京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を遊ぶ 更新日:2022.05.12
京都の伝統×新技術から誕生!新万葉染め体験
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。
古来、受け継がれた染色技術と環境への配慮から生まれた「新万葉染め」。植物由来の染料を使い、短時間でやさしい色合いの染め物へと仕上がります。今回は、京都の伝統と現代の技術を掛け合わせて誕生した新しい染め体験をご紹介します。
京都の混雑状況(2022年10月25日現在) ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。
きょうと かわばたしょうてん
京都 川端商店
壬生寺のほど近く、閑静な住宅街に佇む「京都 川端商店」は大正13(1924)年に呉服店として創業。マリーゴールドや桜など自然由来の染料を使用した「新万葉染め」の技術を用いて商品づくりを行っています。環境問題に配慮し、日本の色彩を活かした染め物が特長です。
広大な工房では、「新万葉染め」のストール・ハンカチ・トートバッグの3種類の体験メニューが用意されています。さらに、自宅で染め体験ができるキットも販売。日本の伝統色を用いた色鮮やかで繊細な色合いのオリジナル染め物を作ってみては。
【新万葉染め体験「ストール」】 ※予約制 | |
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料金 | 3,990円(税込) |
所要時間 | 約1時間~1時間半 ※所要時間は目安です。 |
定員 | 1名~15名 |
備考 | 当日予約可(店舗状況による)。汚れても良い服装でお越しください。 |
京都 川端商店 | |
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所在地 | 京都市中京区壬生松原町51-1 (株)京都紋付ビル1階内地図 |
アクセス | JR山陰本線「丹波口」駅より徒歩約10分、市バス3・8・13号系統ほか「四条中新道」より徒歩約7分、市バス32・43・80号系統ほか「京都リサーチパーク前」より徒歩約7分 |
電話番号 | 075-325-0777 |
URL | |
営業日 | 月曜日~日曜日 9:00-18:00(体験受付は17:00まで) |
休業日 | 不定休(電話・メールでのご予約の際は、公式SNSで定休日の確認をお願いします) |
受付&説明
実際に作業をされている工房内へ進み、まずは、3代目 川端 康夫さんから「新万葉染め」の魅力や技術を教わります。染料についての解説や、染める手順などを聞いて体験を始めます。
色・模様を決める
全18色の和名色(日本の伝統色)の見本から好みの色を選んでいきます。 色は組み合わせることが可能。模様は雪花・格子・グラデーションなど様々な柄から選択可能。今回は、色は「黄蘗色」、模様は川端さんおすすめの「グラデーション」にしました。
染液と媒染液を作る
草木や虫などを原料とした色材をお湯に溶かし、抹茶を点てるように混ぜていきます。色材の量によって色の濃さを調節し、ごく少量の染料でもしっかり染め上がるそう。
生地を畳み、模様に合わせ絞る
選んだ模様にあわせて割り箸や輪ゴムなどを使って、様々な形に絞っていきます。今回はグラデーション模様なので、生地をじゃばらに折っていきます。この絞り方次第で仕上がりが変わるので、出来上がりを想像しながら模様を作りましょう。
染める
生地の端から順に染料に浸す時間を変え、グラデーションになるように染めていきます。天然の染料を繊維に定着させる「媒染」という工程を挟み、再度染色します。徐々に色づいていく様子にワクワクします。
オリーブ石鹸につける(柔軟処理)
生地に残っている染料の粉を軽く水洗いして落とします。次に、仕上げとしてオリーブを原料とした石鹸を使って柔軟処理をしていきます。色が溶け出さなくなったら完了です。
水で洗う
オリーブ石鹸での柔軟処理が終わったら水で生地を洗い流します。流れるように洗っていくのがポイント。石鹸のぬめりが無くなったら完了です。
脱水
遠心分離機で生地を1分ほど脱水していきます。どんな柄になっているのか、完成が楽しみです。天然の染料は日光に弱いため、自宅で乾かす際には陰干しを心がけましょう。
※染めた作品は、脱水後の湿った状態でビニール袋に入れてのお渡しとなります。
完成
きれいなグラデーションで春らしいやさしい色合いに仕上がりました。世界に一つだけのストール。こちらのストールは面積が大きいので、模様や色によって様々な季節に着用することができます。
地球・人にやさしい「新万葉染め」。気さくな川端さんのお話から、染め物の歴史を知り、環境問題を考えるきっかけにもなりました。京都の観光スポットにちなんだ色づけも出来るので、旅行の思い出づくりにいかがでしょうか。/写真は「京都 川端商店」の川端 康夫さんと
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