京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を見る 更新日:2019.04.25
伊藤若冲、その足跡をたどる
© 「鹿苑寺大書院障壁画 双鶏図貼付」(鹿苑寺蔵) 提供元:相国寺承天閣美術館
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。
江戸時代を代表する絵師・伊藤若冲(1716〜1800)。京都・錦市場に生まれた若冲は、緻密な線描と極彩色の作品を手がける一方、のびやかな筆遣いとユーモラスな表現の作品も多数残しています。生きとし生けるものの姿を独自の視点で捉え、今なお見る者の心に強く訴えかける若冲の作品群。京都でその足跡をたどってみませんか。
禅宗に帰依した若冲が手がけた圧巻の障壁画
© 「鹿苑寺大書院 障壁画 葡萄小禽図床貼付」(鹿苑寺蔵) 提供元:相国寺承天閣美術館
しょうこくじじょうてんかくびじゅつかん
相国寺承天閣美術館
相国寺および金閣寺、銀閣寺などが所有する墨蹟・絵画・工芸品等の文化財を収蔵・展示している相国寺承天閣美術館。江戸中期、錦の青物問屋の長男として生まれた若冲は、40歳で家督を弟に譲り、早々と隠居。本格的に絵師としての道を歩み出します。そして、相国寺・住持大典(だいてん)和尚のもとで仏教や書、絵などの指導を受けたとも伝わります。こうした交遊関係から、相国寺に「動植綵絵(どうしょくさいえ)」30幅(のち宮内庁に献上)と「釈迦三尊像」3幅対を寄進し、鹿苑寺大書院の障壁画を手掛けました。常設展示では、鹿苑寺の大書院の一之間、および三之間の障壁画を鑑賞可能。水墨画で描き込まれた若冲のみずみずしい世界を堪能できます。
提供元:相国寺承天閣美術館
基本情報 | |
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所在地 | 京都市上京区今出川通烏丸東入相国寺門前町701地図 |
アクセス | 地下鉄烏丸線「今出川」駅より徒歩約8分 |
電話番号 | 075-241-0423 |
URL | |
時間 | 月曜日〜日曜日 10:00-17:00(16:30最終入館) |
休日 | 年末年始、展示替期間 |
料金 | 一般800円 |
表現対象に真摯に向き合い美に昇華させる
© 「伊藤若冲 糸瓜群虫図(部分) 江戸中期」 提供元:細見美術館
ほそみびじゅつかん
細見美術館
昭和の実業家・細見良(古香庵)氏から三代にわたって蒐集した、珠玉の日本美術コレクションを展示・公開する細見美術館。花と実をつけたヘチマのツルが伸びやかに空を描く「糸瓜群虫図」のような写実的な絵(メイン写真)から、さっと描いたかのように見える「瓢箪図」やユーモラスな表情の「伏見人形図」など、多様な作風の若冲作品を収蔵しています。
※若冲作品は常設ではありません。展示スケジュール等は、ホームページをご覧ください。
提供元:細見美術館
提供元:細見美術館
基本情報 | |
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所在地 | 京都市左京区岡崎最勝寺町6-3地図 |
アクセス | 地下鉄東西線「東山」駅より徒歩約8分、市バス:31・32・201・202・203・206系統「東山二条・岡崎公園口」より徒歩約3分 |
電話番号 | 075-752-5555 |
URL | |
時間 | 火曜日〜日曜日 10:00-18:00(17:30最終入館) |
休日 | 月曜日、年末年始、展示替期間 |
料金 | 展覧会によって異なる |
若冲が晩年を過ごし、五百羅漢を手がけた美しい古刹
提供元:石峰寺
せきほうじ
石峰寺
黄檗宗 百丈山石峰寺は、禅境を好んだ若冲ゆかりの場所です。若冲は55歳までに代表作である「動植綵絵」などを相国寺に寄進し、その後は宗教の原質を求めて黄檗山へと入り、石峰寺の七代蜜山修大和尚の協賛を得て、石峰寺裏山で「五百羅漢」の制作にむかいます。そして、天明8(1788)年に京都の大火で家を焼失した若冲は、寛政2(1791)年ごろから石峰寺に隠棲し、85歳で没するまでここで過ごします。
本堂の裏山には、今なお数百体に及ぶ石造りの五百羅漢が安置されており、釈迦の誕生から涅槃に至るまでの生涯を表したものを中心に構成されます。長年の風雨から丸みを帯びた羅漢は、ひとつひとつ個性的な表情。竹林に差し込む光を受けて、刻一刻とその趣を深めるようです。
※五百羅漢の写真撮影やスケッチは禁止
基本情報 | |
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所在地 | 京都市伏見区深草石峰寺山町26地図 |
アクセス | 京阪「深草」駅・JR奈良線「稲荷」駅より各徒歩約8分 |
電話番号 | 075-641-0792 |
URL | |
時間 | 月曜日〜日曜日 9:00-16:00 |
休日 | 年中無休 |
料金 | 拝観料大人300円 |
錦市場からすぐの若冲の菩提寺
ほうぞうじ
宝蔵寺
平安時代創建の宝蔵寺は、伊藤若冲の菩提寺。23歳の頃に亡き父の跡を継いで青物問屋の主人となった若冲は、宝蔵寺に父母、弟たちのお墓を建立しました。宝蔵寺には、若冲初期の作品「竹に雄鶏図」と「髑髏図」、また弟の白歳の筆による「羅漢図」が所蔵されています。
本堂は通常非公開ですが、本堂前にある若冲が建立したお墓は自由にお参りできます。また、宝蔵寺が所蔵する伊藤若冲の作品「竹に雄鶏図」、「髑髏図」、弟の「羅漢図」や若冲に絵をならった画家たちの作品は、若冲の誕生日である2月8日前後の寺宝展で公開されています。
また、ご本尊「阿弥陀如来」の御朱印と若冲の「髑髏図」にちなんだカラフルなドクロの御朱印を授与しています。
提供元:宝蔵寺
基本情報 | |
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所在地 | 京都市中京区裏寺町587地図 |
アクセス | 阪急「河原町」駅より徒歩約5分 |
電話番号 | 075-221-2076 |
URL | |
時間 | 火曜日〜日曜日 10:00-16:00(御朱印授与) |
休日 | 拝観は不定休 ※御朱印は月曜休み |
料金 | 参拝無料、御朱印300円〜500円 |