京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を歩く 更新日:2022.11.17
花街の風情を感じる先斗町さんぽ

先斗町:花街の風情ある「先斗町」は昼でも楽しめる街並みです
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。


京都五花街のひとつに数えられる「先斗町(ぽんとちょう)」は、三条通の一筋南から四条通までの鴨川に沿った南北の細長い通りにあります。べんがら格子の建物が通りの両側に建ちならぶ、京都らしい街並みが味わえるエリアです。
京都の混雑状況(2022年10月25日現在) ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。
太閤の面影を残す大橋

三条大橋:今なお大勢が行き交う「三条大橋」は東海道五十三次の終着点になっています
さんじょうおおはし
三条大橋
東海道五十三次の終着点「三条大橋」は、室町時代前期には簡素ながらもすでに橋が架けられていたそう。天正18(1590)年に豊臣秀吉の命で増田長盛によって改築された日本初の石柱橋で、現在もその面影を残しています。高欄の擬宝珠(ぎぼし)には当時のものがあり、胴の部分には創建当時の様子を示す銘文が刻まれています。また、大正6(1917)年4月27日に三条大橋から東京・上野の不忍池間までの間で行われた「東海道駅伝徒歩競争」が駅伝の始まりで、駅伝発祥の地としても知られます。東詰北側には記念碑も建てられています。鴨川だけでなく、京都と東京をつなぐ架け橋となってきた「三条大橋」。現在は補修・修景が行われており、その歴史を次世代に繋ぐ取り組みがされています。

三条大橋:西から数えて2つ目の擬宝珠の胴には、池田屋騒動時についたといわれる刀傷が残されています。また橋の東詰には「豊臣」の文字が刻まれているなど、擬宝珠をひとつひとつチェックしてみるのも面白いですよ

三条大橋:三条大橋の西詰には「東海道中膝栗毛」の弥次郎兵衛と喜多八の像があります。その足元に源義経で知られる鞍馬山由来とされる「撫で石」があるのでぜひ旅の安全を祈願して撫でてみてください
基本情報 | |
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所在地 | 京都市東山区大橋町地図 |
アクセス | 地下鉄東西線「三条京阪」駅、京阪「三条」駅より各徒歩約1分 |
時間 | 散策自由 |
休日 | 年中無休 |
街を守り育てる歌舞練場

提供元:先斗町歌舞練場
先斗町歌舞練場:明治5(1872)年に創演された京都の春の風物詩「鴨川をどり」
ぽんとちょうかぶれんじょう
先斗町歌舞練場
昭和2(1927)年に竣工した「先斗町歌舞練場」は、大阪松竹座や東京劇場などを手がけ劇場建築の名手といわれた大林組の技師・木村得三郎氏の設計。歌舞練場の屋根には中国の舞楽面を型取った「蘭陵王」の瓦が先斗町の発展を祈念した守り神として据えてあります。「東洋趣味を加味した近代建築」と賞賛され、外観だけでも一見の価値があります。春には鴨川をどり、秋には水明会といった芸妓・舞妓が出演する公演の会場になります。それ以外の時期には芸妓・舞妓の稽古場としてはもちろんのこと、邦楽邦舞の発表会、演奏会、講演会、各種リサイタル、コンサートなどの会場として一般利用をすることもできます。花街の象徴として、先斗町散歩には外せないスポットです。

先斗町歌舞練場:先斗町の通りに面したこの搬入口は、直接舞台に繋がっているそう。六角の窓やタイル、直線的な屋根のラインが独特の雰囲気を醸し出しています

先斗町歌舞練場:鴨川側から見た歌舞練場の外観。右手に舞台と客席、左手にエントランスや待合室がありますが、実は左側の部分は増築され竣工当時とは少し変わっているそう。ひと目でそれとわかる存在感があります
基本情報 | |
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所在地 | 京都市中京区先斗町通三条下ル橋下町130地図 |
アクセス | 地下鉄東西線「三条京阪」駅、京阪「三条」駅より各徒歩約3分 |
電話番号 | 075-221-2025 |
URL | |
休日 | 不定休 |
花街に甘味を添える老舗和菓子店

