京都にはどんな祭りや行事がある?おすすめ14選【2024年版】

※2024年7月現在の情報です。

京都のお祭りにきた浴衣姿の女性たち

数多くの歴史的建築物や伝統が残る京都では、春夏秋冬さまざまな祭りや伝統行事が行われています。なかでも京都三大祭は人気が高く、国内外からたくさんの観光客が訪れることで有名です。また、京都の祭りには1000年以上の歴史をもつものも多く、祭りを見れば京都の歴史や文化の一端がわかるといっても過言ではないでしょう。

今回は、祭りが好きな方や京都旅行を計画中の方に向けて、三大祭りをはじめとする京都の祭りや伝統行事をご紹介します。魅力あふれる京都の祭りを旅行のプランに加えれば、より奥深く充実した旅となるでしょう。

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そもそも祭りはなぜ行われる?

そもそも祭りは何のために行われるのでしょうか。

日本には昔から稲作の成功を願う風習があり、そのような農耕の風習が祭りに反映されたと言われています。祭りの目的は季節によって異なるものの、春夏秋冬いつの時期に行われる祭りも稲作と深く繋がっていました。

祭りの大まかな由来

春:「豊作祈願」

春は新しい生命の始まりと成長の季節です。農業では田植えの準備が始まる時期のため、豊作や無病息災を祈願する祭りが各地で行われていました。

豊作祈願の祭り:

三重県/伊勢神宮「祈年祭」(きねんさい)、福岡県/太宰府天満宮「斎田御田植祭」(さいでんおたうえさい)など

夏:「疫病退散」や「厄除け」

夏は稲の生育に最も重要な季節と言われています。一方で日本では昔から台風や大雨が多く、虫などの生物も活発に活動する時期でもあります。夏の祭りはそのような自然災害、害虫などの被害が少ないことを願い、「風除け」や「虫送り」の祭りが催されていたといいます。また、京都など人の多い都市部では夏によく疫病が流行したことから、「疫病退散」や「厄除け」の祭祀も行われていました。

疫病退散の祭り:

京都府/八坂神社「祇園祭」など

秋:収穫に対する「感謝祭」

秋は稲の実りの季節であり、日本の農民はこの時期に稲作の収穫を行います。そのため、秋の祭りは主にその年の収穫を祝い神々に感謝する目的で行われていました。

感謝祭り:

三重県/伊勢神宮の「新嘗祭」(にいなめさい)など

冬:新年を迎えるための「新春祝い」

冬は新しい年を迎える準備の季節です。稲作にとって冬は農閑期なので、田の神に感謝し、新年を迎えるための「新春祝い」にまつわる祭りが行われていました。また冬の祭りは新年を迎える際の邪気を払うための儀式も多く見られます。

新春祝い:

大阪府/住吉大社「節分祭」など

京都の祭りの魅力とは

葵祭 斎王代 女人列
葵祭 斎王代 女人列

日本の祭りのなかでも京都の祭りは人気で、祭りを見るためにわざわざ京都を訪れる人も少なくありません。それほど多くの人を惹きつける京都の祭りの魅力とはいったい何なのでしょうか。

ここからは、京都の祭りの魅力について紹介していきたいと思います。

一年を通して祭りが多い

京都は一年を通して祭りが多く、その理由は京都が古くからの都で歴史が長いために、疫病退散や商売繁盛など祈るべきことが多かったためと考えられています。また、長く歴史を重ねることで年中行事やしきたり、伝統を大切にする土地柄になっていったことも理由のひとつでしょう。

さらに、山や川といった美しい自然に囲まれる地理的環境や、祭りの主催者になるお寺や神社が数多くあることも関係しているかもしれません。桜、紅葉、七夕、お月見など、四季折々の自然美や風情を楽しむ祭りも、京都ではよく行われています。

多種多様な祭り・伝統行事が楽しめる

通年、祭りの開催が多い京都では、多種多様な祭りや行事を楽しめます。たとえば「祇園祭」では山鉾巡行(やまほこじゅんこう)、「葵祭」や「時代祭」では衣装をまとった行列の練り歩き、伝統行事である「京都五山送り火」では文字や形をかたどった篝火(かがりび)、「都をどり」では芸妓・舞妓の舞踊など、京都の祭りは実に個性豊か。ほかにはない感動に出会えるのが京都のお祭りです。

陰で支える伝統工芸に携わる多くの職人の存在

京都の祭りの魅力についていくつか述べましたが、もう一つの理由として、祭りを陰で支える伝統工芸に携わる多くの職人の存在があります。

京都は794年から1869年までの約500年の間、天皇が住まわれていました(※1)。天皇や貴族などの要望に応えるため、住居建築、衣類・衣服などの織物、生活用品、道具に至るまで、さまざまな職人の技術が磨かれてきました。

これらの優れた職人が「祇園祭」の山鉾や「葵祭」の優雅な平安装束などに携わり、京都の多種多様な祭りを陰で支えているのです。京都の祭りに参加する際は、そういった職人の技術にも注目してみると、祭りをより楽しむことができるでしょう。

(※1)出典:京都御所[施設案内]|宮内庁 皇居・京都御所・離宮参観

観光も一緒に楽しめる

一年を通してさまざまな祭りを楽しめる京都は、言わずと知れた日本有数の観光都市でもあります。祭りで京都を訪れた際は、観光も楽しんでみましょう。京都三大祭りはすべて京都市内で行われるため、祭りの前後で十分に観光を満喫することができます。反対に、京都へ観光に行ったら、偶然、祭りの行列と遭遇するなんてことも珍しくない話です。

京都の祭りと言えばこれ 京都三大祭

京都の祭りと言えば、「京都三大祭」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。京都三大祭とは「葵祭」、「祇園祭」、「時代祭」の3つの祭りを総称した呼び名です。

