京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を見る 更新日:2023.08.24
新旧の文化にふれる、京の街中ミュージアム

京都国際マンガミュージアム:2階のメインギャラリーではマンガの歴史や産業、お約束などを紹介する常設展示「マンガって何?」を展開
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。


特定のテーマや文化を深く掘り下げ、その内容に特化した展示を行う「街中ミュージアム」をご紹介します。いずれも近距離にあるので、買い物や観光の途中に歩いてまわれるのも魅力です。総合型のミュージアムにはない、独自のコレクションや研究の成果を堪能しながら、芸術の秋をスタートさせてみてはいかがでしょうか。
京都の混雑状況(2023年7月25日現在) ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。
「マンガ」の価値を再発見する1日を

京都国際マンガミュージアム:2階のメインギャラリーにある常設展示「マンガって何?」
きょうとこくさいまんがみゅーじあむ
京都国際マンガミュージアム
約30万点のマンガ資料を所蔵する「京都国際マンガミュージアム」は、世界でも珍しいマンガ専門の博物館。総延長200メートルの書架「マンガの壁」には約5万冊が並んでいます。2階のメインギャラリーにある常設展示「マンガって何?」では、マンガの歴史や産業を事細かに紹介したり、普段何気なく読んでいるマンガのルールを改めて解説したりと、様々な角度からマンガ文化にふれることができます。他にもマンガを描く体験や、マンガ家がマンガを描く様子の見学(週末限定)など、とにかく見どころが尽きないミュージアム。併設カフェ「前田珈琲」の店内壁面には、有名なマンガ家さん直筆のイラストが所狭しと描かれています。ぜひじっくりとマンガの世界に没頭する時間を過ごしてみてください。

京都国際マンガミュージアム:2階「ギャラリー6」では、ちばてつや先生を筆頭に、イベント等でマンガミュージアムに来館したマンガ家さんの石膏手型がずらりと陳列。直筆イラストとあわせてチェックしてみてください

京都国際マンガミュージアム:建物は昭和初期建造の元・龍池小学校校舎を活用しており、学びの場を新たな形で今に残しています。この校舎を見るために訪れる人もいるそうで、建物内外で当時の趣を感じることができます
基本情報 | |
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所在地 | 京都市中京区金吹町452(烏丸通御池上ル・元龍池小学校)地図 |
アクセス | 地下鉄烏丸線・東西線「烏丸御池」駅より徒歩約2分、市バス15・51・65系統「烏丸御池」より徒歩すぐ |
電話番号 | 075-254-7414 |
URL | |
時間 | 月曜日~火曜日、木曜日~日曜日 10:30-17:30(最終入館17:00) |
休館日 | 水曜日(休祝日の場合は翌日)、2023/12/26~2024/1/4、メンテナンス期間 |
入館料 | 「大人」900円(税込) |
1枚の布が持つ奥行と延長

細辻伊兵衛美術館:黒を基調とした1階展示室
ほそつじいへえびじゅつかん
細辻伊兵衛美術館
2022年4月にオープンした「細辻伊兵衛美術館」は、400年以上の歴史をもつ日本最古の綿布商の「永楽屋」が手掛けた「手ぬぐい」を展示する美術館。1階の展示室では年に4回ほど企画展が開催され、30点ほどの作品が楽しめます。2階では美術館の名前の由来である、永楽屋の十四代続く歴代当主「細辻伊兵衛」が残した功績や、歴史を紹介しています。江戸時代より人々の生活に寄り添い流行を取り入れてきた「永楽屋の手ぬぐい」からは、文化や時代、染色技術などの移り変わりが見えてきます。タイミングが合えば学芸員による解説を直に聞くことができるので、ぜひ声をかけてみてください。

細辻伊兵衛美術館:1階には企画展と連動した手ぬぐいなどを扱うミュージアムショップがあります。ショップは入館券がなくても利用可能ですが、入館チケットはロゴ入りの手ぬぐいになっているので、旅の記念にぴったりです

細辻伊兵衛美術館:外壁は、神社仏閣などの屋根で見られる伝統的な工法「銅板一文字葺」が使われ経年変化を楽しむことができます。1階の展示室入口も同じ素材が使われているので、ぜひ見比べてみてください
基本情報 | |
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所在地 | 京都市中京区室町通三条上ル役行者町368地図 |
アクセス | 地下鉄烏丸線・東西線「烏丸御池」駅より徒歩約3分、市バス65系統「烏丸三条」より徒歩約3分 |
電話番号 | 075-256-0077 |
URL | |
時間 | 月曜日~日曜日 10:00-19:00(入館は18:30まで)※開館時間は変更になる場合あり |
休館日 | 展示替え期間中、臨時休館あり |
入館料 | 「一般(手ぬぐいチケット付き)」1,000円(税込) |
京都の中心でいけばなの根源を学ぶ

