに包まれる冬の京都。例年1月から3月にかけて開催される「京の冬の旅」では、貴重な文化財が期間限定で公開されます。第53回を迎える今回は、「京都にみる日本の絵画~近世から現代~」がテーマ。新しい年のはじまりに、日本の美をたずねてみませんか。

禅寺に珍しい金碧画と新旧の技の融合

禅寺に珍しい金碧画と新旧の技の融合

提供元:天球院

みょうしんじ てんきゅういん

妙心寺 天球院

天球院は、岡山藩主の池田光政、光仲兄弟が伯母の天久院のために1631(寛永8)年に建立した妙心寺の塔頭寺院。寺名は建立の際に地中から「球」が掘り出されたことに由来します。本堂(重文)は玄関をつけた大型方丈形式で、金碧襖絵56面、杉戸絵16枚等合わせて152面あり、狩野山楽、山雪父子の筆と伝えられます。
今回の「冬の旅」では、狩野山楽の生誕460年を記念して、狩野山楽・山雪の絢爛豪華な障壁画を一挙に公開。公開される障壁画の多くは、NPO法人 京都文化協会ならびにキヤノン(株)が推進する「綴プロジェクト」によって制作されている高精細デジタル複製品です。複製品とはいえ伝統工芸士により金箔などの装飾までを忠実に再現しており、作品の迫力や美しさは圧巻。今にも動き出さんとする動植物の姿をぜひ間近で目にしてみては。

妙心寺 天球院

提供元:天球院

虎の襖絵の中に、なぜか豹が描かれているという『竹に虎図』も公開。細部までじっくりと鑑賞しましょう

妙心寺 天球院

提供元:天球院

「第53回京の冬の旅」に際して、方丈三室の障壁画の絵柄を使った3種の御朱印帳が新登場。2019/1/10より授与開始。1冊2,000円

基本情報
所在地

京都市右京区花園妙心寺町46地図

アクセス

JRバス・市バス10・26号系統「妙心寺北門前」より徒歩約2分、JR嵯峨野線「花園」駅より徒歩約12分

電話番号

075-462-9041

拝観日

【京の冬の旅】2019/1/10〜3/18公開 各8:30-16:30(16:00受付終了)

休日

通常非公開、「京の冬の旅」特別公開期間中(上記)は無休

料金

拝観料大人600円、御朱印300円


絢爛な花の襖絵に込められた人生観

絢爛な花の襖絵に込められた人生観

提供元:正伝永源院

けんにんじ しょうでんえいげんいん

建仁寺 正伝永源院

臨済宗大本山建仁寺の塔頭「正伝永源院」は、元は正伝院と永源庵の2つの寺であった歴史を有します。永源庵は、織田信長の弟である大名茶人・織田有楽斎と、熊本藩主・細川家の菩提所です。現在、境内には有楽斎が建てた国宝の茶室「如庵(じょあん)」を復元。「暦張り」や「鱗板」「有楽窓」といった、有楽斎好みの設えを鑑賞できます。
今回の「冬の旅」では、狩野山楽の生誕460年を記念し、狩野山楽筆の鮮やかな金碧の襖絵「蓮鷺(れんろ)図」16面や、細川家とゆかりのあることから、2013年春に奉納された元首相・細川護煕氏筆の襖絵が公開される予定。華やかな印象の「蓮鷺図」では、蓮のツボミから開花、枯れ葉に至るまでの過程が描かれ、栄枯盛衰の世界観がありありと示されています。
※特別展示の寺宝については、期間中展示替えが行われます。

建仁寺 正伝永源院

提供元:正伝永源院

庭園との調和が美しい国宝の茶室「如庵」の写し。「如庵」の額は細川護貞氏の揮毫です

建仁寺 正伝永源院

提供元:正伝永源院

細川護煕氏より寄贈された襖絵24面より、東山の夜桜を描いた「知音」。限られた色彩ながら、花の香りが漂ってくるようです

基本情報
所在地

京都市東山区大和大路通四条下る四丁目小松町586地図

アクセス

京阪「祇園四条」駅より徒歩約5分、市バス80・86・202・206・207号系統「東山安井」より徒歩約5分

電話番号

075-531-0200

URL

http://www.shoden-eigenin.com/

拝観日

【京の冬の旅】2019/1/10〜1/27、3/1〜3/18のみ公開 各8:30-16:30(16:00受付終了)

