地元の呑兵衛たちに愛され続ける老舗酒場


愛知県豊橋市。路面電車が走り、古くから東海道の要所として栄えたこの街には、100年以上にわたり愛され続ける酒場があります。

豊橋駅から賑やかな繁華街を抜け、静かな住宅街へと歩くこと約20分。「本当にこんな場所に?」と少し不安になり始めた頃、住宅の合間にぽつんと風格漂う建物が現れました。それが大正7年(1918年)創業の老舗酒場〈福島屋〉です。
縄のれんをくぐってお店に入ると、広い土間のような作りに、ツヤツヤ光る原木のテーブル。初めて来ても懐かしさを感じるような雰囲気に、じわじわと気分が高まります。
早速ビールからいただきます。〈福島屋〉では、ビールやお酒などは、店内の大きな冷蔵庫から自分で取り出してくるのがお決まり。常連さんの動きを見つつ、我々も参戦。この“勝手知ったる”感じが、酒場好きにはたまりません。

お酒に合う、お酒が進む、一品たち


しっかり喉が潤ったら、まずは鮮魚たちをいただきます。壁の木札には、市場に行ってその日よいと思うものだけを目利きして仕入れているという、旬の魚たちが並びます。メニューは木札のみというのも素敵ですね。

アジやイカ、ハマチ。お刺身はどれも角が立ち、鮮度のよさを存分に感じながら味わいます。となると、欲しいのは日本酒ですよね。プリプリのたら白子も追加しちゃいました。
日本酒を飲み始めたからには…ということで、なまこ酢を。
コリコリとした力強い歯ごたえ。磯の香りを引き立てる酢の加減が絶妙です。さらにはぷっくり太った小イカの煮付。いやー、分かっていたことではありますが、どれもこれもお酒との相性が完璧ですね。

驚きの丼ぶり「湯豆腐」で温まる


温かいものもいただきたいなぁと頼んだのが、〈福島屋〉の名物である「湯豆腐」(冬季限定)。といっても、普通に想像する鍋の湯豆腐ではありません。丼ぶりの中に出汁が並々と注がれて、豆腐は沈み込んでいます。その上にはなんと、とろろがたっぷりかかっています。

とろろが溶け込んだ出汁に、ふんわりとした豆腐、優しい温かさにホッとします。削り節、ネギ、のりのアクセントも素晴らしい。何よりこれがまたお酒に合うんですよね。
〈福島屋〉の開店は午後4時。お店が開くと、どんどん地元の常連さんたちで席が埋まり始めます。かといって、一見さんにも優しく接してくれます。隣り合った見知らぬ人同士が会話を弾ませる光景は、よい酒場の証拠ですよね。

歴史を守りながら、気取らずに、それでいて妥協のない味を提供し続ける。100年続く理由が分かったような気がしました。また違う季節にも必ず来たいと思います。ごちそうさまでした!



Text & Photo:tabigatari editorial department




いつもと違う愛知県観光には、豊橋市の〈福島屋〉がおすすめ。

福島屋


所在地愛知県豊橋市北島町北島44(Google Map
アクセス豊橋駅から徒歩約20分
Instagramizakaya_fukushimaya_1918
営業時間16:00~22:00(オーダーストップ21:30 )※予約不可
休業日日曜・祝日(お盆・年末年始など連休あり)

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