京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

夏におすすめの涼スポット

東福寺:京都屈指の紅葉の名所。夏には涼やかな緑の風が吹き抜けます

東福寺:京都屈指の紅葉の名所。夏には涼やかな緑の風が吹き抜けます

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

暑い夏に訪れたい清涼で瑞々しいスポットをご紹介します。秋の紅葉とはまた一味違う、緑の眩しい美しさを全身で浴びながら心潤う時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。紅葉の時期よりも静かに楽しめるのも嬉しいポイントです

京都の混雑状況(2022年10月25日現在) ★★★☆☆ 例年並です。 ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。

命を繋ぐ森の清爽な息吹を感じる

下鴨神社:青々と生い茂る木立が広がる鎮守の森

下鴨神社:青々と生い茂る木立が広がる鎮守の森

かもみおやじんじゃ(しもがもじんじゃ) ただすのもり

賀茂御祖神社(下鴨神社) 糺の森

ユネスコ世界文化遺産にも登録されている「糺の森」は、縄文時代から生き続ける広さ36,000坪を誇る街中にある森です。下鴨神社をはじめ国宝2棟、重要文化財53棟、重要社殿30棟などを含むその広大な都市森林は、紀元前3世紀ごろの原生林と同じ植生が今に伝わる貴重なもの。ケヤキ、エノキ、ムクノキなどの広葉樹を中心に、樹齢200~600年の樹木が約600本も自生しています。瀬見の小川や奈良の小川など参道沿いを流れる川のせせらぎは、奈良・平安時代より様々な詩や物語に登場します。源氏物語では光源氏が"憂き世をば 今ぞ別るる とどまらぬ 名をば糺の神にまかせて"と都を離れる際の気持ちを詠んでいます。凛とした空気に包まれる森を抜けて本殿を参拝しましょう。

下鴨神社:下鴨神社の境内にある御手洗池と井上社は、糺の森に流れる小川の源泉。井上社から湧き出る泡が団子の形をしていたことからみたらし団子の発祥ともされ、毎年土用の丑の日には無病息災を祈る足つけ神事「みたらし祭り」が開催されます

提供元:下鴨神社

下鴨神社:下鴨神社の境内にある御手洗池と井上社は、糺の森に流れる小川の源泉。井上社から湧き出る泡が団子の形をしていたことからみたらし団子の発祥ともされ、毎年土用の丑の日には無病息災を祈る足つけ神事「みたらし祭り」が開催されます

下鴨神社:糺の森を抜け鳥居をくぐるとまず見えてくるのが朱色の美しい楼門。日本で5番目に世界文化遺産として登録された下鴨神社の玄関口として、参道からの参拝者を迎えます

提供元:下鴨神社

下鴨神社:糺の森を抜け鳥居をくぐるとまず見えてくるのが朱色の美しい楼門。日本で5番目に世界文化遺産として登録された下鴨神社の玄関口として、参道からの参拝者を迎えます

基本情報
所在地

京都市左京区下鴨泉川町59地図

アクセス

市バス1・4・205号系統「糺ノ森」・「下鴨神社前」より各徒歩約1分

電話番号

075-781-0010

URL

https://www.shimogamo-jinja.or.jp/

時間

月曜日~日曜日 6:30-17:00

休日

年中無休

拝観料

糺の森・境内自由


閑雅な古刹で心潤う時間を

蓮華寺:石川丈山による作庭とも伝わる書院の東側にある池泉鑑賞式庭園

蓮華寺:石川丈山による作庭とも伝わる書院の東側にある池泉鑑賞式庭園

れんげじ

蓮華寺

大原街道沿いにある「蓮華寺」は、寛文2(1662)年に加賀前田家の老臣・今枝近義が、現在の京都駅付近にあった古寺を移築し、祖父である今枝重直の菩提を弔うために創建した寺院です。移築の際には、今枝重直と交流のあった石川丈山、狩野探幽、木下順庵ら当時の著名な文化人たちが協力したと伝わっています。本堂や鐘楼堂、井戸屋形、庭園などは創建当時のまま残されており、趣のあるしとやかな空間を味わうことができます。書院の東側にある池泉鑑賞式庭園は「水字形」と呼ばれ、石川丈山による作庭とも言われています。書院の柱を額に見立てて撮影する構図がおすすめですが、時には緑と水の静かな音に耳をすませ、心穏やかに庭園を楽しんでみるのも良いかもしれません。

蓮華寺:蓮華寺創建の際に黄檗の隠元禅師や木庵禅師の協力もあったことから、参道の梵鐘には萬福寺の二世・木庵性瑫(もくあんしょうとう)の銘があり、萬福寺と同じ形式になっています

蓮華寺:蓮華寺創建の際に黄檗の隠元禅師や木庵禅師の協力もあったことから、参道の梵鐘には萬福寺の二世・木庵性瑫(もくあんしょうとう)の銘があり、萬福寺と同じ形式になっています

蓮華寺:本堂は黄檗宗の様式で建立されており、本堂前には両側に六角形の笠をもつ「蓮華寺形灯籠」が据えられています。(通常は撮影禁止ですが、今回は取材のため特別に許可をいただきました)

蓮華寺:本堂は黄檗宗の様式で建立されており、本堂前には両側に六角形の笠をもつ「蓮華寺形灯籠」が据えられています。(通常は撮影禁止ですが、今回は取材のため特別に許可をいただきました)

