京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を歩く 更新日:2022.05.26
温故知新な出会いがたのしい南禅寺エリア

南禅寺:瑞々しい新緑と日本三大門の一つにも数えられる、高さ約22mの三門
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。


豊かな自然が生み出す、涼やかな時間が楽しめる南禅寺エリア。南禅寺に残る鎌倉時代の面影に思い馳せながら散策してみませんか。散策途中には、近ごろ話題のカフェもあり、初夏の京都をきっと満喫できるはずです。
京都の混雑状況(2022年10月25日現在) ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。

地下鉄東西線「蹴上」駅からスタートです!
地下鉄東西線「蹴上」駅へのアクセス:JR「京都」駅より地下鉄烏丸線で約5分、「烏丸御池」駅で地下鉄東西線に乗り換え約7分
モデルコースの所要時間:約3時間
ルート
地下鉄東西線「蹴上」駅からスタート! |
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徒歩約8分(約700m) |
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徒歩約1分(約120m) |
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徒歩約5分(約450m) |
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徒歩約2分(約170m) |
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緑が彩る荘厳な禅寺で心静かな夏を

南禅寺:南禅寺の中心となる法堂は明治42(1909)年に再建されたもの
なんぜんじ
南禅寺
日本最初の勅願禅寺として1291年に亀山法皇が無関普門禅師(大明国師)を迎え創建された「南禅寺」は臨済宗南禅寺派の大本山であり、「京都五山之上」に位置づけられています。広大な境内には法堂や山門をはじめとした圧巻の歴史的建造物はもちろん、禅のこころを表す数々の名庭など見どころに事欠きません。中でも、南禅寺発祥の地「南禅院」にある庭園は亀山法王自らが作庭したとも伝わる名庭で、鎌倉時代の面影を今なお残しています。また国宝に指定されている方丈には、小堀遠州によって作庭された虎の子渡しの庭と呼ばれる大方丈庭園、昭和に作られた小方丈庭園などいくつものお庭が。南禅寺山内の塔頭「天授庵」では枯山水と池泉式の2種類の庭園が楽しめます。蒸し暑い夏には、閑やかな庭園に涼を求めてみては。

南禅寺:別名「天下竜門」とも呼ばれる日本三大門の一つに数えられる三門。歌舞伎に登場する伝説の大泥棒石川五右衛門のセリフにあるように、楼上の景色はまさに「絶景かな絶景かな」

南禅寺:中門からの坂道を登ると見えてくる本坊。ここから国宝である方丈へと進みます。大方丈は1611年に御所の建物を下賜されたもの。方丈内ではデジタル復元された84面もの障壁画が公開されています
基本情報 | |
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所在地 | 京都市左京区南禅寺福地町地図 |
アクセス | 地下鉄東西線「蹴上」駅より徒歩約8分 |
電話番号 | 075-771-0365 |
URL | |
参拝時間 | 【12月1日~2月28日】8:40-16:30、【3月1日~11月30日】8:40-17:00 |
休日 | 年末(12月28日~12月31日) |
料金 | 拝観料(一般) 「方丈庭園」600円、「三門」600円、「南禅院」400円 |
近代の発展を語り継ぐ煉瓦のアーチ

水路閣:田邉朔郎が設計・デザインした水路閣とまばゆい新緑
すいろかく
水路閣
琵琶湖から京都へと水を運ぶ「琵琶湖疏水」は今も現役で使用されている運河。その一旦を担う水路閣は、南禅寺境内にあるレンガ造りのアーチ型水路橋です。鎌倉時代より続く由緒ある禅寺「南禅寺」内に建造する上で、琵琶湖疏水を計画した田邉朔郎が、境内の景観に配慮した設計・デザインを行ったそう。今では南禅寺の名所の一つとして、人気フォトスポットになっています。 水路閣は、蹴上インクラインや蹴上発電所などとあわせて経済産業省の近代化遺産に認定、国の史跡にも指定されるなど、京都の産業を発展させ近代化を推し進めた疏水事業を象徴する建造物の一つとなっています。山側へと進むと、水路閣上部の水路に水が流れている様子も見ることができますよ。

