京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

新春の京都で干支の丑づくし

新春の京都で干支の丑づくし

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

令和3年は丑年。牛(丑)と人類の関わりは長く、農耕作業や物資運搬の労働力として、古くから私たちの暮らしに身近な動物です。また、仏教が興ったインドでは牛が神様とされ、菅原道真公を祀る天満宮の神使は牛であるなど、宗教的な側面からも牛にまつわる信仰が広まりました。新しい年のはじまりに、京都で丑を詣でませんか。

京都の混雑状況(2022年10月25日現在) ★★★☆☆ 例年並みです。 ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。

道真公の邸宅跡にある個性豊かな丑が守る烏丸の天神さん

道真公の邸宅跡にある個性豊かな丑が守る烏丸の天神さん

すがわらいんてんまんぐうじんじゃ

菅原院天満宮神社

京都御苑の西に位置する「菅原院天満宮神社」は、学問の神様として知られる菅原道真公と父の是善卿、祖父の清公卿が祀られています。「烏丸の天神さん」とも呼ばれるこちらの神社は、道真公の先祖三代の邸宅跡に創建されました。丑年のお生まれで、さらには白い丑に命を救われたという逸話も残るなど、丑とゆかりが深い道真公。境内にある6体の丑の中では、写真の江戸時代に奉納された木像の丑が最古のもので、目が赤く角も立っている珍しい形なんだそう。脆くなっているため、普段は本殿の中で保管されています。神社の中心にある丑の像や、樹齢300年以上の銀杏の下にある小さな3体の丑、道真公が初湯に用いたという「初湯の井戸」と同じ水源の手水所など見どころが多く、2021年にぜひ訪れたい「丑」スポットです。

菅原院天満宮神社

人気の「丑みくじ」は全部で5色。丑年にぴったりな可愛いおみくじで1年の運勢を占ってみては

菅原院天満宮神社

拝殿の左手にある末社「梅丸大神」は癌封じにご利益があるといわれ、日本全国からお参りに来られるのだとか

基本情報
所在地

京都市上京区堀松町408地図

アクセス

地下鉄「丸太町」駅より徒歩約 5 分、市バス 10 ・ 51 ・ 65 ・ 93 ・ 202 ・ 204 号系統「烏丸丸太町」より徒歩約 7 分

電話番号

075-211-4769

URL

http://sugawarain.jp/

時間

月曜日~日曜日 6:00-17:00 ※12 /31 6:00-18:00(18:00-23:00一時閉門)23:00~1/1 20:00、1/2・1/3 6:00-19:00

休日

年中無休

料金

参拝自由、「丑みくじ」各500円(税込)


学問の神様・天神様と牛の縁深い関係

学問の神様・天神様と牛の縁深い関係

きたのてんまんぐう

北野天満宮

天暦元年(947)に創建された、全国に約1万2000社ある天神社・天満宮の総本社「北野天満宮」。平安時代に学者・政治家として活躍した菅原道真公を御祭神として祀ります。境内のそこかしこに奉納された牛の像があります。その所以は道真公が丑年のお生まれであることや、道真公のご遺体を牛車にてお運びしたなどの故事が有名です。のちに道真公の神霊に対する信仰が「天神信仰」として広まり、侍従している牛が「神の使い」と称され、神秘的な伝承を現在に多く伝えています。境内の牛の像はどれも横たわった姿をしていますが、国宝御本殿中央の欄間に刻まれた牛だけが唯一立ち姿をしており、北野天満宮七不思議のひとつです。

