はじめに
奈良は今から約1300年前に都として栄えた街で、古くからの歴史ある建造物が各所に残されています。世界文化遺産に登録されている文化財も多く魅力的なスポットが盛り沢山です。
ただ観光スポットを見るだけでなく、日本の歴史を辿ることができるのも奈良観光の醍醐味と言えるでしょう。
そこで、今回は春日大社周辺を巡るモデルコースをご紹介します。奈良観光の玄関口・近鉄奈良駅周辺の「春日大社」や「興福寺」など有名な観光スポットをはじめ、定番スポットやおいしいグルメまで奈良観光に役立つ情報ばかり!JR東海ツアーズの社員が実際に訪れたスポットを掲載しているので、ぜひ参考にしてみて下さい。
モデルコースの各スポットを詳しくご紹介!


- 国宝・重要文化財の宝庫「興福寺」
- ホルンの音色で鹿を呼び寄せる「春日大社境内 飛火野」
- 釣灯籠と朱色の境内が美しい「春日大社」
- 神職たちが使用した春日大社への道「禰宜道」
- 歴史的建造物で優雅なひとときを過ごす「奈良ホテル」
- 江戸から明治時代の町屋風景が残る「ならまち」
- 小説家 志賀直哉が設計した邸宅「志賀直哉旧居」
- 奈良名産 三輪そうめんを食べられる「鹿の子(かのこ)」
- 高畑エリア 文化的交流の舞台「たかばたけ茶諭」
- まとめ
- JR東海ツアーズのおすすめの奈良旅行プラン
1. 国宝・重要文化財の宝庫「興福寺」
興福寺 イメージ
興福寺は奈良公園に隣接する寺院で和銅3(710)年の平城遷都に伴い、藤原不比等(ふじわらのふひと)によって開かれた寺院で「古都奈良の文化財」のひとつとして世界文化遺産に登録されています。
境内には、重要文化財に指定されている「南円堂」や「大湯屋」などが建ち並びますが、特に有名なのは国宝に指定されている「阿修羅像」や「五重塔」です。3つの顔と6つの腕が特徴的な「阿修羅像」は釈迦を守護する神とされており、奈良時代から天平文化を伝える代表的な仏像です。また、「五重塔」は高さ5.1メートルと京都・東寺の五重塔に次いで日本で2番目に高い塔とされ、古都奈良のシンボルとも言われています。
このように興福寺には、豊富な文化財が数多く収蔵されており、日本の歴史や文化を知れる貴重な場所です。
厳かな雰囲気の中、古都奈良の歴史を学び、昔の時代に思いを馳せてみるのも良いかもしれません。
施設情報
所在地 | 〒630-8213 奈良市登大路町48番地 |
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電話番号 | 0742-22-7755 |
アクセス | 近鉄奈良駅下車、徒歩5分 |
拝観時間 | 9:00~17:00(入堂・入館は16:45まで) |
公式HP | https://www.kohfukuji.com/ |
2. ホルンの音色で鹿を呼び寄せる「春日大社境内 飛火野」
春日大社境内 飛火野 イメージ
「春日大社境内 飛火野」は春日大社表参道に面した広大な芝原で、野生の鹿が集まる場所でもあります。このあたり一帯は「春日野(かすがの)」とも呼ばれ、古くは御蓋山(みかさやま)を仰ぐ古代祭祀の地でした。
飛火野ではナチュラルホルンの音色で鹿を呼び寄せる奈良の風物詩「鹿寄せ」と呼ばれる伝統行事が行われています。この「鹿寄せ」は1892年に鹿園竣工奉告祭でラッパを使って行われたのが始まりで、ホルンを吹き始めると森の奥からたくさんの鹿たちが集まってきてくれます。夏と冬の開催期間中にしか見られない風景なのでぜひ日程を合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。
私が訪れた日は残念ながら開催期間外でしたが、かわいい鹿たちがお出迎えしてくれてとても癒されました。
鹿たちは野生動物ですが、とても人懐っこいので記念に写真を撮ったり、鹿せんべいをあげたりと一緒に触れ合うのも奈良ならではの醍醐味です。
鹿といえば奈良公園が有名ですが、飛火野にもぜひ訪れてみてくださいね。
施設情報
所在地 | 〒630-8212 奈良県奈良市春日野町160 |
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電話番号 | 0742-22-7788(春日大社) |