ここでは、京都でぜひ見ておきたい三大祭のそれぞれについて、概要や由来、特徴、見どころをご紹介します。

夏の京都を彩る祭り 「祇園祭」/八坂神社

祇園祭 山鉾巡行
祇園祭 山鉾巡行
祇園祭 宵山
祇園祭 宵山

「祇園祭」は、八坂神社の祭礼で、日本三大祭りの一つです。毎年7月1日(吉符入)から7月31日(疫神社夏越祭)までの1カ月間にわたって、さまざまな祭事が繰り広げられます。17日(前祭)と24日(後祭)に行われる「山鉾巡行」(やまほこじゅんこう)と、その3日前、前々日、前日の総称「宵山」(よいやま)には大勢の人が訪れ、街は熱気に包まれます。

開催期間:毎年7月1日~7月31日

【山鉾巡行】前祭:7月17日/後祭:7月24日

【宵山】7月14日~7月16日、7月21日~7月23日

由来と特徴

「祇園祭」のはじまりは、平安時代前期の貞観年中(859年~877年)に京の都で疫病が流行した際、洛中の男児が当時の国数と同じ66本の矛を奉げ、祇園社の神輿を神泉苑に送り、厄災を払う祈りを捧げたことです。

平安時代の中頃からは空車や田楽、猿楽なども加わり、室町時代には、町ごとに特色ある山鉾が作られ街を巡行する現在の形へと変化していきました。その後、応仁の乱によって一時的に開催が途絶えましたが、明応9年(1500年)に町衆の手によって再興されると、山鉾の装飾にも創意工夫が施されるようになりました。

山鉾のなかには懸装品に舶来のゴブラン織や西陣織などが用いられているものもあり、その豪華絢爛さから「祇園祭」の山鉾巡行は「動く美術館」とも言われています。

お祭りの見どころ

見どころは何と言っても、17日(前祭)と24日(後祭)に行われる「山鉾巡行」、そしてその前夜3日間にかけて行われる「宵山」で、15日・16日の夜には露店が出ます。

宵山では、「コンチキチン」という祇園囃子(ぎおんばやし)の音色のなか、駒形提灯(こまがたちょうちん)の灯りに照らし出された山鉾を間近で鑑賞することができます。幻想的で趣のある雰囲気のなか、山鉾町をそぞろ歩くのも楽しみのひとつです。各山鉾町の町会所では、山鉾の懸装品や御神体人形が飾られ、笹の葉で作られた厄病・災難除けのお守り「粽」(ちまき)や御朱印などの授与を行っているので、ぜひ立ち寄ってみましょう。

1カ月にわたって開催される「祇園祭」は、「宵山」や「山鉾巡行」だけではなく、さまざまな神事や催事が行われます。

ユネスコ無形文化遺産にも登録されている「京都祇園祭の山鉾行事」。山鉾の組み立ては、釘を一切使わず荒縄で固定する「縄がらみ」という伝統技法で、各山鉾町ではその様子を見ることができます。

また、完成した山鉾の試し曳きをする「曳き初め」(ひきぞめ)は一般の方も参加可能です。曳き初めで綱を引くと一年間の厄除けになると言われており、本番同様に祇園囃子の演奏やかけ声もなされるので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

※「祇園祭」は暑い時期に行われるため、帽子の持参、水分補給を行うなど、体調管理(特に熱中症)には充分気を付けましょう。また、周りの方への配慮のため傘・日傘の使用や喫煙は禁止されています。雨天が予想される場合は、レインコートを持参しましょう。

所在地 〒605-0073
京都府京都市東山区祇園町北側625
電話番号 075-561-6155
アクセス 京阪電車「祇園四条」駅より徒歩約5分
京都駅より京都市営バス「祇園」下車すぐ
公式HP https://www.yasaka-jinja.or.jp/

※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。

京都・祇園祭を楽しもう!

祇園祭とは?日程や見どころをご紹介しています。

京都・祇園祭を楽しもう!

優雅な平安の世を再現 「葵祭」/上賀茂神社・下鴨神社

平安装束の行列
平安装束の行列
葵祭 牛車
葵祭 牛車

「葵祭」は、下鴨神社(賀茂御祖神社:かもみおやじんじゃ)と上賀茂神社(賀茂別雷神社:かもわけいかづちじんじゃ)の例祭で、約1500年の歴史をもちます。

葵祭にちなみ5月初旬からさまざまな行事(前儀)が行われ、5月15日には京都御所から下鴨神社を経由して上賀茂神社まで約8kmの長い距離を、平安装束をまとった500人ほどの人々が列をなして練り歩く「路頭の儀」(ろとうのぎ)が開催されます。

開催日:毎年5月15日
※雨天順延(前日18時頃判断)

由来と特徴

「葵祭」は、約1500年前を起源とする京都最古の祭りの一つです。欽明天皇(きんめいてんのう:509年~571年)の時代に飢餓疫病が蔓延し、それを鎮めるために鈴を懸けた馬に猪の面をつけた人を乗せて走らせ、祭りを行ったことに始まります。

以来、賀茂の神を祭神とする下鴨神社と上賀茂神社に勅使が送られ祈りが捧げられる「賀茂祭」(かもさい)が毎年営まれようになりました。平安時代中期には、京都で祭りと言えば「賀茂祭」を指すほど有名でした。

しかし、応仁の乱の後、「賀茂祭」は元禄6年(1693年)までの約200年間途絶え、江戸・元禄期に再興されるも、明治維新や第二次大戦などの影響で祭りの中断や行列の中止が度々ありました。

「賀茂祭」が「葵祭」という名で呼ばれるようになったのは、元禄期に祭りが再興された後、内裏神殿の暖簾をはじめ御所車、勅使、供奉者の衣冠、牛車などをすべて葵の葉で飾ったことから名付けられたと言われています。