休日

通常非公開、「京の冬の旅」特別公開期間中(上記)は無休

料金

拝観料大人600円、御朱印300円


新旧の絵師が描いた水墨画が一堂に

新旧の絵師が描いた水墨画が一堂に

提供元:両足院

けんにんじ りょうそくいん

建仁寺 両足院

仏の尊称の一つ「両足尊」にちなんで名付けられた建仁寺塔頭寺院。室町時代中期まで「五山文学」の最高峰寺院で、江戸時代以降も「建仁寺の学問面」の中核を担ってきた歴史があります。
今回の「冬の旅」では、長谷川等伯生誕480年を記念し、桃山時代の絵師・長谷川等伯筆「水辺童子図(みずべどうじず)」や「竹林七賢図(ちくりんしちけんず)屏風」(上記写真)のほか、希代の画家・伊藤若冲筆「雪梅雄鶏図(せつばいゆうけいず)」が特別に展示されます。また、2014年の建仁寺開山・栄西禅師の八百年大遠諱を機に、道釈画家・七類堂天谿(しちるいどうてんけい)氏が描いた方丈障壁画が全面完成するのを記念して、この冬ついに初公開されます。新旧の水墨画を通じて、禅の心にふれてみては。
※特別展示の寺宝については、期間中展示替えが行われます。

建仁寺 両足院

提供元:両足院

道釈画家・七類堂天谿氏による制作のようす。方丈内が32面もの障壁画群により彩られます

建仁寺 両足院

提供元:両足院

約300坪の庭園は枯山水庭園と池泉庭園からなり、池のほとりには茶室「水月亭」「臨池亭」があります

基本情報
所在地

京都市東山区大和大路通四条下る四丁目小松町591地図

アクセス

京阪「祇園四条」駅より徒歩約5分、市バス80・86・202・206・207号系統「東山安井」より徒歩約5分

電話番号

075-561-3216

URL

https://ryosokuin.com/

拝観日

【京の冬の旅】2019/1/10〜3/18公開 各8:30-16:30(16:00受付終了)

休日

通常非公開、「京の冬の旅」特別公開期間中(上記)は無休

料金

拝観料大人600円、御朱印300円


時を経てなお心に響く芸術家たちの美の競演

時を経てなお心に響く芸術家たちの美の競演

提供元:本法寺

ほんぽうじ

本法寺

室町時代に創建された本法寺は日蓮宗本山の一つで、天正15(1587)年に豊臣秀吉の都市整備に伴い、現在の地へと移転します。安土桃山時代から江戸時代にかけて活躍した芸術家・本阿弥光悦の菩提寺としても知られ、また光悦と同時代に活躍した絵師・長谷川等伯が京都上洛にあたり活動拠点にした寺院です。
今回の「京の冬の旅」では、長谷川等伯生誕480年を記念し、等伯が本法寺塔頭に寄宿していた時に描いた本法寺貫首の肖像画「日堯上人像」(重文)や「波龍図屏風」(写真)、また京狩野派初代の狩野山楽生誕460年を記念し、「唐獅子図屏風」が特別公開されます。なお宝物館の常設展示では、等伯が晩年に描いた大作「佛涅槃図」(重文・複製)も拝観でき、芸術家たちの残した美しき世界へと誘われます。
※「京の冬の旅」非公開文化財特別公開の寺宝については、期間中展示替えが行われます。

本法寺

境内の長谷川等伯像。期間中、等伯と縁の深い本法寺関係者の肖像画「日通上人像」・「妙法尼像」も公開されます

本法寺

本阿弥光悦作「三巴(みつどもえ)の庭」(国の名勝)。名前は3つの築山があり、巴形(渦巻き)に見えることに由来

基本情報
所在地

京都市上京区小川通寺之内上ル本法寺前町617番地地図

アクセス

市バス9・12・67号系統「堀川寺之内」より徒歩約3分、地下鉄烏丸線「今出川」駅より徒歩約12分

電話番号

075-441-7997

URL

https://eishouzan.honpouji.nichiren-shu.jp/

拝観日

【京の冬の旅】2019/1/10〜3/18公開 各10:00-16:00

休日

「京の冬の旅」特別公開期間中(上記)は無休

料金

「京の冬の旅」拝観料大人600円、御朱印500円(通常拝観料大人500円)