京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を見る 更新日:2024.11.07
乗り物から満喫する京都の紅葉

提供元:叡山電車
叡山電車(もみじのトンネル):四季折々の景色が楽しめる約280本ものイロハモミジやオオモミジに囲まれた「もみじのトンネル」
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。


京都に数多くある紅葉の名所。ひとつのスポットでじっくりと紅葉狩りをするのも良いものですが、今年は徒歩や車では通れない場所の眺めを「乗り物」から満喫してみてはいかがでしょうか。電車や船だからこそ見ることができる秋の景色は、きっと京都旅行の印象的な思い出になるはずです。
京都の混雑状況(2024年9月27日現在) ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。
明治維新後の京都を支えた運河を巡る

提供元:びわ湖疏水船受付事務局
びわ湖疏水船:全長520mの諸羽トンネルの入口がある山科乗下船場(四ノ宮船溜)は桜と紅葉の名所
びわこそすいせん
びわ湖疏水船
琵琶湖から京都へと水を運ぶ「琵琶湖疏水」は、近代化産業遺産に認定された人工運河です。南禅寺にある水路閣や桜並木で知られる蹴上インクライン、疏水分線沿いにある哲学の道などの観光名所はご存じの方も多いのではないでしょうか。そんな見どころの多い琵琶湖疏水の景色を船から楽しめるのが「びわ湖疏水船」です。元々は、明治23(1890)年の「第1疏水」竣工と同時に疏水を利用した運搬船がありましたが、昭和26(1951)年に運行廃止。その独特な形状から制約や課題も多いなか、平成27(2015)年春に復活、現在は大津港や三井寺から蹴上を繋ぐ観光船が定期運航されています。春には川沿いに桜が咲き、秋には明治期の遺構やトンネルと紅葉の美しいコントラストが船旅を彩ります。
※運行区間やスケジュールは日により異なるので、公式HPにて確認のうえ、事前に乗船予約をしましょう。

提供元:びわ湖疏水船受付事務局
びわ湖疏水船:第1疏水にかかる「第11号橋」は日本最初の鉄筋コンクリート橋で、明治36(1903)年に土木技術者の田邉朔郎が手掛けたものです。周囲の秋景色と共にぜひお見逃しなく

提供元:びわ湖疏水船受付事務局
びわ湖疏水船:第11号橋の少し下流にある全長850mの第三トンネル。東西それぞれの入口には、明治の偉人達による揮毫の扁額が掲げられています。西口のすぐそばには蹴上乗下船場があり第1疏水と第2疏水の合流点にもなっています
基本情報 | |
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所在地 | 滋賀県大津市大門通3-3-32(びわ湖疏水船 三井寺乗下船場)地図 |
アクセス | 京阪「三井寺」駅より徒歩約4分(びわ湖疏水船 三井寺乗下船場) |
電話番号 | 075-365-7768(びわ湖疏水船受付事務局)※電話での予約不可 |
URL | |
運航状況 | 公式HPに掲載 |
料金 | 「大津港→蹴上区間」14,000円(税込)、「三井寺→蹴上区間」6,000円~9,000円(税込) ※大人・子ども共通料金、時期により価格変動 |
京の奥座敷へと続く五色の山化粧

提供元:叡山電車
叡山電車(もみじのトンネル):約280本ものイロハモミジやオオモミジが包む「もみじのトンネル」
えいざんでんしゃ(もみじのトンネル)
叡山電車(もみじのトンネル)
個性的な車両のファンも多い叡山電車・通称「えいでん」は、京都・洛北エリアを走る鉄道です。出町柳駅から八瀬比叡山口駅までの叡山本線と、出町柳駅から鞍馬駅までの鞍馬線の2路線が運行。中でも鞍馬線の市原駅から二ノ瀬駅の一部区間では、約280本ものイロハモミジやオオモミジが囲み「もみじのトンネル」と呼ばれ、四季折々の風情ある景色が楽しめます。夏には瑞々しい青紅葉、秋には緑に加え赤・黄・オレンジと色とりどりの紅葉の間を展望列車「きらら」が走行します。車内からの眺望を最大限に取るため左右には大きなガラス窓があり、大迫力のパノラマを車内から楽しめるよう設計された車両。貴船エリアや鞍馬寺への移動手段としてはもちろんのこと、日々変化する山景色を堪能できる小旅行へと出かけてみてはいかがでしょうか。
※ライトアップ期間:2024年11月1日(金)~11月24日(日)

提供元:叡山電車
叡山電車(もみじのトンネル):修学院から比叡山に通じる登山道「雲母坂(きららざか)」が名前の由来となった展望列車「きらら」。車両中央の8席が窓側へ向けて配置されているので、座ったままでも外の景色を正面に見ることができます