お祭りの見どころ

「葵祭」は、平安王朝時代の古式にならい「宮中の儀」「路頭の儀」「社頭の儀」の3つに分けて行われます。特に見逃せないのは5月15日、天皇の使者である勅使が下鴨神社、上賀茂神社に参向する道中の「路頭の儀」。

勅使をはじめ、検非違使、内蔵使、山城使、牛車、風流傘、斎王代などおよそ500人が列をなして平安貴族そのままの優雅な姿でゆっくりと市中を練り歩き、下鴨神社を経て上賀茂神社へと向かいます。その様子はまさに王朝絵巻さながらの美しさ。眺めていると、まるで平安時代へとタイムスリップしたような趣に包まれます。

所在地 〒603-8047
京都府京都市北区上賀茂本山339番地
電話番号 075-781-0011(電話受付時間 8:30~17:00)
アクセス 京都市営バス「上賀茂神社前」下車すぐ
公式HP https://www.kamigamojinja.jp/

※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。

所在地 〒606-0807
京都府京都市左京区下鴨泉川町59
電話番号 075-781-0010
アクセス 京都市営バス「下鴨神社前」下車、徒歩約3分
公式HP https://www.shimogamo-jinja.or.jp/

※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。

京都の歴史を振り返る大行列 「時代祭」/平安神宮

維新志士列
維新志士列
織田公上洛列
織田公上洛列

「葵祭」、「祇園祭」と並ぶ京都三大祭りの一つが「時代祭」です。「時代祭」は平安神宮の大祭で、毎年10月22日に行われます。平安時代から明治維新までの歴史上の人物に扮したおよそ2000人が秋の都大路を練り歩き華やかな歴史絵巻を繰り広げるさまは、まさに圧巻です。

開催日:毎年10月22日
※雨天順延

由来と特徴

「時代祭」は、平安遷都1100年を記念して明治28年(1895年)に始まった紀年祭です。市民によって組織された「平安講社」が中心となり、当初は6列、500名の規模でしたが、現在では明治維新の時代を先頭に、江戸・鎌倉・平安など8つの時代を20の列に分け、それぞれの時代の衣装をまとった約2000人もの人々が参加する一大行列となりました。

お祭りの見どころ

「時代祭」の見どころの一つは、厳密な時代考証をもとに作られた1万2000点にもおよぶ衣装や祭具、調度品です。長い年月にわたり都として栄えた京都の伝統工芸技術を駆使し、それぞれの時代を細部まで再現して作られています。その豪華絢爛な行列は、まさに「生きた時代絵巻」と言えるでしょう。

※10月22日が雨天(または荒天)の場合、行列は翌日順延となります。翌23日も雨天(または荒天)の場合は中止となります。行列途中に雨が降り出しても傘はお使いいただけませんので、雨合羽をご持参ください。

所在地 〒606-8341
京都府京都市左京区岡崎西天王町97
電話番号 075-761-0221
アクセス 京都市営バス「岡崎公園美術館・平安神宮前」下車、徒歩約5分
公式HP https://www.heianjingu.or.jp/

※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。

京都三大祭の拠点は京都駅前が便利!

毎年多くの観光客が訪れる京都三大祭の観光には京都駅前のホテルが便利。JR東海ツアーズでは京都駅前のホテルと新幹線がセットになったプランを複数ご用意しています!

【春】桜の季節に楽しめる祭り

春の訪れとともに桜の美しい花が咲く京都は、数々の伝統的な春の祭りで賑わいます。桜が咲き誇る舞台で芸妓・舞妓が舞い踊る「都をどり」や、京都きっての桜の名所と知られる平野神社の「桜花祭」(おうかさい)は、京都の春の風物詩です。

ここでは、「都をどり」と「桜花祭」の魅力や内容、見どころなどをご紹介します。

芸妓・舞妓が表現する日本の四季 「都をどり」/祇園甲部歌舞練場

都をどり
都をどり

「都をどり」は、京都にある5つの花街のなかで最も大きい花街「祇園甲部」(ぎおんこうぶ)の芸妓・舞妓が、毎年4月1日から4月30日までの1カ月間にわたり開催している舞踊公演です。

明治5年(1872年)に初演が行われ、令和6年(2024年)の春の公演で150回目の節目を迎えた「都をどり」は、いまや京都の春の風物詩となりました。

開催期間:毎年4月1日~4月30日

由来と特徴

「都をどり」は、明治5年(1872年)に東京遷都後の京都を活気づけるために京都博覧会が開催された際、その附博覧(つけはくらん)として芸妓・舞妓の舞を披露したのが始まりです。

「都をどり」は、全八景(8つの場面)で構成され、普段は会うことができない芸妓・舞妓総勢約50名の華麗な舞を見ることができます。約1時間の舞台では、「ヨーイヤサー」の掛け声で幕が上がると、一度も幕を下ろすことなく四季折々の華やかな衣装をまとった芸妓・舞妓が次々と現れ、四季の舞を展開します。桜が咲き誇る舞台に全景の舞い手が勢ぞろいし、艶やかに舞い踊るフィナーレは圧巻です。

公演の見どころ

「都をどり」の見どころは、毎年変わるテーマと新調される衣裳です。テーマはその年ごとの記念すべき事柄やめでたい出来事から選ばれ、毎回新しく書き下ろした歌詞や曲に、京舞 井上流(きょうまい いのうえりゅう)五世の家元で人間国宝の井上八千代さんが新しい振り付けを入れます。また、毎年新調される衣裳は京友禅と西陣織の匠の手による逸品。豪華絢爛な衣装も必見です。

芸妓さん・舞妓さんの演技や踊りはなかなか見ることができないので貴重な機会ですね。

所在地 〒605-0074
京都府京都市東山区祇園町南側570-2
電話番号 075-541-3391
アクセス 京阪電鉄「祇園四条駅」下車、徒歩約8分
阪急電鉄「京都河原町駅」下車、徒歩約10分
公式HP https://miyako-odori.jp/

