京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

今春リニューアルオープン!京都市京セラ美術館 見所ガイド

今春リニューアルオープン!京都市京セラ美術館 見所ガイド

© Photo: Koroda Takeru

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

昭和8(1933)年、京都で行われた昭和天皇即位の礼を記念して開館した京都市美術館。2018年1月からの大規模工事を経て、2020年3月21日(※)に「京都市京セラ美術館」として生まれ変わります。伝統と革新が交錯する新たな空間を訪ねてみませんか。
※5月26日に開館いたしました。最新情報は公式サイトをご確認ください。

京都にアートの新風を吹き込む拠点が誕生

京都にアートの新風を吹き込む拠点が誕生

© Photo: Koroda Takeru

きょうとしきょうせらびじゅつかん

京都市京セラ美術館

公立美術館としては東京都美術館に次いで日本で二番目に開館した京都市美術館。明治以降の日本画、洋画、工芸作品などのコレクションを有し、長きに渡り京都のアートシーンを彩ってきました。2020年春のリニューアルに伴い、「京都市京セラ美術館」に。新館長でもある建築家・青木淳、西澤徹夫の革新的なコンセプトに基づき、昭和初期の竣工当時のデザインを活かしながら、現代的な要素を加えた機能的な空間に生まれ変わりました。従来の本館に加え、現代美術などを展示するための新館「東山キューブ」、新進作家を中心に発信する「ザ・トライアングル」、収蔵品を展示する「コレクションルーム」などの展示スペースを新たに備え、これまで以上に多様な美術を発信することを目指しています。

京都市京セラ美術館

© Photo: Koroda Takeru

基本情報
所在地

京都市左京区岡崎円勝寺町124地図

アクセス

地下鉄東西線「東山」駅より徒歩約8分、市バス5・46・100・110系統ほか「岡崎公園 美術館・平安神宮前」より徒歩すぐ

電話番号

075-771-4334

URL

https://kyotocity-kyocera.museum/

時間

火曜日〜日曜日 10:00-18:00(最終入場17:30)

休館日

月曜日 ※祝日の場合は開館、年末年始

料金

「コレクションルーム」京都市内在住の方(一般):520円、市外在住の方(一般):730円
※企画展・別館は、展覧会ごとに料金が異なる

「京都市京セラ美術館」の見所ガイド!

エントランスのニューシンボル
「京セラスクエアのガラス・リボン」

敷地西側の神宮道に面するエントランス広場「京セラスクエア」。この広場に面する「ガラス・リボン」は、従来の玄関の地下1階部分まで掘削して生まれた南北の空間にガラスをはめたもの。メインエントランスやカフェ・ミュージアムショップから構成される、リニューアルのシンボル的存在です。

エントランスのニューシンボル「京セラスクエアのガラス・リボン」

© Photo: Koroda Takeru

東西の動線をつなぐハブ空間
「本館中央ホール」

これまで本館の中心に位置していた天井高16mの旧大陳列室は、地下1階のメインエントランスから大階段でつながる「中央ホール」へと変わり、美術館のさまざまな場所へとアクセス可能なハブ空間に。これにより、神宮道の西側広場から、岡崎道の日本庭園に至る東西の動線が刷新されました。

東西の動線をつなぐハブ空間「本館中央ホール」

© Photo: Koroda Takeru

非公開空間に新機能をプラス
「本館 光の広間 天の中庭」

本館内2箇所の中庭は、竣工当時の意匠を生かした多機能な大空間へと変貌。北回廊の中庭は2階にバルコニーを設け、ガラスの大屋根をかけることで室内化した「光の広間」(写真)に。南回廊の中庭は、外気に触れられる「天の中庭」となり、展示やワークショップなどにも活用される予定。

非公開空間に新機能をプラス「本館 光の広間 天の中庭」

© Photo: Koroda Takeru

現代美術に対応するモダンな空間
新館「東山キューブ」

本館の東側に新たに誕生した新館「東山キューブ」の面積は約1000平米、天井高は5mで、現代美術を中心にアニメやファッションなど多ジャンルの作品を紹介する展示空間。写真の屋上庭園「東山キューブテラス」から臨む庭園や東山の眺望も見事です。

現代美術に対応するモダンな空間 新館「東山キューブ」

© 撮影: 来田猛

エントランス北西に登場したギャラリー
「ザ・トライアングル」

敷地の北西角の地下1階には、新進作家を中心に発信するスペース「ザ・トライアングル」を新設(観覧無料)。2019/12/21〜2020/5/31まで、「ザ・トライアングル」上部、北西エントランスを舞台に、アーティスト鬼頭健吾の《ghost flowers》を展示中。色彩あふれる世界へと誘われます。

エントランス北西に登場したギャラリー「ザ・トライアングル」

© 鬼頭健吾《ghost flowers》「アートプロジェクト高崎」 2018年
撮影:木暮伸也

開館記念展は京都の美術と現代美術

本館 北回廊1階を舞台に
開館記念展「京都の美術 250年の夢」

開館記念展「京都の美術 250年の夢」は、「最初の一歩:コレクションの原点」と第1部〜3部から成る大規模展です。2020/3/21〜4/5開催の「最初の一歩:コレクションの原点(開催中止)」は、1935年(京都市美術館の開館3年目)に行われた初のコレクション展を再現します。
※2020/4/18からは、京都市京セラ美術館開館記念展「京都の美術 250年の夢」第1部を開催。

本館 北回廊1階を舞台に開館記念展「京都の美術 250年の夢」

© 中村大三郎《ピアノ》 1926年 同館蔵

新館 東山キューブを舞台に
杉本博司の個展「杉本博司 瑠璃の浄土」

かつて6つの大寺院が存在していた京都・岡崎に立つ美術館のリニューアルにあたり、杉本博司が「仮想の寺院の荘厳」を構想。この個展は2020/3/21〜6/14開催。
また、新館に隣接する日本庭園には《硝子の茶室 聞鳥庵》(モンドリアン)が設置される。同作は日本初公開で、〜2021/1/31まで日本庭園にて公開。

新館 東山キューブを舞台に杉本博司の個展「杉本博司 瑠璃の浄土」

©杉本博司《OPTICKS 008》 2018年 © Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi