数多くの歴史的建築物や伝統が残る京都では、春夏秋冬さまざまな祭りや伝統行事が行われています。なかでも京都三大祭は人気が高く、国内外からたくさんの観光客が訪れることで有名です。また、京都の祭りには1000年以上の歴史をもつものも多く、祭りを見れば京都の歴史や文化の一端がわかるといっても過言ではないでしょう。
今回は、祭りが好きな方や京都旅行を計画中の方に向けて、三大祭りをはじめとする京都の祭りや伝統行事をご紹介します。魅力あふれる京都の祭りを旅行のプランに加えれば、より奥深く充実した旅となるでしょう。
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- そもそも祭りはなぜ行われる?
- 京都の祭りの魅力とは
- 京都の祭りと言えばこれ 京都三大祭
- 【春】桜の季節に楽しめる祭り
- 【初夏・夏】新緑や夏の京都を楽しむ祭り
- 京都のお盆を締めくくる、伝統行事も見逃せない!
- 【秋】名月や神輿を楽しむ祭り
- 【冬】早春の京都を楽しむ祭り
- 京都の祭りに行くならJR東海ツアーズがおすすめ!
- まとめ
そもそも祭りはなぜ行われる?
そもそも祭りは何のために行われるのでしょうか。
日本には昔から稲作の成功を願う風習があり、そのような農耕の風習が祭りに反映されたと言われています。祭りの目的は季節によって異なるものの、春夏秋冬いつの時期に行われる祭りも稲作と深く繋がっていました。
祭りの大まかな由来
春:「豊作祈願」
春は新しい生命の始まりと成長の季節です。農業では田植えの準備が始まる時期のため、豊作や無病息災を祈願する祭りが各地で行われていました。
豊作祈願の祭り:
三重県/伊勢神宮「祈年祭」(きねんさい)、福岡県/太宰府天満宮「斎田御田植祭」(さいでんおたうえさい)など
夏:「疫病退散」や「厄除け」
夏は稲の生育に最も重要な季節と言われています。一方で日本では昔から台風や大雨が多く、虫などの生物も活発に活動する時期でもあります。夏の祭りはそのような自然災害、害虫などの被害が少ないことを願い、「風除け」や「虫送り」の祭りが催されていたといいます。また、京都など人の多い都市部では夏によく疫病が流行したことから、「疫病退散」や「厄除け」の祭祀も行われていました。
疫病退散の祭り:
京都府/八坂神社「祇園祭」など
秋:収穫に対する「感謝祭」
秋は稲の実りの季節であり、日本の農民はこの時期に稲作の収穫を行います。そのため、秋の祭りは主にその年の収穫を祝い神々に感謝する目的で行われていました。
感謝祭り:
三重県/伊勢神宮の「新嘗祭」(にいなめさい)など
冬:新年を迎えるための「新春祝い」
冬は新しい年を迎える準備の季節です。稲作にとって冬は農閑期なので、田の神に感謝し、新年を迎えるための「新春祝い」にまつわる祭りが行われていました。また冬の祭りは新年を迎える際の邪気を払うための儀式も多く見られます。
新春祝い:
大阪府/住吉大社「節分祭」など
京都の祭りの魅力とは
日本の祭りのなかでも京都の祭りは人気で、祭りを見るためにわざわざ京都を訪れる人も少なくありません。それほど多くの人を惹きつける京都の祭りの魅力とはいったい何なのでしょうか。
ここからは、京都の祭りの魅力について紹介していきたいと思います。
一年を通して祭りが多い
京都は一年を通して祭りが多く、その理由は京都が古くからの都で歴史が長いために、疫病退散や商売繁盛など祈るべきことが多かったためと考えられています。また、長く歴史を重ねることで年中行事やしきたり、伝統を大切にする土地柄になっていったことも理由のひとつでしょう。
さらに、山や川といった美しい自然に囲まれる地理的環境や、祭りの主催者になるお寺や神社が数多くあることも関係しているかもしれません。桜、紅葉、七夕、お月見など、四季折々の自然美や風情を楽しむ祭りも、京都ではよく行われています。
多種多様な祭り・伝統行事が楽しめる
通年、祭りの開催が多い京都では、多種多様な祭りや行事を楽しめます。たとえば「祇園祭」では山鉾巡行(やまほこじゅんこう)、「葵祭」や「時代祭」では衣装をまとった行列の練り歩き、伝統行事である「京都五山送り火」では文字や形をかたどった篝火(かがりび)、「都をどり」では芸妓・舞妓の舞踊など、京都の祭りは実に個性豊か。ほかにはない感動に出会えるのが京都のお祭りです。
陰で支える伝統工芸に携わる多くの職人の存在
京都の祭りの魅力についていくつか述べましたが、もう一つの理由として、祭りを陰で支える伝統工芸に携わる多くの職人の存在があります。
京都は794年から1869年までの約500年の間、天皇が住まわれていました(※1)。天皇や貴族などの要望に応えるため、住居建築、衣類・衣服などの織物、生活用品、道具に至るまで、さまざまな職人の技術が磨かれてきました。
