京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

京都・東山で刀剣ゆかりの地めぐり

京都・東山で刀剣ゆかりの地めぐり

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

日本刀は武器ではありますが、時には信仰の対象でもあり、時には権威の象徴でもありました。近年、そうした刀剣の魅力が再注目され、各地で展覧会が行われるなど、日本の文化としてファンの裾野が広がりをみせています。今回は京都・東山の刀剣ゆかりの地を紹介します。

地下鉄東西線「蹴上」駅からスタートです!

地下鉄東西線「蹴上」駅へのアクセス:JR「京都」駅より地下鉄烏丸線で約5分、「烏丸御池」駅で東西線に乗り換え約7分
モデルコースの所要時間:2時間

ルート

地下鉄東西線「蹴上」駅からスタート!

徒歩約6分(約570m)

1

「佛光寺本廟」

徒歩約3分(約280m)

2

「合槌稲荷神社」

徒歩約4分(約380m)

3

「粟田神社」

徒歩約8分(約660m)

4

「知恩院」

刀工・三条宗近の石碑に往時を想う

刀工・三条宗近の石碑に往時を想う

ぶっこうじほんびょう

佛光寺本廟

蹴上駅のほど近くに佇む佛光寺本廟は、浄土真宗の宗祖である親鸞聖人御廟所(お墓) を中心とした真宗佛光寺派の墓所です。江戸・元禄年間(1688-1703)、本山より廟堂を移したことに由来。移転以前の時代には、地名の「粟田口鍛冶町」が示す通り、平安時代の刀工・三条宗近(三条小鍛冶)の古跡であったとされ、現在も境内に石碑が残されています。宗近が作った刀の中でも現存する「三日月宗近(みかづきむねちか)」は天下五剣の一つで、国宝に指定されています(東京国立博物館 所蔵)。森閑とした空気のなか、往時に思い馳せてみては。

佛光寺本廟

三条通からゆるやかに続く参道を進むと、明治中期に建立された壮麗な山門(唐門)が見えてきます

佛光寺本廟

山門(唐門)を入ると、左手前方に本堂、その奥に御廟所があり、石碑は御廟所の前にあります

基本情報
所在地

京都市東山区粟田口鍛冶町14地図

アクセス

地下鉄東西線「蹴上」駅から徒歩約6分

URL

http://www.bukkoji.or.jp/honbyo/

時間

参拝自由

休日

年中無休

料金

参拝無料


次の
見所
「合槌稲荷神社」まで徒歩約3分(約280m)
「合槌稲荷神社」まで徒歩約3分(約280m)

佛光寺本廟を後にして、再び大通りの三条通へ。道なりに西へ向かうと、前方に次の目的地が見えてきます。


名刀「小狐丸」の誕生伝説の舞台

名刀「小狐丸」の誕生伝説の舞台

あいづちいなりじんじゃ

合槌稲荷神社

室町時代の謡曲「小鍛冶」によると、986年に一条天皇の即位に際して鎮護の名刀を打つように命じられた宗近が、刀の焼入れに伏見稲荷山の土を用い、稲荷明神に成功祈願します。満願の夜に現れた童子が合槌を打ったことから見事な刀が完成し、「小狐丸(こぎつねまる)」と名付けたそう。合槌稲荷神社では、この名刀誕生に深く関わった稲荷明神を祀っています。この小狐丸のエピソードは、浄瑠璃や歌舞伎の作品としても有名。住宅地の中にある小さなお社ですが、本殿に至るまで朱塗りの鳥居が何基も建ち並び、信仰の厚さがうかがえます。
※御朱印は、近隣の粟田神社で授与されています。

合槌稲荷神社

三条通に面した参道の入り口。住宅の間に建ち並ぶ鳥居を抜けた路地の奥にお社があります

合槌稲荷神社

粟田神社の社務所で授与される御朱印。刀剣や神狐が描かれ、とても趣深いものです

基本情報
所在地

京都市東山区中之町200地図

アクセス

地下鉄東西線「蹴上」駅から徒歩約9分

時間

月曜日〜日曜日 9:00-17:00

休日

年中無休

料金

参拝無料、御朱印300円


次の
見所
「粟田神社」まで徒歩約4分(約380m)
「粟田神社」まで徒歩約4分(約380m)