基本情報
所在地

京都市左京区上高野八幡町1地図

アクセス

叡山電車「三宅八幡」駅より徒歩約10分、京都バス10・16・17・18・19号系統「上橋」より徒歩約1分

電話番号

075-781-3494

拝観時間

月曜日~日曜日 9:00-17:00 ※年末年始のみ閉門16:00

休日

8月13日、14日、24日

拝観料

400円


青々とした木々が渓谷を満たす大伽藍

東福寺:渓谷 洗玉澗を渡るため1380年に春屋妙葩が架けた橋廊「通天橋(つうてんきょう)」

東福寺:渓谷 洗玉澗を渡るため1380年に春屋妙葩が架けた橋廊「通天橋(つうてんきょう)」

とうふくじ

東福寺

嘉禎2(1236)年創建の臨済宗東福寺派の大本山「東福寺」は、当時の摂政九條道家によって19年の歳月をかけて建立された、京都最大の大伽藍。奈良の東大寺と興福寺から一文字ずつ取り、「東福寺」と名付けられました。国宝に指定されている現存最古の三門や、禅堂などの重要文化財が数多ある中、やはり人気が高いのは渓谷 洗玉澗(せんぎょくかん)から臨む楓景色。洗玉澗を渡るため天授6(1380)年に春屋妙葩が架けた、本堂から開山堂を結ぶ橋廊「通天橋」をはじめ、「臥雲橋(がうんきょう)」・「偃月橋(えんげつきょう)」など3本の橋があり、どの橋からも楓が広がる雄大な光景を楽しむことができます。秋の紅葉が有名ですが、夏の青もみじもそれに並ぶ美しさ。紅葉とは違う瑞々しさはこの時期にしか味わえない涼景です。

東福寺:通天橋を進むと渓谷 洗玉澗へと降りていくことができます。小川が流れる緑の渓谷は、夏にぴったりな清涼空間

東福寺:通天橋を進むと渓谷 洗玉澗へと降りていくことができます。小川が流れる緑の渓谷は、夏にぴったりな清涼空間

東福寺:方丈の東西南北にある四庭をあわせて「八相の庭」と命名された東福寺本坊庭園は、重森三玲作の世界に名高い名庭。写真は小市松模様が美しい北庭です

東福寺:方丈の東西南北にある四庭をあわせて「八相の庭」と命名された東福寺本坊庭園は、重森三玲作の世界に名高い名庭。写真は小市松模様が美しい北庭です

基本情報
所在地

京都市東山区本町15丁目778地図

アクセス

京阪・JR「東福寺」駅より徒歩約10分、市バス58・88・202・207・208号系統「東福寺」より徒歩約4分

電話番号

075-561-0087

URL

https://tofukuji.jp/

拝観時間

月曜日~日曜日 9:00-16:00 ※11月1日~12月第1日曜日まで8:30-16:00、12月第1月曜日~3月31日まで9:00-15:30

休日

毎月第4日曜日

拝観料

「東福寺本坊庭園(方丈)」大人500円、「通天橋・開山堂」大人600円(11/10~11/30は大人1,000円)、「通天橋・方丈共通拝観券」大人1,000円(11/10~11/30を除く)


笹の葉のさざめきが涼を呼ぶ緑のトンネル

竹林の小径:ゆるやかな傾斜やカーブが続く小径は、嵐山屈指の撮影スポット

竹林の小径:ゆるやかな傾斜やカーブが続く小径は、嵐山屈指の撮影スポット

ちくりんのこみち

竹林の小径

手入れされた竹林が道の両脇に続く竹林の道は、ドラマやCMの撮影スポットでおなじみの観光名所。山手の大河内山荘から天龍寺北門、野宮神社の間の約400mにわたって続きます。道の両脇から天に向かって高く伸びる竹が清々しく、涼やかな木陰を作り出しています。夏場はこの小径に入るとひんやりとした空気に包まれ、涼を感じることができます。
どこを切り取っても絵になる小径は格好の撮影スポット。界隈のレンタル着物ショップでお好みの一着に身を包んで、和装で散策・撮影する方も多くいます。サラサラと風に揺れる竹の葉音が涼を誘う緑のトンネルで、思い思いの時間を過ごしてみては。

竹林の小径:晴れた日には、空を覆うほど豊かに茂る葉の間からこぼれるように陽が差し込み、辺り一帯が幻想的な雰囲気に包まれます。

竹林の小径:晴れた日には、空を覆うほど豊かに茂る葉の間からこぼれるように陽が差し込み、辺り一帯が幻想的な雰囲気に包まれます。

竹林の小径:付近にはえんむすびの神様として知られる野宮神社があります。散策途中にぜひ立ち寄ってお参りしましょう

竹林の小径:付近にはえんむすびの神様として知られる野宮神社があります。散策途中にぜひ立ち寄ってお参りしましょう

基本情報
所在地

京都市右京区嵯峨小倉山田淵山町・嵯峨天龍寺芒ノ馬場町地図

アクセス

嵐電「嵐山」駅より徒歩約10分、市バス11・28・93号系統・京都バス62・94号系統ほか「嵐山天龍寺前」より徒歩約10分

時間

散策自由

休日

年中無休

料金

散策自由

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