※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。

鬼たちが跳ね踊る 「やすらい祭」/今宮神社

やすらい祭
やすらい祭

「やすらい祭」は、毎年4月の第2日曜に行われる祭礼です。桜や椿を飾った花傘に疫神を誘いこみ、今宮神社の疫社(えやみしゃ)に封じ込め、一年の無病息災を願います。

開催日:毎年4月第2日曜日

由来と特徴

桜の花の散る頃に流行する疫病を鎮めるため、花を飾った風流(ふりゅう)の花傘を中心に列を組み今宮神社へ参拝したのが「やすらい祭」の始まりです。黒毛や赤毛の赤熊(しゃぐま)をつけた赤装束の大鬼たちが、鉦や太鼓を打ち鳴らしながらざんばら髪を振り乱して踊り、街を練り歩きます。

祭りで巡行する直径約2mの大きな緋色の花傘は「やすらい祭」の象徴の一つ。桜や椿で飾られたこの花傘の中に入ると一年間の厄を逃れることができるとされ、現在でも参拝者が傘の下に入って無病息災を願います。疫病のもととなる疫神は花傘に引き寄せられ、儀式により今宮神社の疫社へ封じ込められるのだということです。

また、「やすらい祭」で今宮神社を訪れたなら、名物「あぶり餅」もぜひ味わいたいところ。参拝者がこれを食べて病気が治ったことから、「あぶり餅」には病気や厄除けのご利益があるとも言われているので、門前で向かいあう二つの茶店のあぶり餅を食べ比べてみるのもよいでしょう。

お祭りの見どころ

「やすらい祭」最大の見どころは、今宮神社の境内で2組8人の大鬼が大きな輪になって跳ね踊る「やすらい踊り」です。桜の花を背景に神前へと向かい、鉦や太鼓を打ち鳴らしながら、時には激しく飛び跳ね回り、時には緩やかに人々の安寧の願いを込めた「やすらい花や」の歌声に合わせ、大鬼たちが踊ります。

旧上野村の「上野やすらい」と前後して旧川上村の「川上やすらい」も境内へ到着して踊りを奉納するので、二つのやすらい踊りのお囃子や踊りの違いを見比べてみるのもよいでしょう。

所在地 〒603-8243
京都府京都市北区紫野今宮町21
電話番号 075-491-0082(受付時間:9:00~17:00)
アクセス 市バス「今宮神社前」下車すぐ
公式HP http://www.imamiyajinja.org/

※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。

今宮神社のあぶり餅も紹介!京都のB級グルメについては、こちらの記事でも紹介しています。

桜と時代行列が同時に楽しめる 「桜花祭」/平野神社

桜花祭
桜花祭

「桜花祭」は、京都きっての桜の名所として有名な「平野神社」の祭りです。約200名の時代行列が氏子地域を巡行する「神幸列」は、京都の春を代表する風物詩の一つとなっています。

開催日:毎年4月10日

由来と特徴

「桜花祭」は、寛和元年(西暦985年)に花山天皇が後胤繁栄(こういんはんえい)を祈るため、平野神社へ行幸、臨時の勅祭を行われたことに始まります。当時は舞踊や競べ馬などが催されたそうです。

「桜花祭」は、午前10時、本殿前での神事からスタート。神事を終えると、宮司たちは平野神社近くにある花山天皇陵に参拝、参拝を終えると再び平野神社へ戻り神幸列発輿祭が行われ、午後1時からは200人にもおよぶ騎馬や織姫などの時代行列が氏子地域を練り歩きます。

お祭りの見どころ

「桜花祭」最大の特徴は、桜の名所と言われる平野神社で花山天皇が生命の象徴として植えたとされる約60種400本の境内の桜と時代行列の両方を楽しめることです。

花山天皇敬仰花車や騎馬、色鮮やかな衣装の織姫列や深色列などが満開の桜の下を行列する様子は、まるで時代絵巻のようで魅了されます。

また、平野神社の参道の両側には桜茶屋や出店が並んでいるので、お花見を楽しむのもおすすめです。桜の開花期間中はクラシックを中心とした桜コンサートも催されており、夜にはライトアップされた桜が夜空に浮かび上がり、さながら江戸時代にうたわれた「平野の夜桜」といえるでしょう。

所在地 〒603-8322
京都市北区平野宮本町1番地
電話番号 075-461-4450
アクセス 市バス「衣笠校前」下車、徒歩約3分
京福電鉄北野線「北野白梅町駅」下車、徒歩約7分
公式HP https://www.hiranojinja.com/

※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。

桜の季節に京都に行くならこの記事もチェック

春の祭りと合わせて京都に桜を見に行く方はこちらの記事もぜひご覧ください。

【初夏・夏】新緑や夏の京都を楽しむ祭り

初夏から夏にかけて京都では数多くの祭りが開催され、街が活気づきます。たとえば、新緑が美しい5月には「葵祭」の安全祈願として「流鏑馬神事」(やぶさめしんじ)が行われ、京都の夏の始まりを告げるのです。

ここでは、初夏・夏に行われる京都の祭りを3つご紹介します。

馬上から矢を放つ葵祭の前議 「流鏑馬(やぶさめ)神事」/下鴨神社

流鏑馬神事
流鏑馬神事

「流鏑馬神事」(やぶさめしんじ)は、毎年5月3日に下鴨神社の境内にある馬場「糺の森(ただすのもり)」の馬場で行われる「葵祭」の前儀で、葵祭の道中の安全を祈るために営まれます。約500mの馬場に設置された3つの的を、公家・武家装束の射手が馬に乗って駆け抜けながら矢で居抜く光景は、迫力満点です。

