経済・文化の中心地として栄えてきた豊橋


その昔、東海道や豊川(とよがわ)などの交通路が発達し、政治経済の中心地だった豊橋。戦国時代に〈吉田城〉が築城されてからは、武家屋敷と城下町ができあがり、宿場町としても栄えてきた。

そんな豊橋の歴史を感じられる、続日本100名城のひとつ〈吉田城〉を今回は訪れる。JR東海の『名城厳選!城たび〜お城コレクション〜』より、豊橋鉄道東田本線(市内線)でめぐる〈吉田城〉の御城印プランを体験。豊橋鉄道市内線の1DAYフリーきっぷがついた特別プランで、豊橋市内の散策も楽しめる。旅をしながら、豊橋の今と昔を感じてみよう。

※御城印ときっぷの受け取りは事前の予約が必要です。
  
 

豊橋鉄道市内線に乗って〈吉田城〉へ


〈吉田城〉のある豊橋公園へは、豊橋鉄道市内線でアクセスできる。豊橋鉄道市内線は1925年に運行を開始し、「市電」の名で市民に親しまれている東海三県唯一の路面電車。JR豊橋駅近くの駅前停留場をスタート地点に、市の中心部を通り、赤岩口停留場・運動公園前停留場までを結ぶ。豊橋市内の観光には欠かせない存在だ。
路面電車に乗る前に、1DAYフリーきっぷを受け取りにいこう。受け取り場所は、豊橋鉄道渥美線「新豊橋駅」の窓口だ。
1DAYフリーきっぷを使えば、豊橋鉄道市内線の全区間が乗り放題! 沿線のレトロな喫茶店めぐりや、アニメ作品の聖地巡礼などを一緒に楽しんでみるのもおすすめだ。
オリジナル御城印も、「新豊橋駅」の窓口で受け取れる。
オリジナル御城印も、「新豊橋駅」の窓口で受け取れる。
今回の観光プランでは、JR東海オリジナルデザインの御城印もセットになっている。〈吉田城〉が大きくデザインされており、右上には「続日本百名城」の文字と、城主の一人・池田輝政の家紋「丸に揚羽蝶」が。どっしりとした重厚感のある筆文字は、豊橋出身のデザイン書道作家・鈴木愛さんによるもの。御城印を眺めていたら、実際に〈吉田城〉をこの目で見るのが楽しみになってきた。
 
さっそく駅前停留場から市電に乗り込み、市役所前停留場を目指そう。
ガタントゴトンと音を響かせて走る路面電車。のんびりと心地よい時間が過ぎていく。
ガタントゴトンと音を響かせて走る路面電車。のんびりと心地よい時間が過ぎていく。

四季折々の自然に触れられる豊橋公園を散策


市役所前停留場から5分ほど歩くと、豊橋公園に着いた。
春になると桜が満開になる。(提供:豊橋観光コンベンション協会)
春になると桜が満開になる。
(提供:豊橋観光コンベンション協会)
広々とした敷地のなかに美術博物館やスポーツ施設などがあり、市民の憩いの場として親しまれている豊橋公園。豊橋市の桜の名所でもある。この日は天気がよく、散歩やウォーキングを楽しむ人々の姿が見られた。吉田城址は、豊橋公園と公園に隣接する市役所の敷地一帯。そのため公園内のいたるところに、石垣や土塁などの遺構が数多く残っている。
 
少し歩くと、石垣が見えてきた。ここは南多門だ。本丸の正面にあった門で、この石垣の上には防衛のための千貫櫓(せんがんやぐら)が建てられていたそうだ。
南多門
南多門
南多門を抜けたら、本丸広場に到着。左手奥に〈吉田城〉があった。

 

名だたる武将たちが城主を務めた“出世城”


〈吉田城〉は、1496年に今川氏親の許しを得て、東三河の領主・牧野古白が築城した。当時の名称は今橋城。1522年に地名が今橋から吉田に改められたことをきっかけに、〈吉田城〉と呼ばれるようになったという。

名だたる武将たちにより争いが幾度となく繰り返された歴史がある〈吉田城〉。松平(徳川)家康の家臣である酒井忠次や、豊臣秀吉の重臣・池田輝政をはじめ、譜代大名などが歴代城主となり、幕府の要職に就く者も多かったことから、“出世城”とも呼ばれているのだとか。
かつて〈吉田城〉は、中央の本丸御殿、四隅に配置された櫓(やぐら)で構成されていた。今目の前にある〈吉田城〉は、櫓のひとつである「鉄櫓(くろがねやぐら)」のこと。本来、櫓は物見や防御のための建物だが、四方に窓が配され、本丸御殿を見下ろせる構造の鉄櫓は、天守の役割を担っていたのではないかともいわれている。鉄櫓のなかは資料館になっており、〈吉田城〉や宿場町発展の歴史などを学ぶことができる。4階の展望施設では、建物の北側を流れる豊川が見えた。昔の人たちも同じような景色を眺めていたのだろうかと思いを馳せてみる。
豊橋の発展に欠かせない存在であった豊川。
豊橋の発展に欠かせない存在であった豊川。

貴重な遺構であふれる豊橋公園内


資料館で得た情報をもとに、また公園内を回ってみるのも楽しい。さまざまな刻印が彫られた石材を石垣のなかから探したり、川からの侵入を防ぐために高く造られた腰曲輪(こしぐるわ)を見に行ったり、立ち寄るべきところはまだたくさんあるようだ。

鉄櫓の土台となる石垣のうち、北面と西面の部分は城内最古の遺構だそうで、情報を知ってから見るとまた感慨深い。今回、〈吉田城〉の御城印プランをきっかけに、豊橋の歴史や街の魅力に触れることができた。オリジナルの御城印も記念になったし、実際に訪れて体験することで旅の記憶が色濃くなったように思う。〈吉田城〉はぜひおすすめしたい旅のスポットになった。
 



Text:Ayumi Otaki
Photo:Misa Nakagaki




いつもと違う愛知県観光には、豊橋市の〈吉田城〉がおすすめ。

吉田城


所在地愛知県豊橋市今橋町3番地(豊橋公園内)
アクセスJR「豊橋駅」から豊鉄鉄道市内線で約10分、「市役所前」停留場下車後、徒歩約5分
URLhttps://www.city.toyohashi.lg.jp/48101.htm
営業時間10:00〜15:00
入館料無料
休館日月曜、年末年始
※月曜日が祝日の場合は開館します。

※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。