三条通を横断して西へ向かうと、すぐに粟田神社の参道入口が見えてきます。雰囲気のある石畳の道を山手に進んでいきましょう。


平安時代の刀工たちゆかりのお社

平安時代の刀工たちゆかりのお社

あわたじんじゃ

粟田神社

平安京の東の玄関口(粟田口)に位置する粟田神社は、古くから厄除けや旅立ちの神様として信仰を集めてきました。こちらも平安時代の刀工・三条宗近のゆかりの地で、かつて宗近はこの付近に住んでいたと伝わります。粟田神社の末社にあたる鍛冶神社には、名刀「三日月宗近」を製作した三条宗近、名刀「一期一振」を製作した粟田口吉光、そして作金者(かなだくみ:製鉄・鍛冶)の祖である天目一筒神が祀られています。
社務所で授与されている御朱印は、通常、粟田神社・鍛冶神社・合槌稲荷神社の3社の3種類。さらに、近年話題を集めている「京都刀剣御朱印めぐり」、「京都十六社 御朱印めぐり」の期間中は、それぞれの御朱印がいただけます。
※1/19より鍛冶神社 特別御朱印「三日月」を授与予定(書き置きのみ・初穂料500円)

粟田神社

鍛冶神社は二ノ鳥居を入ってすぐの場所にあります。悪縁を断ち切り、良縁結びに霊験あらたかだそう

粟田神社

高台の上にある境内からは、京都市内を一望できます(写真は桧皮葺拝殿からの眺め)

基本情報
所在地

京都市東山区粟田口鍛冶町1地図

アクセス

地下鉄東西線「蹴上」駅から徒歩約12分

電話番号

075-551-3154

URL

https://awatajinja.jp/

時間

月曜日〜日曜日 8:30-17:00(社務所)

休日

年中無休

料金

参拝無料、御朱印(通常)300円


次の
見所
「知恩院」まで徒歩約8分(約660m)
「知恩院」まで徒歩約8分(約660m)

粟田神社を後にして、南西にある知恩院を目指して歩みを進めます。道中、神宮道を南へ進んでいると、前方に青蓮院の大楠が見えてきます。


美しき水景色が境内のそこかしこに

美しき水景色が境内のそこかしこに

ちおんいん

知恩院

浄土宗の総本山知恩院は、浄土宗の宗祖・法然が半生を過ごし、没したゆかりの地に建てられた寺院です。威風堂々たる知恩院三門前の井戸は、平安時代の刀工・三条宗近が娘の病の回復のお礼に長刀を打つ際に掘ったものと言われることから「小鍛冶の井」と呼ばれます。その長刀は、祇園祭の長刀鉾として長年使用されていました。
また、現在も知恩院に湧き出る水(紫雲水)は名水として有名で、境内奥の「勢至堂」(重要文化財)の傍ら、御廟の崖下に紫雲水の小さな池があります。知恩院境内の中でも、ひときわ静穏な空気に包まれた、お念仏発祥の地にふさわしい聖地です。
※写真は、江戸初期作庭の方丈庭園の水景色

知恩院

東山の湧き水を引き入れた庭園と枯山水の庭園とで構成された昭和の名園「友禅苑」。秋の紅葉も見事

知恩院

威風堂々たる知恩院の三門は、江戸初期に建立された日本最大級の木造二重門。「華頂山」の額は二畳分以上にもなるそう

基本情報
所在地

京都市東山区林下町400地図

アクセス

地下鉄東西線「東山」駅より徒歩約8分、市バス12・31・46号系統「知恩院前」より徒歩約5分

電話番号

075-531-2111

URL

https://www.chion-in.or.jp/

時間

月曜日〜日曜日 9:00-16:00

休日

年中無休

料金

参拝無料、庭園拝観料:友禅苑 大人300円・方丈庭園 大人400円、御朱印300円


お疲れ様でした

お疲れ様でした

知恩院の参道を西へ下ると、風情ある白川の一本橋が見えてきます。ぜひ写真に収めたい京都の景色のひとつです。


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