開催日:毎年5月3日

由来と特徴

走る馬の背から矢で的を射ることを古くは「騎射(きしゃ)」といい、下鴨神社でも明治初年まで「騎射」と呼んでいました。この騎射が「流鏑馬」の原形です。「続日本紀」には、文武天皇2年(698年)の「賀茂祭」(のちの「葵祭」)の日に騎射の禁止令が出されたことが記されており、古くから騎射が行われていたことがわかります。

幾度も途絶えた騎射ですが、昭和48年(1973年)、下鴨神社式年遷宮の記念行事として、名称を「流鏑馬神事」と改め、百数年ぶりに復興されました。

「流鏑馬神事」は、5月15日に行われる「葵祭」の前儀として、毎年5月3日に下鴨神社の清々しい森のような空間で行われます。平安時代の装束を身にまとい、およそ500mの距離を馬に乗って全速力で駆け抜けながら弓で的を射る姿は勇壮で華麗です。

お祭りの見どころ

「流鏑馬神事」の見どころは、何と言っても射手の妙技で、馬上から次々と矢を命中させる姿に目を奪われます。「インヨー(陰陽)」の掛け声とともに矢を放ち、的を射抜いた瞬間、観衆のどよめきが糺ノ森に響き渡るというのが毎年恒例です。

また、長官代はじめ、射手などが本格的な公家装束を身にまとい、下鴨神社から糺ノ森の馬場まで行列する光景は、王朝絵巻を彷彿させます。

所在地 〒606-0807
京都府京都市左京区下鴨泉川町59
電話番号 075-781-0010
アクセス 京都市営バス「下鴨神社前」下車、徒歩約3分
公式HP https://www.shimogamo-jinja.or.jp/

※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。

素足で池に入り無病息災を祈る 「御手洗祭」/下鴨神社

ろうそく献灯
ろうそく献灯
足つけ神事
足つけ神事

「御手洗祭」(みたらしまつり)では、下鴨神社境内にある御手洗池に膝下まで足を浸してろうそくを献灯し、無病息災を祈願します。子どもから大人まで多くの人で賑わう京都ならではの夏の風物詩です。

開催日:2024年7月19日(金)~7月28日(日)

由来と特徴

御手洗祭の由来は、平安時代に公家が罪や穢れ(けがれ)を祓うために禊(みそぎ)を行っていた習わしが庶民に伝わり、現在の形になったと言われています。

開催時期は、毎年「土用の丑の日」前後。「足つけ神事」とも言われる御手洗祭は、下鴨神社の境内にある御手洗池に膝下まで浸かり、ろうそくを献灯します。そして、罪や穢れを祓い、疫病や安産にも効き目があると言われている御手洗祭で無病息災を祈ります。

お祭りの見どころ

御手洗祭は、下鴨神社境内にある神聖な御手洗池に入ることのできる貴重な機会です。暑い時期にひんやり冷たい湧き水の中に入り涼をとることができることから、老若男女問わず多くの人で賑わいます。

夜には、境内に飾られたたくさんの提灯に灯が灯ることで、ろうそくの明かりが池の水を照らし、幻想的な雰囲気に。水の湧き口(井戸)の上に社殿が造られている末社・井上社に灯明を供えたら、最後に御神水をいただき、体の中から清めましょう。

また、御手洗祭の後にぜひ味わいたいのが、名物の「みたらし団子」です。下鴨神社はみたらし団子発祥の地と言われており、御手洗祭にお供え物として使われてきました。境内の御手洗池から湧き出る水の泡を模して団子が作られたのが始まりと言われています。御手洗祭で無病息災を願った後は、歴史あるみたらし団子を堪能してみてはいかがでしょうか。

※池には素足で入るのでサンダルや脱ぎ履きのしやすい靴で行くとよいでしょう。また、膝下まで水に浸かるので、まくり上げやすい服装がおすすめです。足ふき用のタオルも持参するようにしましょう。

※ろうそくを献灯するには灯明料が必要です。

所在地 〒606-0807
京都府京都市左京区下鴨泉川町59
電話番号 075-781-0010
アクセス 京都市営バス「下鴨神社前」下車、徒歩約3分
公式HP https://www.shimogamo-jinja.or.jp/

※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。

京都のお盆を締めくくる、伝統行事も見逃せない!

京都ではお盆の時期に開催される伝統的な行事として「京都五山送り火」が有名です。お祭りとは少し異なりますが京都の夏を彩る一大行事としてご紹介します。

夏の京都の風物詩 「京都五山送り火」/京都市内

五山送り火
五山送り火

「五山送り火」(ござんおくりび)は、迎え火によって現世に迎えた祖霊を再び浄土に送る伝統行事です。亡き人を偲び、家族に思いを寄せる大切な習わしで、京都を囲む5つの山に、炎で描かれた「大」「妙・法」の文字や「鳥居形」、「船形」が次々に浮かび上がります。

開催日:毎年8月16日
20時点火

由来と特徴

「五山送り火」は宗教的行儀であり、その起源については室町時代や江戸時代など諸説あります。一般に送り火が行われるようになった背景には仏教や祖霊信仰が深く関わっていると言われています。

特に、室町時代以降に普及が進んだそうです。歴史文献の中に「五山送り火」が出てくるのは15世紀以降であり、江戸時代中期に「五山送り火」が始まった可能性が高いとされていますが、各送り火には独自の歴史が伝承されており、起源とされる時期もさまざまです。

「五山送り火」は、東山の如意ヶ嶽(ひがしやまにょいがたけ)の「大文字送り火」が最も有名で、ほかに松ケ崎にある西山・東山の「松ケ崎妙法送り火」、西賀茂にある妙見山(みょうけんさん)の「船形万燈籠送り火」、大北山にある大文字山(だいもんじやま)の「左大文字送り火」、そして嵯峨鳥居本にある仙翁寺山(せんのうじやま)(別名:万灯籠山(まんとうろうやま)・曼荼羅山(まんだらやま))の「鳥居形松明送り火」があります。これら5つの送り火はすべて京都市登録無形民俗文化財です。