アクセス | JR奈良駅、近鉄奈良駅からバス「春日大社表参道」下車すぐ |
公式HP | https://www.kasugataisha.or.jp/ |
3. 釣灯籠と朱色の社殿が美しい「春日大社」
春日大社 中門 イメージ(撮影:桑原英文)
春日大社は奈良公園に隣接する神社で、世界遺産「古都奈良の文化財」にも指定されており、春日山原始林から続く森に囲まれた朱塗りの社殿が見どころです。また、春日大社の境内には約3,000基の灯籠があります。この灯籠の中には軒から吊り下げられた釣灯籠が約1,000基あり、朱塗りの回廊に連なる釣灯籠が美しい景観を造り出しています。この釣灯籠をさらに綺麗に見られるのが重要文化財にも指定されている「藤浪之屋 (ふじなみのや)」で江戸時代まで神職の詰所であった場所に多くの釣灯籠が吊り下げられています。暗闇に灯る釣灯籠の灯りが何とも幻想的で、いつでも年二回行われる万灯籠神事を体感することができます。
私は早朝に春日大社に訪れましたが、朝日に照らされた社殿が一層美しく、神聖な気持ちになりました。
写真に収めたくなるスポットばかりですので、観光時間を長く確保するのがおすすめです。
また、木彫りの「鹿みくじ」や陶器で出来た「白鹿みくじ」といった鹿をモチーフにした可愛いおみくじもあるので、旅のお土産に引いてみてはいかがでしょうか。
施設情報
所在地 | 〒630-8212 奈良県奈良市春日野町160 |
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電話番号 | 0742-22-7788 |
アクセス | JR奈良駅、近鉄奈良駅からバス「春日大社本殿」下車すぐ |
本社参拝時間 | 3月~10月 6:30~17:30/11月~2月 7:00~17:00 |
公式HP | https://www.kasugataisha.or.jp/ |
4. 神職たちが通った春日大社への道「禰宜道」
禰宜道(ねぎみち)とは、その昔、社家町であった高畑から神職らが春日大社に通うために使われた道で、神職を禰宜と呼ぶことから「禰宜道」といわれるようになったそうです。この禰宜道は3本あり、それぞれ山側から「上の禰宜道」「中の禰宜道」「下の禰宜道」と呼ばれています。春日山原始林の自然の中を歩く道という事もあって、外灯などの灯りはありません。舗装もされていない昔ながらの道ですが、昔の人が通っていた情景を体感できる貴重な場所と言えるでしょう。
春日大社に訪れる際には、かつての神職たちと同様にこの禰宜道を歩いてみてはいかがでしょうか。
施設情報
所在地 | 〒630-8212 奈良県奈良市春日野町160 |
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電話番号 | 0742-22-7788(春日大社) |
アクセス | JR奈良駅、近鉄奈良駅からバス「春日大社本殿」下車 下の禰宜道まで 徒歩 約3分 中の禰宜道まで 徒歩 約3分 上の禰宜道まで 徒歩 約5分 |
公式HP | https://www.kasugataisha.or.jp/ |
5. 歴史的建造物で優雅なひとときを過ごす「奈良ホテル」
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奈良ホテルは明治42年に「関西の迎賓館」として奈良公園内に開業したホテルです。時代の波に翻弄されながらも、後世にこのホテルを残そうと大切に引き継がれてきました。和洋折衷の美しい佇まいは開業当時から変わらず、豪華で華麗な姿を保っています。
ホテルに入ると正面に真っ赤な絨毯が敷かれた大階段が私たちを出迎えてくれます。削り出しの手すりや中央にかかる春日大社の釣灯籠を模したシャンデリアは必見です。また、ホテルの各所にかつて使用されていた暖炉の名残があり創業当時からの歴史を感じさせてくれます。さらに調度品や美術品も数多く展示されているので、まるで美術館に訪れたような雰囲気を感じられます。長崎ホテルから継承された銀食器やアインシュタイン博士が実際に弾いたとされるピアノなども展示されており、貴重な品々をゆっくりと鑑賞することがでるのも他には無い奈良ホテルならではの醍醐味です。
