“練り物”の町で、最高のおでんに出会う


東京から新幹線で30分ほど、言わずと知れた城下町である小田原には、相模湾から豊富な海の幸が入ってきます。“練り物”でも有名なこの町で、是非おでんを食べてみたいと訪れたのが「小田原おでん 本店」です。

小田原駅から15分ほど歩き、かつて魚市場があったことで賑わったといわれる「小田原かまぼこ通り」に入っていくと、住宅の中に素敵な店構えが目に入ります。
提灯のかかった雰囲気のよい外玄関を通り、暖簾をくぐって店内へ。この“少しだけ”歩く時間が気分を高めます。入ってみると10人ほど座れるカウンターがすぐ目の前に広がり、その手前には美味しそうに、そして大変美しく育てられたおでん鍋たちが!壁の色合いや風合い、飾られている額やお花など、とにかく店内の佇まいも素敵です。
 
聞くと、もともと舞台照明などステージの演出の仕事をしていた先代オーナーの露木一郎さんが、内装デザインをされたそうです。運よく取材の時にいらした露木さんにお話を聞くと、ステージで対象物に光を当てるように、お客様にとって、おでんなどの料理が魅力的に見えるような空間づくりを考えたとのこと。
玄関脇には「ステラルーム」と言われるガラス張りのスペース。こちらもクラシックな雰囲気の落ち着いた空間。外を眺めながらのおでんも気持ちがよさそうです。本店の建物は、かつて老舗のかまぼこ屋さんだったという建物で、なるべくその素材や雰囲気を残したまま作り上げたかったのだと露木さんがお話ししてくださいました。実はこの「小田原おでん」は、町おこしの一環で始まったのだとか。2000年代初頭、小田原の名物であった蒲鉾をはじめとする各商店がアイデアを寄せ合い、新しい名物として「小田原おでん」を企画し、盛り上げようとしたのだそうです。現在お店は大人気のようで、すでに「名物」としての風格を感じます。

 

こだわりと驚きの詰まった、特選おでん


〈小田原おでん 本店〉では、小田原の老舗蒲鉾店をはじめ、豆腐屋さんやこんにゃく屋さん、八百屋さんなど地元商店と協力してオリジナルの種を作られているとのことです。その〈小田原おでん 本店〉でしか味わえないおでん種の盛り合わせが楽しめる「特選おでん盛合わせランチ」をいただきました。
まずは小ばんざいでウォーミングアップ。甘辛く煮付けられたアサリが滋味深く、おでんに向けて口の中の準備はバッチリです。

いよいよやってきました、特選おでんの盛合わせ。セットの茶飯も美味しそうです。そして、さすがは小田原!と言いたくなる、華やかな練り物たち。

一際目立つのがピンクの「金目鯛の揚げ揚げ包み」。“金目鯛の竜田揚げ”を“金目鯛のすり身”で包むという、驚きの一品。こちらは小田原おでん祭りで行われている「おでん種コンテスト」に入選したとのことですが、それも納得の美味しさでした。続いて「ふぐ焼売」。ふわふわの食感、そして一口でフグが贅沢に使われていることが分かる味わい。「しいたけ天」にもすり身が詰め込んであります!お出しを吸いに吸った椎茸の旨みとすり身の組み合わせ、間違いのない美味しさです。おでんとなると、お供には熱燗ですね。スッキリとしたお味と教わった「丹沢山」をいただきます。
特選おでんは、熟成された美味しいところだけを集めた出汁が使われているそうで、本当に深みのある味です。「丹沢山」のコントラストが最高です。そして次回は日本酒の出汁割りも試してみたい…と妄想が膨らみます。さらに驚くのが薬味。定番の辛子、そして山葵と続き、梅味噌と3種類並びます。梅味噌!初めての体験でです。「さんまのつくね」などの練り物と合わせると、今までにない爽やかな味わい…。シミシミの大根にもよく合います。家おでんの時にも用意したい!と思えるほどでした。
茶飯を半分くらい食べ進めると、「お出汁をかけますか?」と声を掛けてくださりました。山葵もちょろっと添えてお茶漬けに。はい、大満足です。〆の〆にはデザートが。この日は柚子ジャムのかかったバニラアイスですっきり。ごちそうさまでした!

 

まだまだ奥の深い「小田原おでん」


こじんまりとして居心地のよいカウンターの背中越しに廊下を抜けていくと、外に出ることができます。ベンチのある小さな「ガーデン」の先には、なんとも素敵な茶室がありました!

こちらは予約制だそうですが、このお茶室の中でおでん懐石がいただけるとのこと。なんとも贅沢です。一度は経験してみたいですね。
さらに、取材の時(2026年1月)には改装中ではありましたが、「はなれ 月の風音」も併設(予約制)。こちらは本店のオープン10周年の記念として、2016年にオープンしたそうで、パーティやライブなども行われるそうです。

知れば知るほど奥の深い「小田原おでん」。これから通うことになりそうです!




Text & Photo:tabigatari editorial department




いつもと違う神奈川県観光には、小田原市の〈小田原おでん 本店〉がおすすめ。

小田原おでん 本店


所在地小田原市浜町3-11-30(Google Map
アクセス小田原駅から徒歩約20分
電話番号0465-20-0320
URLhttps://odawaraoden.com/odawaraoden/xiao_tian_yuanoden_ben_dianheyoukoso.html
Instagram@odawaraoden.honten
営業時間11:30〜21:00
※平日は14:30〜16:00が中休み
休業日月曜

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