行事の見どころ

5つの山に次々と点火された送り火を見ることができる「五山送り火」。大文字や鳥居形を描く火が暗い山に浮かび上がる様子は壮観です。5つの送り火は時間を少しずつずらして灯され、各送り火はおよそ30分間輝き続けます。

送り火当日、特に多くの人で賑わうのが京都タワーで、すべての送り火を同時に見ることができる人気のスポットです。また、各送り火がきれいに見えるスポットもあり、一番初めに点火される「大文字送り火」は、鴨川付近(丸太町橋~御薗橋)や京都御苑から鑑賞するのがおすすめです。

各山では、護摩木等に先祖供養や祈願などを記し、奉納する一般の受付が行われています。(※護摩木に関しては公式HPなどでご確認ください)また、「五山送り火」が行われる19時頃から21時頃には、嵐山の渡月橋と遍照寺付近の広沢池で灯篭流しが行われるので、訪れてみてはいかがでしょうか。水面を揺らめく灯篭が美しく、幻想的な雰囲気に包まれます。

※「五山送り火」は観光的なイベントではなく、厳粛なお盆行事です。ご覧になる際は、地元の方の迷惑にならないようマナーを守って観覧しましょう。

※送り火当日は、円滑な点火作業と危険防止のため、各山への入山は禁止されています。なお、平時でも如意ヶ嶽以外への入山はできません。

※京都タワーでは、一部地形の関係で全景が見えにくい文字もあります。また、送り火の当日は特別営業日となります。詳細は公式ホームページでご確認ください。

公式HP 京都観光オフィシャルサイト 京都観光Navi
https://ja.kyoto.travel/event/major/okuribi/

※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。

夏の京都のお祭りは中心部への宿泊が便利!

夏の京都のお祭りを楽しむなら京都の中心部である四条烏丸や河原町がおすすめです。下鴨神社や五山の送り火の鑑賞スポットへのアクセスが便利!

JR東海ツアーズではそんな四条烏丸や河原町のホテルと新幹線がセットになったプランを複数ご用意しています。

【秋】名月や神輿を楽しむ祭り

京都の秋は、美しい紅葉が有名ですが、涼やかな風が吹き、とても過ごしやすい秋の京都で祭りを楽しむのもおすすめです。

ここでは、名月や神輿を楽しめる京都の秋祭りをご紹介します。

鞍馬の里に舞う無数の炎 「鞍馬の火祭」/由岐神社

鞍馬の火祭 篝火
鞍馬の火祭 篝火

「鞍馬の火祭」は、毎年10月22日の夜に行われる由岐神社(ゆきじんじゃ)の例祭です。氏子衆が燃え盛る大松明を担いで集落を練り歩く様子は迫力満点!勇壮な祭りとして毎年多くの方が訪れます。

開催日:毎年10月22日

由来と特徴

「鞍馬の火祭」は、平安時代末期に由岐神社の祭神である由岐大明神を京都御所から鞍馬の地に御遷宮の際に村人たちが松明を焚いて出迎えたことに由来します。その時の様子を今に受け継ぐのが「鞍馬の火祭」です。

「神事にまいらっしゃーれ」の合図とともに、鞍馬の各戸に積み重ねられた篝(えじ)に火が灯され、祭りがスタートします。先頭では子どもが小さな松明を、その後には大人が大きな松明をそれぞれ持って「サイレイヤ、サイリョウ」(「祭礼や、最良」の意)観月の夕べの掛け声を繰り返し囃しながら集落内を練り歩きます。鞍馬寺の山門前にある石段に数百本の松明が集まり炎が燃え盛る様子は圧巻です。

お祭りの見どころ

「鞍馬の火祭」に用いられる松明にはさまざまな大きさで、最も大きな松明「大松明」は、長さ約4m・重さ約100kgにもなります。一番の見どころ「注連縄切り」(しめなわぎり)では、御旅所(おたびしょ:祭礼の際に神輿が仮にとどまる場所)の中に入った大松明が大人2~3人によって立てられます。

失敗して火の粉をまき散らしながら倒れることもありますが、すべての大松明が立てられたときが祭りのクライマックス。その熱気と迫力たるや、10月の京都の肌寒さも吹き飛ばすほどです。

また、八所大明神(はっしょだいみょうじん)・由岐大明神(ゆきだいみょうじん)の御神輿が山門前の石段を下りる際の「チョッペンの儀」では、ふんどし姿の若い男性が担ぎ棒に足を逆さ大の字に広げてぶら下がり、下から支えられながら急な階段を下りていきます。こちらも「鞍馬の火祭」の見どころの一つで、鞍馬の成人儀礼の名残とも言われています。

※「鞍馬の火祭」当日は、すべての駐車場が閉鎖されるため、駐車場所がありません。ご観覧の際は公共交通機関の利用をお願いします。

※燃え盛る炎が間近に迫り、火の粉が飛んで来ることもあるため、動きやすく燃えにくい素材の服の着用をおすすめします。

所在地 〒601-1111
京都市左京区鞍馬本町1073番地
アクセス 叡山電鉄鞍馬線「鞍馬駅」下車、徒歩約10分
公式HP http://www.yukijinjya.jp/

※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。

京都で愛でる中秋の名月 「観月の夕べ」/大本山大覚寺

大覚寺 観月の夕べ
大覚寺 観月の夕べ

「観月の夕べ」は、大覚寺(だいかくじ)の大沢池で行われる中秋の名月を鑑賞する催しです。大沢池の周囲からはもちろん、舟からも空に浮かぶ月と水面に映る月の両方を優雅に鑑賞することができます。

