東海道五十三次の宿場町を巡ろう! 小田原宿〜箱根宿 JR小田原駅~バス停箱根関所跡/JR小田原駅までバスで約1時間15分
※2023年4月現在の情報です。
歌川広重「東海道五拾三次/箱根・湖水図」
※国立国会図書館デジタルコレクションより転載
今回のモデルコースは、1日目に北条氏の本拠となった「小田原城」や、小田原の名物として有名な老舗かまぼこ店が営むかまぼこのテーマパークを訪れ、箱根湯本でウォーキングの疲れを癒します。2日目に今回のコースの山場となる「箱根の峠越え」に挑みますが、当時の姿を留める石畳道や杉並木を歩きながら、甘酒茶屋にも立ち寄って江戸時代から変わらない味を楽しめる、魅力あふれる街道です。ただし山道ですので昼食に食事休憩する飲食店はほとんどなく、お弁当やドリンクを持参するとよいでしょう。
歴史に興味がある方はもちろん、美味しいものを楽しみながら達成感を得られるウォーキングがしたい方におすすめの「小田原宿」~「箱根宿」のコースを歩いてみてはいかがでしょうか。
【ご案内事項】
●箱根の急な山道を歩くウォーキングコースです。
・畑宿から箱根旧街道石畳道など当時の街道がそのまま残っている場所もあります。旧街道は東海道ウォーキングの醍醐味でもありますが、でこぼこした石畳や苔むした石畳道は滑りやすくなっているため、不安な方はバスでの移動も可能です。路線バスの運行本数は30分〜1時間に1本程度です。前もって時刻表を調べておくことをお勧めします。
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●お帰りのバスについて
・箱根関所跡から箱根湯本駅(又はJR小田原駅)までの路線バスは、特に連休や紅葉の時期などの観光シーズンや休日は、渋滞により時刻表通りの運行が難しい場合があります。お帰りの電車を予約する際は、時間に余裕を持って計画することをお勧めします。
・箱根登山バス(H箱根町線)を利用すると、途中の小涌谷駅から箱根登山鉄道を利用して箱根湯本駅まで戻ることが可能です。
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小田原宿〜箱根宿
モデルコース(1泊2日)
徒歩約4時間15分/約13.8㎞
(総移動時間約4時間35分/総移動距離約19km)
※立ち寄り時間は除く・一部路線バスを利用します
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JR小田原駅東口START
徒歩約11分(約900m)
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小田原城址公園
徒歩約35分(約2.6km)
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鈴廣かまぼこの里
徒歩約45分(約3.1km)
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【ご宿泊】箱根湯本
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箱根湯本駅(バス停・4番のりば)
箱根登山バス約18分〈K箱根旧街道線/畑宿・元箱根港行〉※運行間隔:30分〜1時間に1本
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本陣跡(バス停)
徒歩約3分(約260m)
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畑宿寄木会館
徒歩約3分(約210m)
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畑宿一里塚
徒歩約25分(約1km)
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箱根旧街道石畳道
(須雲川自然探勝歩道)徒歩約40分(約1.3km)
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甘酒茶屋
徒歩約10分(約530m)
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箱根旧街道石畳道
徒歩約40分(約2.6km)
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箱根神社・大鳥居(第一鳥居)
徒歩約3分(約230m)
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旧街道杉並木道
徒歩約11分(約850m)
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箱根関所
徒歩約3分(約190m)