提供元:叡山電車
叡山電車(もみじのトンネル):ライトアップ期間には「もみじのトンネル」区間は車内の明かりが消されるので、さらに幻想的な空間に。見どころでは速度を落として走行するので、ゆったりと紅葉が満喫できます
非日常を五感で満喫するレトロ列車旅

提供元:嵯峨野観光鉄道
嵯峨野トロッコ列車:保津川渓谷の雄大な自然の中を走行するディーゼル機関車に引かれるクラシカルな車両
さがのとろっこれっしゃ
嵯峨野トロッコ列車
嵯峨・嵐山から亀岡までを結ぶ「嵯峨野トロッコ列車」は、JR山陰本線の使われなくなった線路を活用した観光列車。「トロッコ嵯峨」駅から「トロッコ亀岡」駅までの全長7.3㎞を約25分間で走行します。トロッコとは元は荷物輸送用の小型貨車として、トラックや通常の列車が入れない場所を走る箱型車両のことですが、現在は旅客が乗車できる開放的な車体の観光列車が各地で運行されています。「嵯峨野トロッコ列車」のディーゼル機関車に引かれるクラシカルなカラーリングの車両は、それだけでも絵になります。アールデコ調の5両編成の客車の中は、木製椅子と裸電球という素朴な作り。保津川渓谷の雄大な自然の中を、ガタゴトとのんびり走る列車旅。個性あふれる車内アナウンスや、8つの古いトンネルなど走行中の楽しみは尽きません。全席指定席なので早めの予約をおすすめします。
※沿線のライトアップ期間:2024年10月12日(土)~12月29日(日)

提供元:嵯峨野観光鉄道
嵯峨野トロッコ列車:人気の5号車は「リッチ号」と呼ばれる、窓ガラスを無くしたオープン車両。走行中は風や雨が入ってくることもあるので防寒対策を入念に、悪天候時には雨合羽をお忘れなく

提供元:嵯峨野観光鉄道
嵯峨野トロッコ列車:10月中旬以降は夕暮れ時から沿線がライトアップされ、トロッコ保津峡駅や沿線数か所でイルミネーションも行われます。「光の幻想列車」として秋・冬の名物景色になっています
水が支えた港町の歴史を伝統の舟で辿る

伏見 十石舟:伏見の歴史を伝える遊覧船として復活した「十石舟」「三十石船」が運河を進む
ふしみじゅっこくぶね
伏見 十石舟
京都と大坂を結ぶ水運の港町として栄えたまち・伏見。豊臣秀吉による伏見城築城をきっかけに伏見港が整備され、慶長19(1614)年の高瀬川開通以来、明治期に陸路の発達とともにその役目を終えるまで都の南の玄関口として賑わってきました。当時、旅人を乗せて淀川で活躍した「十石舟」「三十石船」を、地元の観光協会がその歴史を伝える遊覧船として復活。起点は「月桂冠大倉記念館」のすぐそばにある乗船場です。国内有数の日本酒の産地である伏見の酒蔵が立ち並ぶ様子と、色とりどりに変化する紅葉の共演はここでしか見ることのできない景色です。船頭さんと船、船上から見る伏見の街並み、紅葉と船、三栖閘門など見どころが尽きませんので、シャッターチャンスを見逃さないようにしましょう。

提供元:伏見観光協会
伏見 十石舟:往復約45分間の遊覧の途中には、三栖閘門(みすこうもん)と呼ばれる、運河の水量を調節するためのせきで一度下船し、三栖閘門資料館を見学する時間も設けられています

提供元:伏見観光協会
伏見 十石舟:船旅を楽しんだ後は運河沿いの散歩がおすすめです。映画のロケ地にもなった「伏見であい橋」や、「龍馬とお龍、愛の旅路」像など観光スポットが多数あります
基本情報 | |
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所在地 | 京都市伏見区南浜町247(乗船場:月桂冠大倉記念館裏 河川沿い)地図 |
アクセス | 近鉄「桃山御陵前」駅より徒歩約12分、京阪「中書島」駅より徒歩約5分 |
電話番号 | 075-623-1030(NPO法人伏見観光協会) |
URL | |
運行期間 | 2024年3月16日(土)~12月8日(日)※運行時刻については公式HPにて確認 |
休日 | 月曜日 ※祝日を除く、4・5・10・11月は月曜日も運航 |
料金 | 大人(中学生以上)1,500円(税込)、こども(小学生)750円(税込) ※料金は変更になる場合があります |
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- 2024.10.17食べる街で愛され進化してきた京都の洋食
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