孤独や、自由や、寂しさを感じる、空白の時間
わたしが好きな旅の時間は、電車で一人どこか遠くに向かう空白の時。
楽しみにしていた旅行じゃなくてもいい。
例えば出張で遠出をするときの新幹線や特急列車。
新幹線ならテーブルを出してパソコンで仕事をしたりもできるし、
やらなきゃいけないことが頭をよぎるけど、
いったんそれもやめて、窓からの景色をただ眺める。
そこに見えるのはわたしが知らない土地で、
たくさんの家があり、畑があり、大きなスーパーがあり、
海産物の工場があり、学校があり、山がある。
「ここに暮らすのはどんな感じなんだろう」と
全然違う人生を少し想像してみたりする。
今わたしが置かれた状況や、
これからのスケジュール、人間関係から心が離れて、
「わたし」というひとつの存在に向き合う。
そうしていると、開放感を覚える。
「わたし」には自由がある、という広がりを感じる。
それから少しして、今考えていることを誰かに話したくなる。
あの人に会いたいなと、誰かを思い浮かべて、少し寂しくなってくる。
そんな、孤独や、自由や、寂しさを感じる、
エモーショナルな旅の時間をイメージしたプレイリストです。
| 1. そのとき | 羊文学 |
| 2. 口笛男 | FoZZtone |
| 3. i don’t really mind | dj poolboi, Su Lee |
| 4. Don’t Kill My Vibe | Sigrid |
| 5. 発光帯 | ハナレグミ |
| 6. 雑感 | 柴田聡子 |
| 7. everything i wanted | ビリー・アイリッシュ |
Text:Yuri Yamada
Cover art:Yoshiyuki Okada
山田由梨(やまだゆり)
作家・演出家・俳優。1992年東京生まれ。
立教大学在学中に「贅沢貧乏」を旗揚げ、全作品の作・演出を務める。『フィクション・シティー』(17年)、『ミクスチュア』(19年)で岸田國士戯曲賞にノミネート。ドラマ脚本・監督、小説・コラム執筆も手がけ、Abema「17.3 about a sex」「30までにとうるさくて」脚本、NHK「作りたい女と食べたい女」脚本を担当。WOWOW「にんげんこわい」シリーズでは脚本・監督として参加。Podcast「山田由梨の眠れないなら茶をのんで」がSpotify等で配信中。KADOKAWAより初のエッセイ本「ぜんぜんダメでパーフェクトなわたしたち」出版。
Instagram:@yamadayuri_v