北野天満宮

天神様の牛信仰は、現在では「撫牛信仰」として広がり、臥牛(がぎゅう)には諸病平癒の力があると考えられています

北野天満宮

楼門のそばには赤目の臥牛が鎮座。瞬きをせず一心に道真公を待つあまり、赤目になってしまっなど様々な逸話があり、親しまれている牛像のひとつ

基本情報
所在地

京都市上京区馬喰町地図

アクセス

嵐電「北野白梅町」駅より徒歩約5分、市バス10・50・51・101・203系統ほか「北野天満宮前」より徒歩すぐ

電話番号

075-461-0005

URL

https://kitanotenmangu.or.jp/

時間

6:30-17:00 ※社務所・授与所 9:00-16:30

休日

年中無休

料金

参拝無料


本堂前に鎮座する狛牛「宝勝牛」に勝運を願う

本堂前に鎮座する狛牛「宝勝牛」に勝運を願う

みょうじょうざん みむろとじ

明星山 三室戸寺

三室戸寺は、奈良時代の宝亀元年(770)に山中から黄金の仏像が発見され、光仁天皇の勅願によりこの仏を本尊として創建されたと伝わります。平安時代から広まった観音信仰の西国三十三所第10番札所で、本山修験宗の別格本山として現在も参拝者が絶えません。また、初夏には約2万株のあじさいが咲く様が美しく、他にも桜やつつじ、しゃくなげ、蓮など四季の彩り豊かな花寺として有名です。
本堂前には「宝勝牛」という大きな牛の石像が鎮座。その昔、この地で毎月の観音詣でを欠かさずに牛を大切に育てた富右衛門の伝説にちなみ、宝勝牛の口の中にある牛玉(ごおう)の観音様をさわると勝運がつくと伝えられています。白い牛・赤い牛のお守りや牛玉守が授与されています。

明星山 三室戸寺

山門から坂道と石段を登った山手に建つ本堂。右手には阿弥陀堂、三重塔があります

明星山 三室戸寺

境内には作庭家・中根金作による池泉回遊式庭園と石庭があり、山景色との美しき調和を堪能できます

基本情報
所在地

京都府宇治市莵道滋賀谷21地図

アクセス

京阪「三室戸」駅より徒歩約15分

電話番号

0774-21-2067

URL

https://www.mimurotoji.com/

時間

【11/1~3/31】月曜日~日曜日 8:30-16:00(15:30受付終了) 【4/1~10/31】月曜日~日曜日 8:30-16:30(16:00受付終了)

休日

12/29・12/30・12/31

料金

拝観料 大人500円 ※あじさい園・つつじ園の開園期間中は大人800円


名宝が揃う京博で恒例の干支にちなむ特集展示

名宝が揃う京博で恒例の干支にちなむ特集展示

きょうとこくりつはくぶつかん

京都国立博物館

国宝と重要文化財を含めた約1万4600件の美術品や文化財を収蔵する「京都国立博物館」。東山連峰を背に、壮麗なレンガ造りの建築が印象的な正門と明治古都館(旧 帝国京都博物館 本館/写真、現在展示は休止中)は片山東熊博士による設計で、重要文化財に指定されています。同館は京都周辺の寺社から貴重な文化財を多数寄託されており、保存管理・研究だけでなく展示公開を行っています。
平常展示のほかに特別展を1年に2回開催しており、恒例の新春特集展示では、干支・牛(丑)にちなんだ「丑づくし─干支を愛でる─」(会期:2020/12/19~2021/1/31)が行われます。古来より人々に寄り添ってきた動物・牛を、細やかな小作品をはじめ、野性味溢れる作品を通じて紹介。私たちと牛との関わりを多彩な作品と共にたどってみませんか。

京都国立博物館

©新羅十二支像護石拓本のうち丑像(部分) 提供元:京都国立博物館

獣頭人身の「十二支像」は7~9世紀の統一新羅時代に中国の影響で成立したもの

京都国立博物館

「平成知新館」は平成26(2014)年に開館した新しい展示館。世界的建築家・谷口吉生氏の設計で、日本的な空間構成が特徴

基本情報
所在地

京都市東山区茶屋町527地図

アクセス

京阪「七条」駅から徒歩約7分、市バス100・206・208号系統ほか「博物館三十三間堂前」「東山七条」より徒歩すぐ

電話番号

075-525-2473(テレホンサービス)

URL

https://www.kyohaku.go.jp/jp/

営業日

【新春特集展示「丑づくし─干支を愛でる─」】火曜日~日曜日 9:30-17:00(最終入館16:30)

休業日

月曜日(祝日の場合は開館・翌日代替休)・年末年始(2020/12/28~2021/1/1)

料金

【特別展】展覧会ごとに異なる ※「新春特集展示 丑づくし─干支を愛でる─」一般700円(税込)
※今後の特別展の予定や開館情報については公式サイトを参照