いけばな資料館:「華道家元池坊」が所蔵する貴重な歴史資料や六角堂の什物などが展示される
いけばなしりょうかん
いけばな資料館
華道家元池坊会館の3階にある「いけばな資料館」では、「華道家元池坊」が所蔵する貴重な歴史資料や、ゆかりの深い品々を間近に見ることができます。例年11月に開催される江戸時代から続く最大最古のいけばな展「旧七夕会池坊全国華道展」に際し、年に1度の展示替えが行われます。資料館では、京都の中心を示す「へそ石」がある六角堂と池坊の関わりや、池坊の3つのいけばなスタイルの中でも室町時代に成立した最も古い様式「立花」、よりシンプルな形として発展した「生花」など、池坊についての基礎的な知識が学べるコーナーが用意されています。企画展示は毎年様々なテーマで行われ、池坊の最新の研究成果を発表する場となっています。花展開催期間を除き、通常の見学は事前予約制なので、おでかけが決まったら早めに問い合わせましょう。

いけばな資料館:入館後まず目に入ってくるのが美しい花器の数々。そして振り返るといけばなが描かれた華やかな屏風が飾られています。一つひとつの展示から、華道家元池坊の持つ悠久の歴史を感じることができます

いけばな資料館:587年に聖徳太子によって創建された六角堂(頂法寺)は、華道家元池坊が代々住職を務めています。本堂の中にも生花が置かれているので、資料館を訪れた際にはぜひお参りしましょう
基本情報 | |
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所在地 | 京都市中京区堂之前町248地図 |
アクセス | 地下鉄烏丸線・東西線「烏丸御池」駅より徒歩約3分、市バス65系統「烏丸三条」より徒歩約1分 |
電話番号 | 075-221-2879 |
URL | |
時間 | 月曜日~金曜日 9:00-16:00 ※通常見学は事前予約制(上記URLよりメールにて) |
休館日 | 土曜・日曜・祝日・年末年始・夏季休業期間・展示替期間 |
入館料 | 無料 ※行事期間中は別途入場料が必要 |
美が紡ぐ過去と未来、そして今

千總ギャラリー:ギャラリー1全体で水の流れを表現した屏風展「見えない水を見る」
ちそうぎゃらりー
千總ギャラリー
1555年創業の老舗呉服店「千總」が受け継ぐ所蔵品を展示する場所として、1989年に開設された「千總ギャラリー」。2022年には、同スペースをギャラリー1として、併設するスペースに現代の作品を扱うギャラリー2がオープン。今年は「目に見えないものを見ようとする」という共通のテーマのもと、それぞれ展覧会が開催されます。夏の間は、ギャラリー1全体で水の流れを表現した屏風展、ギャラリー2では木彫家 中西洋人氏の個展を開催。明治時代には染色に日本画家が描く下絵を取り入れるなど、京友禅の発展に深く関わってきた「千總」。460年以上続く歴史に裏打ちされたブランドの美意識を、技術を、文化を、全身で感じてみてください。

千總ギャラリー:本店1階では着物や服飾雑貨を販売。花や鳥などの自然からデザインが生まれる着物。インスピレーションの源である自然を一緒に堪能してほしいとの思いから、大きな窓から臨む中庭と着物が同時に鑑賞できる設えになっています

千總ギャラリー:2020年にオープンした千總のフラッグシップストア・千總本店。入口左手にはスカーフなどの販売スペースがあり、その奥の階段をあがった2階に千總ギャラリーがあります
基本情報 | |
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所在地 | 京都市中京区三条通烏丸西入御倉町80 千總本店2階地図 |
アクセス | 地下鉄烏丸線・東西線「烏丸御池」駅より徒歩約3分、市バス65系統「烏丸三条」より徒歩約2分 |
電話番号 | 075-253-1555 |
URL | |
時間 | 月曜日、木曜日~日曜日 10:00-17:00 ※千總本店の営業日・営業時間に準じる |
休館日 | 火曜日~水曜日(年末年始を除く)※展示替え・臨時休業等により開館時間が変更となる場合あり |
入館料 | 無料 |
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