開催期間:2024年9月15日(日)~9月17日(火)中秋

由来と特徴

「観月の夕べ」は、嵯峨天皇(さがてんのう:平安初期の天皇。在位809-823年)が「中秋の名月」の日に大沢池に舟を浮かべ、文化人や貴族の方々と遊ばれたことから始まったとされています。

9月から10月にかけて中秋の日を含む3日間、夜の時間に開催される催しで、日本三大名月鑑賞地の一つ「大沢池」に浮かべられた龍頭鷁首舟(りゅうとうげきしゅせん)から、空に浮かぶ満月と大沢池に映る満月を鑑賞することが可能です。

お祭りの見どころ

「観月の夕べ」の特徴は、龍頭鷁首舟に乗って大沢池を一周しながら水面に浮かぶ月を鑑賞できるところです。空に浮かぶ月とともに、大沢池の水面に映った月を愛でることができるのも「観月の夕べ」ならでは。水面に映る月の美しさに風情を感じられるでしょう。

また、大沢池のほとりにある少し高い位置に設けられた五大堂観月台では、名月を望みながらお茶が楽しめます(※舟遊覧と観月席のセット券の事前購入必要)。観月席からは月と大沢池全体を見渡すことができ、その景色は感動のひと言です。ぜひ、平安王朝絵巻さながらの風景を味わい、優雅なひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

また、「観月の夕べ」では、中秋の日を含む3日間、池に張り出した特設舞台で五穀豊穣を祈る「満月法会」(まんげつほうえ)が執り行われます。月を臨む場所に設けられた祭壇には、お団子や芋、豆などの野菜、お花が供えられており、一山の僧侶が出仕して「月天」を招じ、農作物の豊作と人々の幸せを祈願するというものです。法会終了後には、法話があります。

※参拝料:大人500円・小中高生300円(日中参拝された方も、別途参拝料が必要となります。)

※龍頭鷁首舟での大沢池遊覧と五大堂観月席でのお抹茶は、セットで「特別チケット」を事前申込みされた方に限らせていただきます。(申し込み多数の場合は抽選)

所在地 〒616-8411
京都市右京区嵯峨大沢町4
電話番号 075-871-0071
アクセス 市バス「大覚寺」下車すぐ
公式HP https://www.daikakuji.or.jp/

※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。

大小の花傘と神輿が街を練り歩く 「神幸祭」/御香宮神社

神輿
神輿
花傘
花傘

「神幸祭」(しんこうさい)は、京都市伏見区にある御香宮神社で毎年10月上旬に行われる9日間の祭礼で、伏見地区最大級のお祭りです。初日と8日目の夜に行われるのが主祭神のお迎え提灯として各町内から花傘が神社に参拝する「花傘総参宮」(はながさそうさんぐう)。祭り期間中の境内にはところ狭しと屋台が立ち並び、昼夜問わず多くの人で賑わいます。

開催期間:2024年10月5日(土)~10月13日(日)

※神幸祭 神輿巡幸:2024年10月13日(日) 8:00~20:00

由来と特徴

「御香宮神社神幸祭」の起源は、明治時代以前の旧暦9月9日(菊の節句)に行われていた「伏見祭」で9日間の祭礼期間中は境内の能舞台で厄除けを祈願する奉納行事が行われます。

10月の第2日曜日を基準にその9日前の土曜日から開催され、日によって内容が異なるのが特徴。初日と宵宮に行われる「花傘総参宮」や最終日早朝から行われる「神輿巡行」(みこしじゅんこう)が有名です。

お祭りの見どころ

「御香宮神社神幸祭」の見どころの一つは、華やかに飾りつけされた花傘のパレード「花傘総参宮」で別名「花傘まつり」とも称されます。「アラウンヨイヨイ、アラウントマカセ」の勇ましい掛け声とともに、各町内より大手筋商店街を通って神社へと参拝します。

行列とともに、色とりどりの花傘を眺めながら神社へ参拝するのもおすすめです。さらに、8日目の宵宮には室町時代の風流傘を今に伝える「風流花傘パレード」が大手筋商店街で行われ、各町内より趣向を凝らした花傘が祭りを盛り上げます。

また、最終日早朝から行われる「神輿巡幸」も見どころ。地域の祈りを伝える舁き手たちが 「祝人(ほいと)」の掛け声とともに、勇ましく氏子地域を巡幸します。昭和35年(1960年)まで巡幸していた2tを超える神輿「千姫神輿」も祭礼期間中のみ特別公開されるので必見です。

所在地 〒612-8039
京都府京都市伏見区御香宮門前町174
電話番号 075-611-0559
アクセス 近鉄京都線「桃山御陵前駅」下車、徒歩約2分
公式HP https://gokounomiya.kyoto.jp/

※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。

秋に京都に行くならこの記事もチェック

秋の京都は、祭りと一緒に紅葉も楽しめる!京都の紅葉についてはこちらの記事をご覧ください。

【冬】早春の京都を楽しむ祭り

京都の冬は寒さが厳しいですが、活気あふれる祭りや春の気配を感じさせる祭りがあり魅力的です。

ここでは、冬・早春に楽しめる京都ならではの祭りをご紹介します。普段なかなかお目にかかれない芸舞妓さんがお茶を振る舞ってくれる「梅花祭」など、魅力的な祭りを楽しみに冬の京都を訪れてみてはいかがでしょうか。

梅の花を愛でた菅原道真公を偲ぶ 「梅花祭」/北野天満宮

梅花祭
梅花祭

「梅花祭」は「菅原道真公」の祥月命日に行われる祭典で、約900年の歴史をもつ重要祭祀です。境内の紅梅殿船出の庭に野点の席が設けられ芸舞妓による茶の湯のお点前が披露されます。