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箱根関所跡 (バス停/箱根湯本駅までバスで約1時間・JR小田原駅までバスで約1時間15分)
※右上のボタンでGoogleMapアプリでもご覧いただけます。
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戦国大名小田原北条氏の居城 「小田原城」
大森氏が小田原地方に進出した15世紀中頃に初めて築かれたと考えられている小田原城。北条早雲による攻略後、北条氏の本拠となったお城です。北条氏は城を順々に改修し、上杉謙信や武田信玄の侵攻をも退けた難攻不落の城となって関東を制覇しました。城とその城下町を9kmにもわたって囲った「総構(そうがまえ)」が特徴でしたが、天正18年(1590年)豊臣秀吉の攻撃により開城。その後は徳川の譜代大名大久保忠世・忠隣、稲葉正勝・正則らによって近世城郭として整備されましたが、明治時代には廃城となりました。現在は城址公園として整備され、天守閣、常盤木門(ときわぎもん)、銅門(あかがねもん)、住吉橋(すみよしばし)、馬出門(うまだしもん)が復元されています。
詳細情報
- 小田原城址公園
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住所:神奈川県小田原市城内6-1(天守閣)
アクセス:小田原駅より徒歩10分
入園料:無料 ※一部有料施設あり、天守閣単独券/大人510円、小中学生200円、常盤木門SAMURAI館との共通券/一般610円、小中学生220円
TEL:0465-23-1373(小田原城総合管理事務所)
URL:https://odawaracastle.com/
営業時間:公園は特になし、有料施設は9時〜17時(入館は16時30分まで)
休日:公園は特になし、有料施設は12月31日〜1月1日(天守閣は12月第2水曜日も)
JR東海ツアーズ社員の
スタッフレポ♪天守閣だけでなく、各門がきれいに復元されていました。また、四方八方から狙える位置に設けられた鉄砲狭間からは戦の様子が想像でき、「ここで狙い撃ちにされたら、敵はひとたまりもないだろうな……」と背筋が寒くなりました。天守閣広場のクロマツは、推定樹齢400年とのこと!江戸時代から小田原城の移り変わりを見てきたのかと思うと感慨深いです。春の時期は、お堀沿いの桜もきれいな桜のトンネルになりそうです。
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小田原といえばかまぼこ! 「鈴廣かまぼこの里」
慶応元年(1865年)創業の老舗かまぼこ店「鈴廣かまぼこ」。かまぼこのテーマパーク「鈴廣かまぼこの里」の中に、本店とかまぼこ博物館、鈴なり市場などがあり、かまぼこだけでなく干物やお菓子、雑貨など地元の名産品も売られています。かまぼこ博物館では、職人が手作業でかまぼこを仕上げる様子を見学できるほか、かまぼこ・ちくわの手づくり体験教室(有料)も実施。子供から大人まで楽しめるスポットとなっています。定番の板付き蒲鉾やちくわ、揚げ物に加え季節の商品などもあり、職人の技によって作られた美しい品々は、味はもちろん見た目も楽しませてくれます。
詳細情報
- 鈴廣かまぼこの里
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住所:神奈川県小田原市風祭245
アクセス:箱根登山鉄道風祭駅より徒歩すぐ
フリーダイヤル:0120-07-4547(受付時間:9時~18時)
URL:https://www.kamaboko.com/sato/
営業時間:9時〜18時(かまぼこ博物館は17時まで)
休日:年中無休(但し、1月1日及び臨時休業除く)
JR東海ツアーズ社員の
スタッフレポ♪「鈴廣かまぼこの里」にはたくさんのお店があり、かまぼこだけでなく地元の魅力的な特産品も販売されていて目移りしてしまいそうでした。自分のお土産用に買ったひと口サイズのかまぼこ「ぷちかま 明太マヨ」は、特にオススメの一品です!
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箱根の玄関口 「箱根湯本」
「箱根二十湯」とも言われるほど数多くの温泉場を持つ箱根温泉郷。その入口が箱根湯本です。開湯はなんと奈良時代。757年に泰澄(たいちょう)大師の弟子である浄定坊(じょうじょうぼう)が開いたと伝えられており、実に1,200年もの長い歴史があります。「温泉の出る急坂の山」という意味で名づけられたとされる湯坂山(ゆさかやま)から自然湧出する湯量は、毎日約8,000トン。無色透明・無味無臭な泉質で肌に優しく、入浴しやすい温泉として多くの方に親しまれています。立ち寄り湯もたくさんある箱根湯本は、箱根の中でも宿数が一番多いエリア。きっとお気に入りの宿が見つかることでしょう。
詳細情報
- 箱根湯本
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住所:神奈川県足柄下郡箱根町湯本