これらの優れた職人が「祇園祭」の山鉾や「葵祭」の優雅な平安装束などに携わり、京都の多種多様な祭りを陰で支えているのです。京都の祭りに参加する際は、そういった職人の技術にも注目してみると、祭りをより楽しむことができるでしょう。
(※1)出典:京都御所[施設案内]|宮内庁 皇居・京都御所・離宮参観
観光も一緒に楽しめる
一年を通してさまざまな祭りを楽しめる京都は、言わずと知れた日本有数の観光都市でもあります。祭りで京都を訪れた際は、観光も楽しんでみましょう。京都三大祭りはすべて京都市内で行われるため、祭りの前後で十分に観光を満喫することができます。反対に、京都へ観光に行ったら、偶然、祭りの行列と遭遇するなんてことも珍しくない話です。
京都の祭りと言えばこれ 京都三大祭
京都の祭りと言えば、「京都三大祭」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。京都三大祭とは「葵祭」、「祇園祭」、「時代祭」の3つの祭りを総称した呼び名です。
ここでは、京都でぜひ見ておきたい三大祭のそれぞれについて、概要や由来、特徴、見どころをご紹介します。
夏の京都を彩る祭り 「祇園祭」/八坂神社
「祇園祭」は、八坂神社の祭礼で、日本三大祭りの一つです。毎年7月1日(吉符入)から7月31日(疫神社夏越祭)までの1カ月間にわたって、さまざまな祭事が繰り広げられます。17日(前祭)と24日(後祭)に行われる「山鉾巡行」(やまほこじゅんこう)と、その3日前、前々日、前日の総称「宵山」(よいやま)には大勢の人が訪れ、街は熱気に包まれます。
開催期間:毎年7月1日~7月31日
【山鉾巡行】前祭:7月17日/後祭:7月24日
【宵山】7月14日~7月16日、7月21日~7月23日
由来と特徴
「祇園祭」のはじまりは、平安時代前期の貞観年中(859年~877年)に京の都で疫病が流行した際、洛中の男児が当時の国数と同じ66本の矛を奉げ、祇園社の神輿を神泉苑に送り、厄災を払う祈りを捧げたことです。
平安時代の中頃からは空車や田楽、猿楽なども加わり、室町時代には、町ごとに特色ある山鉾が作られ街を巡行する現在の形へと変化していきました。その後、応仁の乱によって一時的に開催が途絶えましたが、明応9年(1500年)に町衆の手によって再興されると、山鉾の装飾にも創意工夫が施されるようになりました。
山鉾のなかには懸装品に舶来のゴブラン織や西陣織などが用いられているものもあり、その豪華絢爛さから「祇園祭」の山鉾巡行は「動く美術館」とも言われています。
お祭りの見どころ
見どころは何と言っても、17日(前祭)と24日(後祭)に行われる「山鉾巡行」、そしてその前夜3日間にかけて行われる「宵山」で、15日・16日の夜には露店が出ます。
宵山では、「コンチキチン」という祇園囃子(ぎおんばやし)の音色のなか、駒形提灯(こまがたちょうちん)の灯りに照らし出された山鉾を間近で鑑賞することができます。幻想的で趣のある雰囲気のなか、山鉾町をそぞろ歩くのも楽しみのひとつです。各山鉾町の町会所では、山鉾の懸装品や御神体人形が飾られ、笹の葉で作られた厄病・災難除けのお守り「粽」(ちまき)や御朱印などの授与を行っているので、ぜひ立ち寄ってみましょう。
1カ月にわたって開催される「祇園祭」は、「宵山」や「山鉾巡行」だけではなく、さまざまな神事や催事が行われます。
ユネスコ無形文化遺産にも登録されている「京都祇園祭の山鉾行事」。山鉾の組み立ては、釘を一切使わず荒縄で固定する「縄がらみ」という伝統技法で、各山鉾町ではその様子を見ることができます。
また、完成した山鉾の試し曳きをする「曳き初め」(ひきぞめ)は一般の方も参加可能です。曳き初めで綱を引くと一年間の厄除けになると言われており、本番同様に祇園囃子の演奏やかけ声もなされるので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
※「祇園祭」は暑い時期に行われるため、帽子の持参、水分補給を行うなど、体調管理(特に熱中症)には充分気を付けましょう。また、周りの方への配慮のため傘・日傘の使用や喫煙は禁止されています。雨天が予想される場合は、レインコートを持参しましょう。
所在地 | 〒605-0073 京都府京都市東山区祇園町北側625 |
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電話番号 | 075-561-6155 |
アクセス | 京阪電車「祇園四条」駅より徒歩約5分 京都駅より京都市営バス「祇園」下車すぐ |
公式HP | https://www.yasaka-jinja.or.jp/ |
※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。 |
京都・祇園祭を楽しもう!