開催日:毎年2月25日

由来と特徴

「梅花祭」は、「北野天満宮」の御祭神である「菅原道真公(菅公)」が梅の花をこよなく愛したことに由来する祭りです。菅公の祥月命日のための神事で、御神前には梅花を添えた御神饌が供えられます。

また、梅花御供(ばいかのごく)と呼ばれる、大小の台に蒸した米を盛った「大飯」「小飯」、男女の厄年の数に因み、白梅・紅梅の小枝を使った「紙立」(こうだて)といったこの日だけの特別なお供えをし、菅公の御遺徳を偲ぶというものです。

また、境内では、豊臣秀吉公が「北野大茶湯」を催したことにちなんだ「梅花祭野点大茶湯」(ばいかさいのだておおちゃのゆ)も開催されます。上七軒歌舞会の芸舞妓らによる茶の湯のお点前が披露され、大変な賑わいを見せます。

※梅花祭野点大茶湯でお茶をいただくには、野点拝服券(有料)が必要です。詳しくは公式HPなどでご確認ください。

北野天満宮の見どころ

北野天満宮は梅の名所で、境内には菅公ゆかりの梅50種約1500本があり、2月から3月にかけては約2万坪の境内一円で紅白の梅が咲き誇ります。

「梅花祭」が斎行される2月は、梅苑「花の庭」(※有料)が公開され、梅の間を縫うように配された散策路を歩くと美しい梅の花を間近で楽しむことができます。また、梅苑を360度見渡せる展望台や梅茶とお菓子をいただける茶屋もあるのでゆっくりお花見を楽しんでみてはいかがでしょうか。

また、「梅花祭」が斎行される25日は毎月の縁日「天神市」の日でもあることから、参道には終日、露店が立ち並びます。日没後には350の石燈籠と250の釣燈籠が点灯するとともに境内がライトアップされ、御本殿をはじめとする御社殿が美しく浮かび上がり幻想的な景色が広がります。

※梅苑の公開は開花状況によりますが、例年2月上旬から3月下旬です。日程は毎年変わりますので、詳しくは公式HPでご確認ください。

所在地 〒602-8386
京都市上京区馬喰町
電話番号 075-461-0005
アクセス 嵐電北野線「北野白梅町駅」下車、徒歩約5分
公式HP https://kitanotenmangu.or.jp/

※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。

鬼を払い、福を呼び込む 「節分祭」/吉田神社

節分祭
節分祭

京都では各所で節分祭が行われていますが、なかでも吉田神社の「節分祭」は有名で、室町時代から続いている伝統的な一大行事です。2月の節分の日前後3日間開催され、節分前日と当日の2日間は境内におよそ800もの露店が立ち並び、多くの人で賑わいます。

開催期間:令和6年2月2日(金)~2月4日(日)

節分前日祭・疫神祭・追儺式(鬼やらい神事) 令和6年2月2日(金)

節分当日祭・火炉祭 2024年2月3日(土)

節分後日祭 2024年2月4日(日)

※令和7年の開催期間は2月1日(土)~2月3日(月)です。

由来と特徴

吉田神社の「節分祭」は、室町時代に執行されて以来、信仰と伝統を誇る京洛の一大行事です。吉田神社へ続く参道にはおよそ800もの露店が立ち並び毎年、多くの人でにぎわいます。

節分の前日には、疫鬼や疫神を追い払う「追儺式(ついなしき)」(鬼やらい神事)が行われ、訪れる観覧客を魅了します。当日の午後には「火炉祭」が開催されます。

参拝者が持参した古い神札やお守りを納め、鳥居の前に設けた大きな火炉で燃やすことで古札に宿る神霊を元の御座へお還りいただけるよう浄火を点じ焼き納めるという行事です。

お祭りの見どころ

吉田神社の節分祭の見どころの一つは節分前日に開催される「追儺式」で、赤・青・黄の三匹の鬼たちを黄金の四つ目の仮面を被り盾と鉾を持った「方相氏」(ほうそうし)が追い払う行事です。

平安時代の初めより毎年宮中にて執行されていたと言われ、古式に則って厳修に伝承・継承されています。鬼たちに棍棒を向けられた方相氏がそれに屈することなく盾と矛を用いて立ち向かい鬼を退散させる場面は、追儺式のなかでも見どころと言えるでしょう。

また、節分の期間のみ、御神札や御守などさまざまな授与品が古くより魔除けの力があると言われている「くちなし色」に染まります。

さらに、境内では抽選券付きの「厄除け福豆」(1袋300円)を授与。協賛の商社より提供される賞品が当たる抽選会が開催され、参拝者の楽しみの一つとして親しまれています。

所在地 〒606-8311
京都市左京区吉田神楽岡町30番地
電話番号 075-771-3788
アクセス 京阪電車 京阪本線「出町柳駅」下車、徒歩約20分
京都市バス「京大正門前」下車、徒歩約5分
公式HP https://www.yoshidajinja.com/index.html

※詳細は公式ホームページなどでチェックしてください。

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まとめ

今回は、京都の祭りについてご紹介しました。京都には有名な祭りや個性豊かな祭りがあり、春夏秋冬どの季節に訪れても京都ならではの素敵な祭りに出会えます。

ぜひ祭りに合わせて旅行のプランを立て、祭りを通して京都の文化や歴史に触れてみてはいかがでしょうか。祭りに参加し、実際に見たり聞いたり触れたりする中で、いつもの観光とはひと味違った京都の新しい魅力を発見できるかもしれません。

今回ご紹介した祭りのほかにも、京都には魅力的な祭りがたくさんあります。ぜひお気に入りの京都の祭りを見つけて、足を運んでみてくださいね。

※情報は2024年7月現在のものです。
※最新情報は各施設へお問合せください。

※画像は全てイメージです。
編集:JR東海ツアーズ