水路閣:アーチを覗くこの構図。南禅院へと続く階段付近からの写真ですが、山へと続く反対側から撮影すると、また違った趣になるのでぜひ確かめてみてはいかがでしょうか

水路閣:京都一周トレイルの出口の一つが水路閣へとつながっています。また、大文字山への登山道にもなっています
基本情報 | |
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所在地 | 京都市左京区南禅寺福地町(南禅寺境内)地図 |
アクセス | 地下鉄東西線「蹴上」駅より徒歩約9分 |
時間 | 散策自由 |
休日 | 年中無休 |
料金 | 散策自由 |
古きに学び新しきを創るくつろぎ空間

提供元:ブルーボトルコーヒー
ブルーボトルコーヒー京都カフェ:はなれ 2 階をリニューアルした予約制フロア「The Lounge -Kyoto-」
ぶるーぼとるこーひーきょうとかふぇ
ブルーボトルコーヒー京都カフェ
2018年春、ブルーボトルコーヒー初の関西店舗としてオープンした京都カフェ。南禅寺のほど近く、築100年を超える2層構造の伝統的な京町屋をリノベートした内装、重厚な柱や梁が整然と組まれた美しい骨組み、荒々しいながらも趣深く剥き出しになった土壁など、既存の建物を生かした演出が随所で楽しめます。また、新しいコーヒー体験を届けたいという思いから、はなれ 2 階は予約制フロア「The Lounge -Kyoto-」として2021年3月にリニューアル。世界中のブルーボトルコーヒーカフェの中で、ここでしか体験できないコースメニューを味わうことができます。最新の理論と伝統的な抽出方法で提供するコーヒーや季節を感じさせるデザートなど、ブルーボトルコーヒーの歴史や思いを感じることができます。

提供元:ブルーボトルコーヒー
ブルーボトルコーヒー京都カフェ:ブルーボトルコーヒーで世界初となるコースメニュー「コーヒーコース -3種のコーヒーと季節のデザート-」は3種のコーヒーと、季節のデザート2種が楽しめます

提供元:ブルーボトルコーヒー
ブルーボトルコーヒー京都カフェ:手前の建物ではコーヒー豆やグッズの販売を、奥に進むとドリンクなどの注文ができます
基本情報 | |
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所在地 | 京都市左京区南禅寺草川町64地図 |
アクセス | 地下鉄東西線「蹴上」駅より徒歩約6分 |
URL | |
営業日 | 月曜日~日曜日 9:00-18:00 |
休業日 | 年中無休 |
料金 | 「ブレンド」540円~(税込)、「コーヒーコース -3種のコーヒーと季節のデザート-」4,125円(税込) |
かつて舟を運んだ線路が時季を映す遊歩道に

蹴上インクライン:美しい緑に囲まれたフォトジェニックな蹴上インクラインの線路跡
けあげいんくらいん
蹴上インクライン
蹴上インクラインとは、琵琶湖疏水上流の蹴上船溜と下流の南禅寺船溜を結んだ全長約582mの傾斜鉄道のことをいいます。約36mの高低差を貨物舟が行き交うために設置され、ケーブルカーと同じ原理で舟を台車に載せて運んでいました。建設された当時は、傾斜鉄道としては世界最長だったそう。昭和52(1977)年に復元され、現在のようにレールを形態保存した散歩道に整備されました。春には桜が咲き誇り、夏は緑が彩る、秋は紅葉を愛で、冬には雪に覆われた銀世界に。まさに四季折々でその様相を変える、京都でも指折りのフォトジェニックなスポットです。インクラインの中は自由に歩くことができますが、砂利が敷かれた坂道なのでお出かけの際は足元にご注意を。

蹴上インクライン:琵琶湖疏水記念館のテラスからは疏水噴水が設置された岡崎疏水や、その奥にある京都市動物園の様子などが見えます

蹴上インクライン:当時の輸送船を復元した「三十石船」がある辺りから、蹴上駅へ向かう道に合流することができます。そのままインクラインを進むと、旧御所水道ポンプ室などへとつながっています
基本情報 | |
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所在地 | 京都市東山区東小物座町339地図 |
アクセス | 地下鉄東西線「蹴上」駅より徒歩約2分 |
時間 | 散策自由 |
休日 | 年中無休 |
料金 | 散策自由 |

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