先斗町駿河屋:代表銘菓の「ひと口わらび」と先斗町のシンボル"千鳥"をモチーフにした「和三盆ちどり」
ぽんとちょうするがや
先斗町駿河屋
明治31(1898)年創業の老舗和菓子店「先斗町駿河屋」には、花街先斗町らしい繊細な和菓子が並びます。代表銘菓の「ひと口わらび」は、貴重な本わらび粉をよく練り、なめらかなこし餡を包んだ逸品。賞味期限が当日と短く、3個入りなど気軽に買える数量から販売されているため、お土産ではなく旅行の合間に、ほっと一息つく際のお供として味わってみては。夕方に売り切れることもあるので、電話予約が確実です。そしてお土産には先斗町のシンボル"千鳥"をモチーフにした5色のお干菓子「和三盆ちどり」がおすすめ。他にもお椀に入れてお湯を注げばおしるこができる「雪ちどり」など、千鳥をかたどった商品が多いので、先斗町散歩の記念にぜひ立ち寄ってほしいお店です。

先斗町駿河屋:素朴で温かみのある店内。先斗町の芸舞妓さんらの名入りうちわが飾られているのが、花街ならでは

先斗町駿河屋:先斗町通と木屋町通を繋ぐ通りの角にあるお店。店頭には千鳥が染め抜かれた暖簾が揺れています
基本情報 | |
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所在地 | 京都市中京区先斗町三条下ル材木町187地図 |
アクセス | 地下鉄東西線「三条京阪」駅、京阪「三条」駅より各徒歩約4分 |
電話番号 | 075-221-5210 |
URL | |
営業日 | 月曜日、木曜日~日曜日 10:00-18:00 |
休業日 | 火曜日~水曜日 |
料金 | 「ひと口わらび」1個260円(税込)、「和三盆ちどり」5個入・1箱 580円(税込) |
珈琲香るカフェで悠揚な時間を

mag:明るい木の家具で統一された温かみのある店内。一杯ずつ丁寧に入れるコーヒーと米粉の手作りケーキが人気
まぐ
mag
今年でオープンから10周年を迎えた「mag」は、今年10月に店長が交代。元々お客さんとして通っていた新しい店長さんがお店を引き継ぎました。京都の「WEEKENDERS COFFEE」の豆を使ったラインナップは店長さんの好みもあって浅煎りが多く、あっさりながらも香り高いコーヒーが楽しめます。「magをきっかけにコーヒーをおいしいものだと思ってもらいたい」と言う新店長。注文が入ってから豆を挽くため、混雑時には提供に時間がかかることも。その待ち時間を楽しめるゆとりある空間こそ、「mag」で過ごす醍醐味と言えるかもしれません。米粉を使った自家製のチーズケーキとガトーショコラは定番の人気メニュー。季節のケーキもぜひ味わってほしいものばかり。何度でも訪れたくなる、穏やかなカフェです。

mag:自家製のチーズケーキと和風のマグカップで供されるコーヒー。1階にはカウンターとテーブル席、2階にはテラス席と座敷席があります

mag:細い路地沿いにあるお店なので、まずはこの路地を見つけるところから。混雑時には記帳しておけば、席が空き次第、電話がかかってくるシステムになっています
基本情報 | |
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所在地 | 京都市中京区木屋町通四条上ル下樵木町191-3地図 |
アクセス | 阪急「京都河原町」駅、京阪「祇園四条」駅より各徒歩約4分、市バス3・4・17・37・58・201・203・207号系統ほか「四条河原町」より徒歩約4分 |
電話番号 | 075-746-4871 |
URL | |
営業日 | 月曜日、木曜日~日曜日 11:00-19:00(18:30LO) |
休業日 | 火曜日~水曜日、不定休 |
料金 | 「チーズケーキ」600円(税込)、「ハンドドリップコーヒー」600円(税込) |

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