祇園祭とは?日程や見どころをご紹介しています。
優雅な平安の世を再現 「葵祭」/上賀茂神社・下鴨神社
「葵祭」は、下鴨神社(賀茂御祖神社:かもみおやじんじゃ)と上賀茂神社(賀茂別雷神社:かもわけいかづちじんじゃ)の例祭で、約1500年の歴史をもちます。
葵祭にちなみ5月初旬からさまざまな行事(前儀)が行われ、5月15日には京都御所から下鴨神社を経由して上賀茂神社まで約8kmの長い距離を、平安装束をまとった500人ほどの人々が列をなして練り歩く「路頭の儀」(ろとうのぎ)が開催されます。
開催日:毎年5月15日
※雨天順延(前日18時頃判断)
由来と特徴
「葵祭」は、約1500年前を起源とする京都最古の祭りの一つです。欽明天皇(きんめいてんのう:509年~571年)の時代に飢餓疫病が蔓延し、それを鎮めるために鈴を懸けた馬に猪の面をつけた人を乗せて走らせ、祭りを行ったことに始まります。
以来、賀茂の神を祭神とする下鴨神社と上賀茂神社に勅使が送られ祈りが捧げられる「賀茂祭」(かもさい)が毎年営まれようになりました。平安時代中期には、京都で祭りと言えば「賀茂祭」を指すほど有名でした。
しかし、応仁の乱の後、「賀茂祭」は元禄6年(1693年)までの約200年間途絶え、江戸・元禄期に再興されるも、明治維新や第二次大戦などの影響で祭りの中断や行列の中止が度々ありました。
「賀茂祭」が「葵祭」という名で呼ばれるようになったのは、元禄期に祭りが再興された後、内裏神殿の暖簾をはじめ御所車、勅使、供奉者の衣冠、牛車などをすべて葵の葉で飾ったことから名付けられたと言われています。
お祭りの見どころ
「葵祭」は、平安王朝時代の古式にならい「宮中の儀」「路頭の儀」「社頭の儀」の3つに分けて行われます。特に見逃せないのは5月15日、天皇の使者である勅使が下鴨神社、上賀茂神社に参向する道中の「路頭の儀」。
勅使をはじめ、検非違使、内蔵使、山城使、牛車、風流傘、斎王代などおよそ500人が列をなして平安貴族そのままの優雅な姿でゆっくりと市中を練り歩き、下鴨神社を経て上賀茂神社へと向かいます。その様子はまさに王朝絵巻さながらの美しさ。眺めていると、まるで平安時代へとタイムスリップしたような趣に包まれます。
所在地 | 〒603-8047 京都府京都市北区上賀茂本山339番地 |
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電話番号 | 075-781-0011(電話受付時間 8:30~17:00) |
アクセス | 京都市営バス「上賀茂神社前」下車すぐ |
公式HP | https://www.kamigamojinja.jp/ |
※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。 |
所在地 | 〒606-0807 京都府京都市左京区下鴨泉川町59 |
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電話番号 | 075-781-0010 |
アクセス | 京都市営バス「下鴨神社前」下車、徒歩約3分 |
公式HP | https://www.shimogamo-jinja.or.jp/ |
※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。 |
京都の歴史を振り返る大行列 「時代祭」/平安神宮
「葵祭」、「祇園祭」と並ぶ京都三大祭りの一つが「時代祭」です。「時代祭」は平安神宮の大祭で、毎年10月22日に行われます。平安時代から明治維新までの歴史上の人物に扮したおよそ2000人が秋の都大路を練り歩き華やかな歴史絵巻を繰り広げるさまは、まさに圧巻です。
開催日:毎年10月22日
※雨天順延
由来と特徴
「時代祭」は、平安遷都1100年を記念して明治28年(1895年)に始まった紀年祭です。市民によって組織された「平安講社」が中心となり、当初は6列、500名の規模でしたが、現在では明治維新の時代を先頭に、江戸・鎌倉・平安など8つの時代を20の列に分け、それぞれの時代の衣装をまとった約2000人もの人々が参加する一大行列となりました。
お祭りの見どころ
