京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

京都で出会う、クラフトの新たな世界

京都で出会う、クラフトの新たな世界

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

陶磁器に漆器、染織品、木工品など、私たちの暮らしに寄り添うクラフト。京都には伝統的な技術を活かした手工芸品が数多くあり、現代の暮らしや使うシーンにあわせて日々進化し続けています。機能的で美しいクラフトは、海外でも高く評価されています。京都でクラフトの新たな世界を覗いてみませんか。

京都の混雑状況(2022年10月25日現在) ★★★☆☆ 例年並みです。 ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。

京都に息づく美と技が光るクラフトを一堂に

京都に息づく美と技が光るクラフトを一堂に

きょうとでんとうさんぎょうみゅーじあむ

京都伝統産業ミュージアム

「京都伝統産業ミュージアム」は、1977年の開館以来、京都に息づく伝統産業とその背景の紹介を通して、伝統産業の振興に取り組んできました。2020年3月のリニューアルを経て、現代のつくり手の活動を紹介する事業がさらに充実。常設展示の「74CRAFTS WALL」では、京都の伝統産業74品目を一堂に集め、カテゴリーごとに製造工程の映像やタッチパネルの紹介と共に紹介しています。また「74CRAFTS EXHIBITION」では、実際に手に触れて体感できるものや、時には職人の実演もあり、クラフトの世界をより身近に感じられます。驚くことに、常設展の展示品の大半が購入可能。数ある中でも人気が高いのは、京漆器の生態系を繋ぎなおすプロジェクトから生まれた「アサギ椀」だそう。今を生きる人のために、今つくり続ける人がいる。そんなクラフトの今を発信するミュージアムです。

京都伝統産業ミュージアム

桐製品を代表とする調度指物や茶道指物などの木工芸「京指物」の展示コーナー。製造工程を紹介するほか、使用される木材の違いを見て、触れて、香って知ることができます

京都伝統産業ミュージアム

巨大な京提灯が来場者を迎えるエントランス。壁面のユーモラスな伏見人形の展示に思わず顔がほころびます。(時季により展示内容は異なります)

基本情報
所在地

京都市左京区岡崎成勝寺町9番地の1 京都市勧業館みやこめっせ 地下1階地図

アクセス

地下鉄東西線「東山」駅より徒歩約10分、市バス32・46号系統「岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前」・5・100号系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」より各徒歩すぐ

電話番号

075-762-2670

URL

https://kmtc.jp/

営業日

月曜日~日曜日 9:00-17:00(入館は16:30まで)

休業日

不定休 ※京都府に緊急事態宣言が発令された場合は休館。詳細はHPを参照

料金

【常設展】無料 【企画展】一部有料


千態万様の個性こそ京都めく

千態万様の個性こそ京都めく

提供元:京都陶磁器会館

きょうととうじきかいかん

京都陶磁器会館

東山五条にある「京都陶磁器会館」は、京都陶磁器協会が運営するショップ&ギャラリーです。京焼とは、京都で焼かれたやきもののことを言います。有田焼などとは違い、統一の製法はなく、また原材料も京都産ではないことが多いそう。京焼は様々な技法を使い、色々な産地の材料を組み合わせて作られています。それらの出会いから生まれた数々の手法や作品の「多様性」こそが、京焼の特徴とも言えます。陶磁器会館では、200を超える窯元や作家の作品を一度に見ることができ、もちろん購入することも可能です。気に入ったものがあればその窯元などを紹介してもらうこともできるので、ぜひ好みのやきものを見つけてみてください。

京都陶磁器会館

1階は主にショップになっていて、日常使いのできる食器や陶磁器のアクセサリーなどから、飾って楽しむ芸術品まで購入可能。2階はギャラリーで2週間ごとに展示が入れ替わります