また、朝食は名画や調度品が飾られた創業以来のメインダイニングルームにて奈良名物の「大和の茶粥」などををいただける和定食を堪能できます。和洋折衷の豪華絢爛な空間の中、奈良で昔から愛されている伝統の味をゆったりと感じられるので、ぜひ朝食付きのプランをご予約してみてください。
時代の流れを感じられるだけでなく、まるで明治時代にタイムスリップしたような雰囲気を楽しめる奈良ホテルに泊まってみてはいかがでしょうか。
施設情報
所在地 | 〒630-8301 奈良市高畑町1096 |
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電話番号 | 0742-24-3011 |
アクセス | 近鉄奈良駅下車、徒歩15分 |
公式HP | https://www.narahotel.co.jp/ |
6. 江戸から明治時代の町屋風景が残る「ならまち」
ならまち イメージ
江戸時代末期から明治時代にかけての町屋が立ち並ぶ「ならまち」は、歴史を感じる町並みの中を散策することができる人気の観光スポットです。ならまちの町家の特徴は間口が狭く奥行きが広いことと、町家の正面に日差しや風量の調節をするための格子戸があり、外から中の様子が見えにくい造りです。風情のある街並みから、当時の暮らしを垣間見ることができるのもならまちの醍醐味と言えるでしょう。
現代では、新旧様々なお店が軒を連ねていますが、特に雑貨屋さんやおしゃれなカフェが多く立ち並びます。
町家の雰囲気を残した古民家風のカフェもあるので、当時の生活を想像しながら、ゆったりくつろぐのもおすすです。風情ある町並みを見て回りながら、お気に入りのお店を見つけてみてはいかがでしょうか。
施設情報
所在地 | 〒630-8392 奈良県奈良市中院町 |
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アクセス | 近鉄奈良駅下車、徒歩10分 |
7. 小説家 志賀直哉が設計した邸宅「志賀直哉旧居」
志賀直哉旧居 イメージ
志賀直哉旧居は「城の崎にて」や「暗夜行路」などの小説家で知られる志賀直哉が設計した邸宅を完全復元したものです。数寄屋風ですが、洋式や中国式の要素も取り入れた造りが特徴で、当時としては非常に進歩的かつ合理的で美的な工夫を随所に凝らしています。志賀直哉は昭和4(1929)年から昭和13(1938)年までの9年間をこの邸宅で家族と過ごし、訪れた多くの文化人達との交流を深め、創作活動を行っていたそうです。敷地面積は435坪(1,437㎡)、床面積は134坪(443㎡)の2階建てで、とても広々としつつも、家族への気配りを感じられる造りを見ることができます。
客間や居間の他に「暗夜行路」を完成させた書斎や古い茶室をイメージした造りのサンルーム、子供たちが庭に出やすいよう床の高さを調整した子どもの勉強部屋など、隅々まで利用しやすさを追求した工夫が凝らされています。和洋折衷の屋内はとても豪華でありながら、落ち着く雰囲気を感じられる空間で、志賀直哉の家族への思いやりを感じられる邸宅と言えるでしょう。館内には志賀直哉についての資料や、執筆した小説なども展示されているので、身近に志賀直哉を感じながら見学してみるのもおすすめです。
施設情報
所在地 | 〒630-8301 奈良市高畑町1237-2 |
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電話番号 | 0742-26-6490 |
アクセス | JR奈良駅、近鉄奈良駅からバス「破石町(わりいしちょう)」下車、徒歩5分 |
公式HP | https://www.naragakuen.jp/sgnoy/ |
8. 奈良名物 三輪そうめんを食べられる「和食 鹿の子(かのこ) 本店」
志賀直哉旧居から徒歩2分ほど歩くと「和食 鹿の子 本店」という三輪そうめんが食べられるお店があります。趣のある店構えの店内は民家風の造りで何とも落ち着く雰囲気を感じられます。私が訪れた時は、平日のランチ時でしたが、たくさんのお客様で賑わっていました。気になるメニューは三輪そうめん以外に「海鮮丼」や「ソースかつ丼」などの丼ものや「釜飯」、「海老フライ」や「から揚げ」などの定食の他に「ひつまぶし」まであり、豊富なメニューが魅力的です。