アクセス:ー
TEL:ー
URL:http://www.hakoneyumoto.com/
営業時間:ー
休日:ー
JR東海ツアーズ社員の
スタッフレポ♪自然豊かな山々に囲まれた、歴史ある箱根湯本。飲食店やお土産屋が充実している風情ある温泉街をぶらりと歩くのも楽しみの一つですね。歴史ある名湯にゆっくり浸かって体を癒し、明日の箱根の峠越えに備えましょう。
≪ご案内≫箱根湯本から次のスポットまでの移動はバス利用となります。
〈箱根登山バス時刻表/箱根ナビ ホームページはこちら〉※外部サイトに遷移します。
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伝統工芸品にふれる 「畑宿寄木会館」
箱根旧街道の畑宿(はたじゅく)にある寄せ木細工の展示施設、畑宿寄木会館。さまざまな樹木が持つ自然な色を活かして精緻な幾何学模様を作り出す、「箱根寄木細工」が展示・販売されています。箱根寄木細工とは、いくつもの種類の木のパーツを寄せ集めて作られる伝統工芸品のこと。約60種類ある伝統模様は、色や配置を変えると100種類にも200種類にもなるといわれています。その製作工程を説明するVTRが上映されているほか、実演コーナーでは熟練の職人による実際の製作の様子も見学可能。寄せ木細工のコースター作り(有料)も体験できます。
詳細情報
- 畑宿寄木会館
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住所:神奈川県足柄下郡箱根町畑宿103
アクセス:箱根登山バス「畑宿」バス停より徒歩3分
入館料:無料
TEL:0460-85-8170
URL:http://www.hakoneyumoto.com/exp/1
営業時間:9時30分〜16時30分(入館は16時まで)
休日:月曜日及び年末年始
JR東海ツアーズ社員の
スタッフレポ♪種類の異なる木材を組み合わせることで生まれる、緻密で繊細な寄せ木細工に感動しました!「木」にこんなに色の種類があることを、改めて知る機会になりました。ウォーキング途中で購入してもかさばらない、小さな品もいろいろ売られています。自分のお土産に購入したキーホルダーは、旅のよい記念になりました。
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江戸時代の姿を復元 「畑宿一里塚」
江戸時代に徳川幕府によって、旅人の目印として一里(約4km)おきに作られた一里塚。この畑宿(はたじゅく)一里塚は、箱根旧街道杉並木の入口となる、日本橋から数えて二十三里目にある塚です。箱根町には「湯本茶屋」「畑宿」「箱根」の3カ所に一里塚があった中、その形を唯一留めているのがこの畑宿。塚の頂上には標識樹として、畑宿から見て右に樅(もみ)の木、左に槻(けやき)の木が植えられています。現在の姿は1998年に復元されたものとなりますが、道の両側に残されている数少ない一里塚です。
詳細情報
- 畑宿一里塚
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住所:足柄下郡箱根町 畑宿173 付近
アクセス:箱根登山バス「畑宿」バス停より徒歩すぐ
URL:https://www.hakone.or.jp/561
営業時間:−
休日:−
JR東海ツアーズ社員の
スタッフレポ♪一里(約4km)ごとに置かれたという一里塚は、「これだけ進んだ!」と目に見えてわかるウォーキング中の元気の源です。江戸時代の川柳に「くたびれた やつが見つける 一里塚」とあるように、旅人たちの歩く励みになっていたことを実感しました。
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箱根八里を歩く 「箱根旧街道石畳道(須雲川自然探勝歩道)」
かつてこの道はひとたび雨が降れば膝まで浸かる泥道であり、旅人はこの道を通るのに苦労したため、延宝8(1680)年に江戸幕府によって石畳の道として整備されました。ここは天下の難所「箱根八里」として知られています。箱根八里とは、東海道の小田原宿から箱根宿までの四里(約16km)と、箱根宿から三島宿までの四里(約16km)を合わせたもの。江戸時代の旅人は、1日に十里(約40km)を歩いたといいますが、箱根地域では八里(約32km)しか歩けなかったと伝えられるほど急な坂が続くエリアです。現在は神奈川県によって一部残った石畳を元に道が再現され、自然探勝歩道となっています。
詳細情報
- 箱根旧街道石畳道(須雲川自然探勝歩道)
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住所:神奈川県足柄下郡箱根町畑宿 付近
アクセス:箱根登山バス「橿の木坂」バス停より徒歩約5分
営業時間:−
休日:−
JR東海ツアーズ社員の