「時代祭」の見どころの一つは、厳密な時代考証をもとに作られた1万2000点にもおよぶ衣装や祭具、調度品です。長い年月にわたり都として栄えた京都の伝統工芸技術を駆使し、それぞれの時代を細部まで再現して作られています。その豪華絢爛な行列は、まさに「生きた時代絵巻」と言えるでしょう。
※10月22日が雨天(または荒天)の場合、行列は翌日順延となります。翌23日も雨天(または荒天)の場合は中止となります。行列途中に雨が降り出しても傘はお使いいただけませんので、雨合羽をご持参ください。
所在地 | 〒606-8341 京都府京都市左京区岡崎西天王町97 |
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電話番号 | 075-761-0221 |
アクセス | 京都市営バス「岡崎公園美術館・平安神宮前」下車、徒歩約5分 |
公式HP | https://www.heianjingu.or.jp/ |
※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。 |
京都三大祭の拠点は京都駅前が便利!
毎年多くの観光客が訪れる京都三大祭の観光には京都駅前のホテルが便利。JR東海ツアーズでは京都駅前のホテルと新幹線がセットになったプランを複数ご用意しています!
【春】桜の季節に楽しめる祭り
春の訪れとともに桜の美しい花が咲く京都は、数々の伝統的な春の祭りで賑わいます。桜が咲き誇る舞台で芸妓・舞妓が舞い踊る「都をどり」や、京都きっての桜の名所と知られる平野神社の「桜花祭」(おうかさい)は、京都の春の風物詩です。
ここでは、「都をどり」と「桜花祭」の魅力や内容、見どころなどをご紹介します。
芸妓・舞妓が表現する日本の四季 「都をどり」/祇園甲部歌舞練場
「都をどり」は、京都にある5つの花街のなかで最も大きい花街「祇園甲部」(ぎおんこうぶ)の芸妓・舞妓が、毎年4月1日から4月30日までの1カ月間にわたり開催している舞踊公演です。
明治5年(1872年)に初演が行われ、令和6年(2024年)の春の公演で150回目の節目を迎えた「都をどり」は、いまや京都の春の風物詩となりました。
開催期間:毎年4月1日~4月30日
由来と特徴
「都をどり」は、明治5年(1872年)に東京遷都後の京都を活気づけるために京都博覧会が開催された際、その附博覧(つけはくらん)として芸妓・舞妓の舞を披露したのが始まりです。
「都をどり」は、全八景(8つの場面)で構成され、普段は会うことができない芸妓・舞妓総勢約50名の華麗な舞を見ることができます。約1時間の舞台では、「ヨーイヤサー」の掛け声で幕が上がると、一度も幕を下ろすことなく四季折々の華やかな衣装をまとった芸妓・舞妓が次々と現れ、四季の舞を展開します。桜が咲き誇る舞台に全景の舞い手が勢ぞろいし、艶やかに舞い踊るフィナーレは圧巻です。
公演の見どころ
「都をどり」の見どころは、毎年変わるテーマと新調される衣裳です。テーマはその年ごとの記念すべき事柄やめでたい出来事から選ばれ、毎回新しく書き下ろした歌詞や曲に、京舞 井上流(きょうまい いのうえりゅう)五世の家元で人間国宝の井上八千代さんが新しい振り付けを入れます。また、毎年新調される衣裳は京友禅と西陣織の匠の手による逸品。豪華絢爛な衣装も必見です。
芸妓さん・舞妓さんの演技や踊りはなかなか見ることができないので貴重な機会ですね。
所在地 | 〒605-0074 京都府京都市東山区祇園町南側570-2 |
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電話番号 | 075-541-3391 |
アクセス | 京阪電鉄「祇園四条駅」下車、徒歩約8分 阪急電鉄「京都河原町駅」下車、徒歩約10分 |
公式HP | https://miyako-odori.jp/ |
※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。 |
鬼たちが跳ね踊る 「やすらい祭」/今宮神社
「やすらい祭」は、毎年4月の第2日曜に行われる祭礼です。桜や椿を飾った花傘に疫神を誘いこみ、今宮神社の疫社(えやみしゃ)に封じ込め、一年の無病息災を願います。
開催日:毎年4月第2日曜日
由来と特徴
