自分らしく輝くために専業主婦から書店の開業へ
“やきものの街”として古くから知られている瀬戸は、近年大きな変化を遂げている。移住者やUターンする人たちが増え、ここ数年で新しい施設やお店が続々と誕生しているのだ。さらに3年に1度開催される国際芸術祭『あいち』など、アートとのかかわりが深い町でもある。
住む人にとっても観光客にとっても魅力的な街になりつつある瀬戸。そんな瀬戸の街をおもしろくしているお店のひとつである、独立系書店〈本・ひとしずく〉を訪れた。
「自分のお店を開こうと思い立ったのは、8年にわたる専業主婦期間を経て『母や妻という肩書きでなく、私個人として何か始められたら』と思ったからです。当時は雑貨屋にも興味があったので修行も兼ねてパートとして働くなど、自分のやりたいことをいろいろ模索していました。そのとき、たまたま昔から持っていた本を読み返したらすごく得るものがあって、本の魅力を再認識したんです。本屋さんになりたいと思い、『せと・しごと塾』への参加を決意しました」
〈本・ひとしずく〉店主の田中綾さん。
本だけでなく、雑貨の販売も行っている。
目指すは“ひとしずく”のうるおいを与えられる場所
オープン当初の計画では“古本7割・新刊3割”を目指していたが、クラウドファンディングでの支援を得て、現在は割合が逆転した。本棚には小説やエッセイ、絵本、ZINEなどさまざまな本が並ぶ。“まずは自分が読みたいかどうか”が本の選定基準だそう。
「ひとはこ本屋さん」のコーナー。
『このお店の、この人に会いに行きたい』と思わせる、絶妙な構成で文章が綴られているのが魅力で、この本を読んだあとはきっと瀬戸の街を巡りたくなると思います。『本を見て来ました』とお店の人に伝えると、会話が生まれる通行手形のような存在になっているのもおもしろいところです」
「自分が本に力をもらったので、お店の名前には“忙しい毎日に、うるおいをひとしずく、持ち帰ってほしい”という思いを込めました。本でも雑貨でも、私とのおしゃべりでも、〈本・ひとしずく〉に訪れることで、毎日の生活に少しでもうるおいを届けられたらと思っています」
田中さんの夫が手掛けたというシンボルマークのイラスト。
Text:Ayumi Otaki
Photo:Misa Nakagaki
いつもと違う愛知県観光には、瀬戸市の〈本・ひとしずく〉がおすすめ。
本・ひとしずく
| 所在地 | 愛知県瀬戸市陶生町24 |
| アクセス | 名鉄「尾張瀬戸駅」から徒歩約13分 |
| 電話番号 | 050-8881-5196 |
| @hitoshizuku_books | |
| X(旧Twitter) | @sorani_aya |
| 営業時間 | 10:00〜16:30 |
| 休業日 | 月曜、火曜、水曜 |
※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。