京都陶磁器会館

提供元:京都陶磁器会館

ガラス張りの建物と可愛らしい木の看板が目印です。清水寺や高台寺などがある東山地域にあるので、散策の合間に訪れてみてはいかがでしょうか

基本情報
所在地

京都市東山区東大路五条上ル遊行前町583-1地図

アクセス

市バス58・80・86・202・206・207号系統ほか「五条坂」より徒歩すぐ

電話番号

075-541-1102

URL

http://kyototoujikikaikan.or.jp/

営業日

月曜日~水曜日、金曜日~日曜日 10:00-18:00

休業日

木曜日 ※祝日の場合は営業

料金

入場無料


職人の心意気で繋がる技の世界

職人の心意気で繋がる技の世界

きょうとしぼりこうげいかん

京都絞り工芸館

珍しい絞り染め専門の「京都絞り工芸館」は、京都の絞り職人により結成された「京都絞栄会」が1985年から続けているテーマに沿って製作された作品を、より多くの人に見てもらおうとオープンしたミュージアムです。取材時は葛飾北斎をテーマにした展示が行われており、開館20年を記念して製作された横幅6.5mx高さ3mもの大作、絞り几帳「北斎神奈川沖浪裏」は圧巻の美しさ。この工芸館の最大の特徴は、訪れた人全員に対して、製作に携わった職人自らプライベートツアーをしてくれること。入館料だけで、絞り染めの技法や裏話などを直接聞くことができます。また、館内ではシルクを使った絞り染め体験もできるので、見て・触れて・聞いて・作ってと、絞り染めを余すことなく味わってみては。

京都絞り工芸館

ほかにも「富岳三十六景」を題材にした作品が並びます。メイン展示については、56工程にも及ぶ製作過程が動画や写真で解説されています

京都絞り工芸館

併設するショップでは絞り染めを使った着物や浴衣はもちろん、シルク素材の日傘や小物、白生地・染料のセットなども販売されています。絞り染めの深い魅力に惹き込まれ、自分で始める方もいるそう

基本情報
所在地

京都市中京区油小路通御池南入ル地図

アクセス

地下鉄東西線「二条城前」駅より徒歩約5分、市バス9・12・15・50・67・101号系統「堀川御池」より徒歩約5分

電話番号

075-221-4252

URL

https://www.shibori.jp/

営業日

月曜日~日曜日 9:00-17:00

休業日

不定休、お盆休、年末年始

料金

入館料 大人800円、中・高校生500円、小学生300円
※障がい者手帳お持ちの方とその付添者1名は半額


過去と未来が交錯する誇り高き美

過去と未来が交錯する誇り高き美

提供元:HOSOO FLAGSHIP STORE

ほそお ふらっぐしっぷ すとあ

HOSOO FLAGSHIP STORE

元禄元年(1688年)より続く西陣織の老舗「細尾」が、新たな工芸の拠点として「HOSOO FLAGSHIP STORE」をオープン。隅々まで工芸の本質を表す心配りがなされています。工芸建築と称する建物は、このために集結した熟練の職人たちが築き上げたまさに作品。1階のStore(ストア)ではオリジナルのテキスタイルを活かしたポーチやクッションなど、日常に寄り添った西陣織が販売されています。併設のラウンジに使われる器も伝統工芸品で、着物のかさね色目をモチーフにしたスイーツなどが用意されています。変えてはいけない大事なものと、時代とともに変化を遂げるもの。それらが融合する工芸の美を堪能してみては。

HOSOO FLAGSHIP STORE

提供元:HOSOO FLAGSHIP STORE

2階は染織を歴史と文化が凝縮された布を「メディア」として捉えた、様々な企画展を行うギャラリーになっています。2021/11/5からは近世麻布研究所所長 吉田真一郎氏とコラボレーションした「白の気配」展が開催予定

HOSOO FLAGSHIP STORE

提供元:HOSOO FLAGSHIP STORE

外壁には経年変化する版築塀や墨漆喰が使われ、輝きの変わらない金箔が一部あしらわれています。職人の手仕事に圧倒される存在感のある建物に、技を感じることができます

基本情報
所在地

京都市中京区柿本町412地図

アクセス

地下鉄烏丸線「烏丸御池」駅より各徒歩約2分

電話番号

075-221-8888

URL

https://www.hosoo.co.jp/

営業日

月曜日~日曜日 10:30-18:00

休業日

祝日・年末年始

料金

【Store】ポーチ 17,600円(税込)~ 【ラウンジ】水出し緑茶1,100円(税込)~ ※ギャラリーは入場無料