私は三輪そうめんとえび天がセットになった「えび天入りにゅうめん」をいただきました。「えび天」と「にゅうめん」が別で盛られているので、サクサクの天ぷらを味わえるのも嬉しいですよね。また、こちらのお店で使用している三輪そうめんは3年ねかせた「古物(ひねもの)」なので、麺のコシが強くにゅうめんにしてものびにくいのが特徴です。関西風の薄味ですが、しっかりと出汁が効いており、素朴ながらも風味豊かな味わいを堪能できます。余ったお出汁に備え付けの「柚子こしょう」を溶いていただくと、ピリッと刺激的で柚の風味が香るお出汁に様変わりします。同じにゅうめんでも2度楽しめる大満足の逸品です。
奈良名物の三輪そうめんを食べに「和食 鹿の子 本店」へ訪れてみてはいかがでしょうか。
施設情報
所在地 | 〒630-8301 奈良県奈良市高畑町1307-1 |
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電話番号 | 0742-27-5036 |
アクセス | JR奈良駅、近鉄奈良駅からバス「破石町(わりいしちょう)」下車、徒歩5分 |
営業時間 | 11:00~16:00(夜は予約制)木曜定休 ※営業時間・定休日は変更となる場合がございます。ご来店前に店舗にご確認ください。 |
9. 高畑エリア 文化的交流の舞台「たかばたけ茶諭」
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たかばたけ茶諭は志賀直哉旧居の隣にあるガーデンカフェです。こじんまりとしたアーチ型の門をくぐると、南フランスをイメージした白いテーブルチェアが並ぶ庭が広がり、木々のすき間から差し込む木漏れ日が居心地の良い空間を演出しています。
たかばたけ茶諭の店名の由来は、かつて高畑エリアに武者小路実篤や尾崎一雄、谷崎潤一郎などの小説家と共に梅原龍三郎、浜田保光などの洋画家が集い、高畑サロンと呼ばれていたことから名づけられ、この「高畑サロン」の復活を願い店主が自宅の庭を開放して「たかばたけ茶諭」というガーデンカフェを開きました。こちらでは、挽きたてのコーヒーやオリジナルケーキを堪能できます。私が訪れた日は「チーズケーキ」をいただきました。なめらかな舌触りながら、濃厚なチーズの風味が口いっぱいに広がる味わい豊かなケーキで、甘すぎず何度でも食べたくなる逸品です。
たかばたけ茶諭は居心地の良さから、時間を忘れてゆったりとくつろげる空間なので、旅の思い出話に花を咲かせながら、奈良での2日間の思い出を振り返ってみてはいかがでしょうか。
施設情報
所在地 | 〒630-8301 奈良県奈良市高畑大道町1247 |
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電話番号 | 0742-22-2922 |
アクセス | JR奈良駅、近鉄奈良駅からバス「破石町(わりいしちょう)」下車、徒歩5分 |
営業時間 | 14:00~18:00 定休日:月曜日~木曜日 ※営業時間・定休日は変更となる場合がございます。ご来店前に店舗にご確認ください。 |
まとめ
今回は奈良の春日大社周辺を巡る1泊2日のコースをご紹介しました。
春日大社周辺エリアには歴史ある建造物や文化を大切に保護しつつ、現代の文化も程よく取り入れた観光スポットが多く存在します。特に春日大社周辺は、日本の風情ある文化や歴史を存分に感じられるスポットばかりで、学びの多い観光エリアだと感じました。もちろん、三輪そうめんやケーキなど美味しいグルメを堪能したり、ならまちでショッピングを楽しんだりと旅の醍醐味を満喫することもできます。
皆様も古都奈良の文化を体感しに春日大社エリアへ訪れてみてはいかがでしょうか。
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※営業時間等が変更となる場合がございます。最新情報は各施設へお問合せください。
※情報は2023年4月現在のものです。