桜の花の散る頃に流行する疫病を鎮めるため、花を飾った風流(ふりゅう)の花傘を中心に列を組み今宮神社へ参拝したのが「やすらい祭」の始まりです。黒毛や赤毛の赤熊(しゃぐま)をつけた赤装束の大鬼たちが、鉦や太鼓を打ち鳴らしながらざんばら髪を振り乱して踊り、街を練り歩きます。
祭りで巡行する直径約2mの大きな緋色の花傘は「やすらい祭」の象徴の一つ。桜や椿で飾られたこの花傘の中に入ると一年間の厄を逃れることができるとされ、現在でも参拝者が傘の下に入って無病息災を願います。疫病のもととなる疫神は花傘に引き寄せられ、儀式により今宮神社の疫社へ封じ込められるのだということです。
また、「やすらい祭」で今宮神社を訪れたなら、名物「あぶり餅」もぜひ味わいたいところ。参拝者がこれを食べて病気が治ったことから、「あぶり餅」には病気や厄除けのご利益があるとも言われているので、門前で向かいあう二つの茶店のあぶり餅を食べ比べてみるのもよいでしょう。
お祭りの見どころ
「やすらい祭」最大の見どころは、今宮神社の境内で2組8人の大鬼が大きな輪になって跳ね踊る「やすらい踊り」です。桜の花を背景に神前へと向かい、鉦や太鼓を打ち鳴らしながら、時には激しく飛び跳ね回り、時には緩やかに人々の安寧の願いを込めた「やすらい花や」の歌声に合わせ、大鬼たちが踊ります。
旧上野村の「上野やすらい」と前後して旧川上村の「川上やすらい」も境内へ到着して踊りを奉納するので、二つのやすらい踊りのお囃子や踊りの違いを見比べてみるのもよいでしょう。
所在地 | 〒603-8243 京都府京都市北区紫野今宮町21 |
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電話番号 | 075-491-0082(受付時間:9:00~17:00) |
アクセス | 市バス「今宮神社前」下車すぐ |
公式HP | http://www.imamiyajinja.org/ |
※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。 |
今宮神社のあぶり餅も紹介!京都のB級グルメについては、こちらの記事でも紹介しています。
桜と時代行列が同時に楽しめる 「桜花祭」/平野神社
「桜花祭」は、京都きっての桜の名所として有名な「平野神社」の祭りです。約200名の時代行列が氏子地域を巡行する「神幸列」は、京都の春を代表する風物詩の一つとなっています。
開催日:毎年4月10日
由来と特徴
「桜花祭」は、寛和元年(西暦985年)に花山天皇が後胤繁栄(こういんはんえい)を祈るため、平野神社へ行幸、臨時の勅祭を行われたことに始まります。当時は舞踊や競べ馬などが催されたそうです。
「桜花祭」は、午前10時、本殿前での神事からスタート。神事を終えると、宮司たちは平野神社近くにある花山天皇陵に参拝、参拝を終えると再び平野神社へ戻り神幸列発輿祭が行われ、午後1時からは200人にもおよぶ騎馬や織姫などの時代行列が氏子地域を練り歩きます。
お祭りの見どころ
「桜花祭」最大の特徴は、桜の名所と言われる平野神社で花山天皇が生命の象徴として植えたとされる約60種400本の境内の桜と時代行列の両方を楽しめることです。
花山天皇敬仰花車や騎馬、色鮮やかな衣装の織姫列や深色列などが満開の桜の下を行列する様子は、まるで時代絵巻のようで魅了されます。
また、平野神社の参道の両側には桜茶屋や出店が並んでいるので、お花見を楽しむのもおすすめです。桜の開花期間中はクラシックを中心とした桜コンサートも催されており、夜にはライトアップされた桜が夜空に浮かび上がり、さながら江戸時代にうたわれた「平野の夜桜」といえるでしょう。
所在地 | 〒603-8322 京都市北区平野宮本町1番地 |
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電話番号 | 075-461-4450 |
アクセス | 市バス「衣笠校前」下車、徒歩約3分 京福電鉄北野線「北野白梅町駅」下車、徒歩約7分 |
公式HP | https://www.hiranojinja.com/ |
※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。 |