スタッフレポ♪石畳の道ながら、整備されているため歩きやすい印象でした。ただし、木の根が大きく張り出している箇所や、苔がつるつると滑ったりするので注意が必要です。また、この歩道に至るまでの箱根七曲りは急坂の連続で、江戸時代の人々はその苦しさを「どんぐりほどの涙こぼるる」と、大粒の涙にたとえて表現しましたが、昔は草履で歩いたのですからさぞや大変な道のりだったのでしょうね。
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江戸時代から受け継がれる味 「甘酒茶屋」
江戸初期創業の「箱根甘酒茶屋」。赤穂浪士の一人、神崎与五郎の詫証文伝説が残る茶屋です。畑宿と箱根宿のちょうど中間辺りにあり、旅人がひと休みするのに適当な場所であったと考えられています。当時この茶屋は箱根八里間で13軒あり、甘酒を求める旅人でにぎわったそうです。名物は、江戸時代から変わらない製法で作られる、砂糖を使わず麹の甘さだけにこだわった甘酒。ほかにも、海苔で巻いた「いそべ」、きな粉をまぶした「うぐいす」、きな粉にすり立ての黒ごまを混ぜた「黒ごま」の3種類がある力餅も人気です。
詳細情報
- 甘酒茶屋
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住所:神奈川県足柄下郡箱根町畑宿 二子山 395-28
アクセス:箱根登山バス「甘酒茶屋」バス停下車すぐ
TEL:0460-83-6418
URL:https://www.amasake-chaya.jp
営業時間:7時〜17時30分(ラストオーダー17時)
休日:年中無休
JR東海ツアーズ社員の
スタッフレポ♪落ち着いた雰囲気の店内でいただく甘酒と力餅で、疲れた体が癒されます。黒ごまきな粉の力餅は、ほんのりやさしい甘さでとてもおいしく、甘酒は「飲む点滴」ともいわれるほど栄養満点!江戸時代の旅人たちが食した味と変わらない甘酒でエネルギー補給して、峠越えに臨みました。
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江戸時代の旅人の歩みが刻まれた 「箱根旧街道石畳道」
かつては、雨や雪の後にひどい悪路となり、旅人はひざまで浸かる泥道を歩いていたと伝えられる箱根道。江戸時代の初めに東海道として整備された当初には、毎年「ハコネダケ」という細い竹が敷き詰められていたそうです。しかしこれには多大な費用と労力がかかったため、後に江戸幕府によって石畳の道として整備されました。この旧東海道は、関東大震災や北伊豆地震などの度重なる災害により大半が崩壊、埋没してしまいましたが、残された一部の石畳を元に神奈川県が再現・整備をし、歴史的な佇まいを持つ自然遊歩道として親しまれています。なおこの箱根旧街道は、1960年に国の史跡に指定されています。
詳細情報
- 箱根旧街道石畳道
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住所:神奈川県足柄下郡箱根町畑宿 付近
アクセス:箱根登山バス「旧街道石畳」バス停下車すぐ
URL:https://www.hakone.or.jp/6316
営業時間:ー
休日:ー
JR東海ツアーズ社員の
スタッフレポ♪江戸時代の旅人は草鞋(わらじ)履きでこの石畳の道を歩いたのだと思うとその健脚ぶりには驚くばかりです。途中からの下り道はすべりやすく、よちよち歩きになってしまいましたが、最後の下り「権現坂(ごんげんざか)」からは芦ノ湖の水面がちらりと見え、自然と足に力が入ります!
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芦ノ湖湖畔に建つ 「箱根神社・大鳥居(第一鳥居)」
天平宝字元年(757年)に万巻上人によって現在の地に創建され、御鎮座1260年を超える箱根神社。古来、関東総鎮守箱根大権現と崇敬され、山岳信仰の一大霊場の中心地となった名社です。かつては、名だたる武将に篤く崇敬され、箱根路の整備とともに庶民信仰の聖地となりました。現在も運開きの神様として、開運厄除・心願成就・勝運守護・縁結びなどの御神徳を求めて多くの人々がお参りに訪れています。箱根神社の一の鳥居である「大鳥居(第一鳥居)」は国道1号線をまたいで建てられている鳥居の中では、日本一の大きさを誇ります。箱根駅伝のコースにあることでも有名です。
詳細情報
- 箱根神社・大鳥居(第一鳥居)
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住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根
アクセス:箱根登山バス「元箱根港」バス停下車すぐ
営業時間:−
休日:−
JR東海ツアーズ社員の
スタッフレポ♪坂道を下ると、突然現れる大鳥居。お正月の箱根駅伝でもおなじみの鳥居ですが、実際に見るとその大きさにびっくりしました。時間があればこのまま箱根神社に参拝をするのもオススメです。この鳥居をくぐったら、箱根の関所まではあとわずか!
