京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を遊ぶ 更新日:2022.01.13
愛でるたのしみ満喫!和蝋燭の絵付け体験
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。
京都の伝統工芸品とも言える、和蝋燭(わろうそく)。植物性の原料で作られ、炎の大きさやゆらぎがその大きな特長です。和蝋燭の歴史や工程を職人から直に学び、自分好みの絵柄の絵付けに挑戦してみませんか。
京都の混雑状況(2022年10月25日現在) ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。
なかむらろーそく
中村ローソク
1887年創業の「中村ローソク」は、各宗派総本山が集まる京都において、和・京蝋燭一筋で製造・販売を行う老舗。和・京蝋燭と洋蝋燭の一番の違いは原料にあります。洋蝋燭が石油系原料を使っているのに対し、和・京蝋燭の原料はすべて植物性です。そのため油煙が少なく、すすが出にくい特長があり、さらに内部が空洞であることから炎が大きくゆらぎます。また、手作りという点も魅力で、多くの職人の伝統の技が蝋燭一本一本に込められています。
「中村ローソク」では、京都の伝統工芸に触れる機会として体験教室を実施。絵付けだけの教室から、蝋燭作り全般を学べる教室まで用意されており、工房見学や職人との会話を通して和蝋燭の魅力に出会えます。
【和蝋燭絵付け体験】 ※予約制 | |
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料金 | 2,750円(税込) |
所要時間 | 約30~60分 |
定員 | 1名~20名(20名以上の場合は要問合せ) |
備考 | 「和蝋燭製造絵付け体験」6,050円(税込)、「和蝋燭製造体験」3,850円(税込)も実施 |
中村ローソク | |
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所在地 | 京都市伏見区竹田三ッ杭町57-8地図 |
アクセス | 地下烏丸線「竹田」駅より徒歩約3分 |
電話番号 | 075-641-9381 |
URL | |
営業日 | 月曜日~土曜日 9:00-17:30 |
休業日 | 日曜日、祝日、第2・4土曜日 |
受付・手順の説明
地下鉄「竹田」駅のほど近く、趣ある和風建築の「中村ローソク」へ。はじめに受付を済ませて、体験手順を確認します。写真は、店頭に陳列された大小・色柄様々な和蝋燭。その繊細な美しさに惹き込まれます。
工房見学(原料)
つづいて、工房見学へ。はじめに和蝋燭の特徴などについて教わります。和蝋燭とは和紙にイグサの髄を巻いて芯を作り、櫨(ハゼ)の実の油から抽出した木蝋などの植物性の蝋を塗り込んだもの。近年、櫨の危機的な不足に陥っていることから、同店では、京都で櫨の木を栽培するプロジェクトにも取り組んでいます。
工房見学(製造)
工房見学では、和蝋燭作りの仕事流れを目にすることができます。通常は工程ごとに職人が分業を行うそう。「和蝋燭製造体験」では、型流しを自ら行い、実際に和蝋燭を作ることもできます。(写真は蝋を溶かした様子)
工房見学(朱かけ)
和蝋燭には主に朱・白の2色があり、一般的に白色は日々のお光、葬儀、三回忌までの法要に、朱色は報恩講、お正月、お盆、年忌、法要などご先祖様に嬉しい事を報告する、お願い事をするなどの時に使用する、とされています。(写真は「中村ローソク」4代目の田川広一さんによる朱かけの様子)
絵付けの説明
工房見学の後、いよいよ絵付け体験へ!蝋燭に自分の好きな絵や文字を描いて、自分だけの和蝋燭を作ることができるもので、修学旅行生や外国からの旅行者にも人気だそう。はじめに道具の使い方や、書き方のコツを丁寧に教えてくれます。
講師作品の紹介
描き始める前に、講師作品を幾つか見せてもらいました。絵蝋燭は火を付けず、お花の代わりにお供えする蝋燭だそう。写真のようにお正月の縁起物やスノーマンをモチーフとした季節の作品もあり、その繊細な紋様や色使いに驚かされます。四季折々の作品のカタログも用意されているので、参考にしましょう。
絵付け
今回は朱白、碇型4匁(もんめ)の和蝋燭に描きました。植物性蝋のあたたかな香りに包まれた空間でいざ筆を手にすると、次々と花のイメージが湧いてきて、集中して作業をすることができました。絵柄は正面だけでなく、側面や裏面にも描くのがポイントだそう。
完成
完成した作品は、専用の箱に入れて持ち帰ることができます。専用のスタンドが付いているので、箱に入れた状態のまま飾ることも!また、玉締め搾りの蝋を使ったハンドクリーム「和蝋燭職人からのおすそ分け」のサンプルもお土産にいただきました。※体験参加者限定
自分の好みに合わせて絵付けができ、大人から子供まで楽しめる内容でした。和蝋燭の特徴や歴史・絵の描き方のコツなど、細かく教えていただき職人さんの繊細な作業にとても驚きました!お家でまずは飾って愛でたいと思います。
/写真は講師の西川さんと