京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を遊ぶ 更新日:2019.09.12
真田幸村ゆかりの技法を学ぶ
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。
戦国時代に生まれた「真田紐(さなだひも)」は、繊細な意匠ながらとても丈夫なもの。戦いの中に身をおいていた武士たちに思いを馳せながら、現代まで受け継がれるその伝統的な実用品をぜひ体験してください。
さなだひもし えなみ
真田紐師 江南
現在15代目を数える「真田紐師 江南」は、戦国時代の真田紐作りを受け継ぐお店です。帯締めなどに使われる組紐とは違い、真田紐は機織りで作られます。戦国時代に生まれたこの技法は、大阪夏の陣で活躍した・真田幸村の父である真田昌幸が武具に使ったことから「真田紐」と呼ばれるようになったとか。
また、千利休が庶民にお茶の文化を伝える際に、茶道具の入った桐箱を真田紐で結ぶ方法も広まったそう。現在もその風習は残り、お茶の流派や作家ごとに柄や結び方の決まりがあります。武士と庶民に愛された実用的で丈夫な真田紐。ぜひ自分好みの使い方を見つけてみてください。
ブレスレットづくり ※予約制 | |
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料金 | 2,000円(税込) |
所要時間 | 約60分 |
定員 | 1名〜30名 |
備考 | ※参加人数が多い場合は広間で開催する場合があります |
真田紐師 江南 | |
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所在地 | 京都市東山区問屋町通り五条下ル上人町430番地地図 |
アクセス | 京阪「清水五条」駅より徒歩約2分、 市バス4・5・17・80・205号系統「河原町五条」より徒歩約5分 |
電話番号 | 075-531-5429 |
URL | |
営業日 | 月曜日~火曜日、木曜日~日曜日 10:00-17:00 |
休業日 | 水曜日 |
受付・真田紐の説明
受付を済ませ、まずは真田紐について15代目の和田伊三男さんよりお話をうかがいます。真田紐の歴史や使い方から、大河ドラマ「真田丸」の裏話まで貴重なお話が続きます。歴史ファンならずとも楽しいひととき。
織り機の説明
つづいて織り機について説明いただきます。こちらは先代がなんと手作りしたものだとか。他にも着物の織り機を真田紐用に改造したものもあり、最近は出張教室のために持ち運べる織り機も開発されています。
織りの実演
実際に織るところを見せていただきます。簡単そうに見えるますが、常に力を一定のバランスを保つ必要があり、精神力が問われるそうです。戦国時代は武士たちの精神修行にもなっていたとか。
織りの体験Ⓐ横糸を入れる
では実際に織っていきましょう。まず横糸を入れます。そのときに大切なのは力加減。引っ張るときについつい強くなったり、逆に弱すぎたりすると幅が不均一になってしまうので、力加減を左右一定に保つのがポイントです。
織りの体験Ⓑ筬で打つ
次に筬(おさ)と呼ばれる道具を使い、縦糸を整え横糸を打ち込んでいきます。ここでも一定の力加減を保たないと、横糸が圧縮されすぎたりゆるんだりしてしまいます。やはり精神力が問われる作業ですね。
織りの体験Ⓒ縦糸を組み替える
足元のペダルを踏み、縦糸を組み替えます。通常の絹織物などに比べ縦糸が2倍から4倍の本数があります。そのため丈夫で武具代わりに使えるほどの強度が生まれます。
織りの体験Ⓓ筬を戻す
筬(おさ)には竹のクシのような部分があり、そこに縦糸が通っています。この筬(おさ)を奥に戻す勢いを利用して縦糸の組み換えをよりスムーズに行うことができます。織りの体験ⒸとⒹの順番を間違えないように慎重に進めます。
両端を糊付けする
15cmほど織り進んだら、自分が織った部分を和田さんに切り取ってもらいます。両端を折り込んで糊付けし、形を整えましょう。金具をつける準備です。ここで最終的に長さを調節します。
完成
整えた紐の両端に金具を付け、中央部分で取り外しが可能な留め具を付けます。そのままブレスレットとして身につける他に、カバンやポーチ、傘などに付けると印代わりにもなるので、使い方は無限です。
結び方を学ぶ
体験のあとは、真田紐の結び方を教えてもらうこともできます。桐箱にかかっている真田紐の「柄」が誰の紐なのかで作品の真贋証明になっていて、「結び方」がパスワードとして使われ忍びなどが開けたかどうか分かったそう。
ただ体験しただけではなく、歴史や大河ドラマの裏話などを伺うこともでき大満足です。早速鞄につけてみましたが良い個性を出してくれています。ベルト替わりに使えるようなものもあったので、また訪れたいです。
/写真は「真田紐 江南」15代目の和田 伊三男さんと