祖母から母、そして娘へと続く老舗喫茶店
愛知県瀬戸市。やきものを指す言葉が「せともの」と言うように、やきものの産地として有名ですが、この街には昔ながらの商店街が二つあります。
一つは神社の参道にもつながり、観光客も多く訪れる「せと銀座商店街」。そしてもう一つは、瀬戸川のほとりに全長300メートルほどのアーケードが続く「せと末広町商店街」。こちらは通りの両側に40店舗ほどが軒を連ね、古き良き昭和レトロな雰囲気を漂わせています。
その後長い時間を経て、名古屋と東京の二拠点勤務をしていた梨歌さんが「長く続けられる仕事」として後を継いだのは2018年。その頃は梨歌さんのお祖母さまもご存命で、祖母・母・娘でお店を運営していたと言います。
家具や棚などは基本的に当時のままだそうですが、昔からあるもののしばらく点灯させていなかった外看板を復活させたり、現代の作家さんの小物を置いたりと、梨歌さんのセンスや視点が随所に伺えます。
中でも新しく取り付けたという愛らしい出窓は、元々はコロナ禍の時にテイクアウト営業をするために作ったそうですが、出窓越しに商店街を歩く人たちとのコミュニケーションを取れる場にもなっていると言います。
NISSIN4代目の梨歌さん(左)と3代目のお母さま・真由美さん
裏話も味わい深い「ニッシンサンド」と「ネコ型プリン」
そんな〈喫茶NISSIN〉でおすすめの食事メニューを聞くと、「ニッシンサンド」とのお答え。一見するとスタンダードな雰囲気のサンドイッチなのですが…その卵焼きにはなんと“なめ茸”が入っています。
梨歌さんのお祖母さま(NISSIN2代目・多美子さん)が、よくお子さんのお弁当に作っていたという出汁が効いた醤油味のなめ茸入り卵焼き。
梨歌さんのお母さまが喫茶店を始める時に、当時アルバイトをしていたご友人が「この卵焼きをサンドイッチに挟むといい」と助言されたそう。そしてそれが看板商品になったという逸話つきのオリジナルサンドイッチです。その後、そのご友人は占い師になったとか…と、エピソードも楽しい一品です。
名物「ニッシンサンド」をコーヒーとともに(写真提供:喫茶NISSIN)
なんでも梨歌さんがお子さんと回転寿司に行った際に、ゼリーが回ってきてプルプル揺れているのが可愛かったことに着想を得たそう(!)。寒天など材料の配合によって“プルプル具合”の加減が難しく、今でも日々試行錯誤をしているそうですが、今回いただいたスパイスの効いたミルクプリンは、とってもよい“プルプル”加減で、スプーンで食べようとするたびに震える様子に癒されました(笑)。
「猫が好きというより液体を固めるのが好きなのかも(笑)」と梨歌さん
古いものが好きという価値観に支えられている
瀬戸は昔ながらの店も多くあり、その古さを好きな人が訪れてくるということに、とても助けられているという梨歌さん。
“古き良き”と言うのに相応しいコーヒーチケットも意外と若い人がやっているそうです。
「以前に短期間限定で瀬戸に滞在しながら働いていた若者が、とても瀬戸の町を気に入り、一度地元に戻ったもののやっぱり瀬戸で、と移住してきたんです。その住民票を移すときにコーヒーチケット買ってくれて、これで瀬戸の仲間入りだというようなことを言ってくれて、とても嬉しかったんです」と梨歌さん。
Text & Photo:tabigatari editorial department
いつもと違う愛知県観光には、瀬戸市の〈喫茶NISSIN〉がおすすめ。
喫茶NISSIN
| 所在地 | 愛知県瀬戸市末広町3-7 せと末広町商店街内(Google Map) |
| アクセス | 名鉄瀬戸線・尾張瀬戸駅から徒歩約11分 |
| 電話番号 | 0561-82-4426 |
| @coffeecakenissin | |
| 営業時間 | 8:30〜15:30L.O |
| 休業日 | 火曜、水曜 |
※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。