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江戸幕府が整備した 「旧街道杉並木」
箱根宿が作られた元和4(1618)年頃、徳川幕府が東海道を行き交う旅人へ木陰を与えようと道の両側に杉を植えたことでできた杉並木。夏は日差しや暑さから冬は冷たい風や寒さから人々を守りました。東海道一の難所と言われる箱根の峠超えをする人々への徳川幕府の優しさを感じられるこの並木道は、元箱根から恩賜(おんし)箱根公園まで約500mにわたって続いています。1904年に湯本から芦ノ湖畔に至る新道の工事の際に、不足した工事費を捻出するため伐採・売却したとされる場所もありますが、樹齢約400年の杉や幹回りが4mにもなる大木もあり国指定史跡として保護されています。
詳細情報
- 旧街道杉並木道
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住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根東海道
アクセス:箱根登山バス・伊豆箱根バス「箱根支所前」バス停より徒歩すぐ
URL:https://www.hakone.or.jp/520
営業時間:−
休日:−
JR東海ツアーズ社員の
スタッフレポ♪地面に積もる杉の枯れ葉がふかふかしていて、意外と歩きやすい道でした。両手を広げても届かないくらい太い幹の杉を見上げながら、この場所で江戸時代の旅人にも木陰を提供していたのだと思うと、その歴史の深さに感慨深い気持ちになりました。
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江戸時代の姿を復元 「箱根関所」
江戸時代の交通史上における、重要な史跡「箱根関所」。当時全国に置かれていた50カ所余りの関所の中で唯一当時の姿が復元されている場所です。元和5(1619)年頃、徳川幕府によって設けられた箱根関所は、江戸の防衛のため東海道を行き来する人や荷物を取り締まる役割でした。しかし江戸幕府が終わりを迎えるとともに明治2年には廃されました。その後、昭和58年(1983年)に『相州御関所御修復出来形帳(慶応元年:1865年)』という箱根関所の建物や構造にまつわる事が記されたものが発見されたことによって平成19年(2007年)に復元を目指し環境整備が行われました。関所破りの極悪人を拘留した獄屋、芦ノ湖を高台から見張る遠見番所もあり、関所役人をはじめとする江戸時代の人々の生活がうかがえるスポットです。また、資料館では箱根だけでなく全国の関所についても紹介しています。
詳細情報
- 箱根関所
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住所:神奈川県足柄下郡箱根町箱根1番地
アクセス:箱根登山バス・伊豆箱根バス「箱根関所跡」バス停より徒歩2分
入場料:大人 500円、小人 250円
TEL:0460-83-6635
URL:https://www.hakonesekisyo.jp/
営業時間:9時〜17時、12月~2月は9時〜16時30分(※入館は閉館の30分前まで)
休日:年中無休
JR東海ツアーズ社員の
スタッフレポ♪渋墨塗り(しぶすみぬり)で黒く塗られた関所の門は、威厳たっぷり。江戸時代の旅人たちも、緊張した面持ちで関所を通ったことが想像できます。足軽番所では建物の土間空間に入ることもでき、当時の役人たちの生活の様子をリアルに感じることができました。遠見番所からは芦ノ湖を一望する絶景が見られるはずでしたが、訪れた日はあいにくのお天気……。残念でした。
編集後記
市街地の歩きやすい道から始まった今回の旅でしたが、宿泊地となる箱根湯本に近づくにつれ徐々に坂道に変わっていくのを実感し、これから待ち受ける箱根の山を前に気分が高まりました。そして2日目には今回の山場となる急坂の「箱根の山」に挑戦しました。まず途中の畑宿までバスで向かい、畑宿一里塚から本格的なウォーキングがスタートします。ここはかなり急坂が続く難所ではありますが、東海道の醍醐味を味わえるスポットでもあります。途中の箱根七曲りは急坂の連続に心が折れそうにもなりましたが、昔ながらの甘酒でエネルギーをチャージしたことで力が湧きました。最後に坂道を下りきって芦ノ湖までたどり着いたときの達成感はとても格別でした。そのとき感じた清々しい気持ちは、歴史の重みを感じながら峠を越えたことへのご褒美だったのかもしれません。ただ箱根の山は「天下の難所」といわれる場所なので無理は禁物です。くれぐれも余裕を持った計画を立て、十分な準備をして臨んでみてください。
- ※営業時間などは変更される場合があります。お出かけの際には改めてご確認ください。
- ※当サイトに使用している歌川広重「東海道五拾三次」の原画は、国立国会図書館デジタルコレクションを元に加工いたしました。
※本サイトに掲載の画像は全てイメージです。