京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を遊ぶ 更新日:2020.11.05
伝統工芸士に教わる京の引染体験
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。
京都の伝統工芸「引染(ひきぞめ)」は、着物(絹)を染める時の染色技法の一つで、染料液を刷毛で均一に、またはぼかして染色するものです。この技法を使って、キャンバス生地(綿帆布)を染める体験をご紹介します。引染特有の「ぼかし」表現を活かして、ぜひ世界に一つだけの作品を作り上げてください。
京都の混雑状況(2022年10月25日現在) ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。
みーゔそめこうぼう
ミーヴ染工房
創業百年を超える引染工房 隄染工の4代目が「伝統工芸を親しみやすいものに」と2010年に立ち上げたブランド「meib(ミーヴ)」では、その歴史が育んだ確かな技術を使った新たな作品が生み出されています。引染とは、生地に刷毛を使って均一もしくはぼかしながら染色する地染めの方法。着物では絹が中心ですが、meibで新たに開発された帆布を染めた「粋布(すいふ)」はポップな柄も多く、日常で使いやすい雑貨などに加工されています。体験では帆布を染める工程を、実際の工房で伝統工芸士から直接指導を受けながら、約45×50cm角の帆布を丸刷毛で自由に染めることができます。重なり合う色の絶妙な世界観が美しい引染の奥深さに触れてみては。
提供元:ミーヴ染工房
受付
到着後、まずは体験の注意事項と流れの説明を聞きます。自分で染めた生地は後の工程を経て後日届きます。基本的に生地のままで届きますが、オプションプランではポーチやがま口などに加工してもらうことも可能です(別途有料)。エプロン・手袋を身につけたら、さあ体験のスタートです。
道具の説明
使用する道具は、実際に職人さんが使うものと同じものです。引染体験に使うのは極小サイズの丸刷毛で、柔らかくコシのある鹿の毛が用いられているそう。エッジの部分を上手く使えば、細い線や細かなドットを描くことができます。
色の確認
染料は全10色が用意されています。予約の際に好みの色合いを伝えておくと、それに沿った色を用意してもらえることも。用意された10色を重ね合わせることで、イメージした染め色を表現していきましょう。
お試しスペースで練習
本番のスペースを染めていく前に、まずは色見本のある生地の端のお試しスペースで刷毛の使い方や染料の付け方などを練習します。作業途中で色の確認をしたい時も、この場所を活用してください。
本番スペースを染めていく
実際に染めていきましょう。事前にイメージを決めてから染め始めるとスムーズですよ。作業時間は約45分間ですが、20分程度で完了する方もいるそう。早めに完成した場合は、ぜひ工房内を見学してみてください。
アドバイスをもらう
作業の途中で職人さんにアドバイスをもらうこともできます。引染ならではの表現方法など、その技術と知識をどんどん活用させてもらいましょう。より深みのある作品に一歩近づきますよ。
完成
色を重ねる時は、一度目が乾いてからがおすすめです。もちろん濡れた状態で二度目の色を入れることもできますが、そちらは上級テクニック。何色かを重ねたり、同じ色でも時間差で染めたりすると立体感のある作品になります。
完成作品が手元に届く
染め終えた生地は色を留めるための熱処理やシワ伸ばしなどの加工が施され、2~4週間ほどで郵送されてきます。自宅に届いた作品をきっかけに、旅の思い出を語らってみては。(写真は引染生地を使ったポーチなどの作品サンプル)
思っていたより広い範囲を染めることができたので、とても満足感がありました。染め方の見本も用意されていたので、それを見ながら完成イメージを考えることができました。ぜひまたチャレンジしてみたいです。/写真は「ミーヴ染工房」の京友禅伝統工芸士 隄雄生さんと