京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を歩く 更新日:2023.05.25
涼を感じる京都の奥座敷・貴船エリア

貴船神社奥宮:本宮から800mほど北にある貴船神社創建の地「奥宮」へと続く参道
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。


京の奥座敷「貴船」の涼やかな風が恋しい季節です。貴船川の上に設らえた川床(かわどこ)に降りると、市街地に比べて10℃近く気温が低くなります。緑豊かで神秘的な空気に包まれる貴船エリアで、岩を打つ水音を聞きながらひと時の涼を感じてみてください。
京都の混雑状況(2023年5月9日現在) ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。

京都バス「貴船」からスタートです!
京都バス「貴船」へのアクセス:地下鉄烏丸線「国際会館」駅より京都バスで約25分
モデルコースの所要時間:約3時間30分
ルート
京都バス「貴船」からスタート! |
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徒歩約4分(約320m) |
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徒歩約1分(約50m) |
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徒歩約9分(約850m) |
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徒歩約16分(約1100m) |
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生命をつなぐ水の源を守る地

提供元:貴船神社
貴船神社:本宮へと続く石段を彩る新緑と春日灯篭
きふねじんじゃ
貴船神社
水を司る「高龗神(たかおかみのかみ)」を御祭神とする貴船神社は、京都御所の真北に鎮座し、また貴船川は鴨川の源流にあたることから、古来都の水源を守る場所として朝廷からも厚い信仰を受けてきました。創建時期は不明ですが、約1300年前にはすでに御社殿造替が行われたとの社伝が存在することから、京都の中でも有数の歴史を持つ古社とされます。また、絵馬発祥の地としても知られ、元は実際に馬を奉納していた慣習が簡略化され、馬の絵を書いた板を奉納したのが起源なのだとか。「きふね」は「氣生根」とも記され、御神気に触れることで気が満ちるとされてきました。季節の変わり目や暑さに負けないよう、参拝をしてぜひパワーチャージしましょう。

提供元:貴船神社
貴船神社:本宮は天喜3(1055)年に洪水で流損した奥宮から移されました。現在の本宮は平成の御造営事業により、基礎からすべてを一新し建て替えられたものです

提供元:貴船神社
貴船神社:本宮前の石垣には貴船山の湧水が溢れています。その御神水におみくじを浮かべると文字が浮かびあがってくると人気の「水占みくじ」。乾くと文字が見えなくなるので、濡れている間にしっかり内容を確認しましょう
基本情報 | |
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所在地 | 京都市左京区鞍馬貴船町180地図 |
アクセス | 京都バス「貴船」より徒歩約5分 |
電話番号 | 075-741-2016 |
URL | |
時間 | 月曜日~日曜日 6:00-20:00 ※【12/1~4/30】6:00-18:00 |
休業日 | 年中無休 |
料金 | 参拝自由、水みくじ200円 |
涼味溢れる川床料理でおもてなし

提供元:貴船 喜らく
貴船 喜らく:貴船神社の目の前に店を構える「貴船 喜らく」の川床
きふね きらく
貴船 喜らく
貴船神社本宮の門前に店を構える「貴船 喜らく」は、大正10(1921)年に「九谷屋」という鞍馬寺・貴船神社の行者さん達の旅籠として創業。鮎や鯉、鰻といった川魚を使った料理が中心で、当地ならではの涼味が楽しめます。例年5月~9月に開かれる納涼川床では、貴船川のせせらぎの上に約100席が設えられます。納涼川床料理は、清流に泳ぐ淡白な川伏魚(ごり)を貴船に昔から伝わる方法で醤油と砂糖で甘辛く炊いた飴煮をはじめ、食べる直前に揚げるアマゴの天ぷらや貴船の水で泳がせた鮎の塩焼きなど、川魚生簀(いけす)料理が存分に味わえる内容ながら、ランチなら1万円以下のリーズナブルな価格で川床体験をすることができます。貴船の素朴さと京料理の繊細さを、川床の涼感とともに満喫してみてください。

提供元:貴船 喜らく
貴船 喜らく:松茸の香りにハモのあっさりとした味が合う喜らくの夏の名物「鱧しゃぶ」がメインの会席。素材の旨みが溶け込んだ昆布ダシで味わうシメの雑炊は格別です

提供元:貴船 喜らく
貴船 喜らく:店頭では貴船近郊で採れた山菜を中心とした、喜らく自家製の佃煮を購入することも可能。お土産にピッタリです
基本情報 | |
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所在地 | 京都市左京区鞍馬貴船町47地図 |
アクセス | 京都バス「貴船」より徒歩約5分 |
電話番号 | 075-741-2037 |
URL | |
営業日 | 月曜日~日曜日 11:00-21:30 |
休業日 | 無休 |
料金 | 「納涼川床料理」9,680円(税込)※お昼のみ予約可、7・8月は平日お昼のみ予約可、「鱧しゃぶ会席」17,600円(税込) |
貴船はここから始まった

貴船神社奥宮:本宮から800mほど北にある貴船神社創建の地「奥宮」へと続く神門
きふねじんじゃ おくのみや
貴船神社 奥宮
貴船神社には、本宮・結社・奥宮の三社があり、それらを参拝することを「三社詣」といいます。本宮から800mほど北にある「奥宮」は、貴船神社創建の地。約1600年前に初代神武天皇の皇母である玉依姫命が現在の大阪湾から船に乗り、淀川、鴨川、貴船川を遡り、この地で清水の湧き出る「霊境吹井(れいきょうふきい)」を見つけ祠を建てたのが貴船神社の起源と伝えられています。また本殿の真下には「龍穴(りゅうけつ)」と呼ばれる大きな穴が空いているとされ、日本三大龍穴のひとつに数えられています。龍穴は人目を忌むべき神聖なものとして、誰も見ることが許されていません。森に囲まれた清浄の地で、清涼な空気を浴びながら心静かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

貴船神社奥宮:神門をくぐるとすぐ左側にある、杉と楓が和合したとても珍しい御神木「連理の杉」は、大正期に貞明皇后が参拝した際に賞賛したと書かれています

提供元:貴船神社
貴船神社奥宮:本殿横に祀られている「御船形石」は、貴船神社の起源となった玉依姫命が乗った黃船が、人目に触れぬように石で包み囲んだものと伝えられ、「航海する時、この小石を戴き携帯すれば海上安全」といわれます
基本情報 | |
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所在地 | 京都市左京区鞍馬貴船町地図 |
アクセス | 京都バス「貴船」より徒歩約18分 |
電話番号 | 075-741-2016 |
URL | |
時間 | 境内自由 |
休日 | 年中無休 |
料金 | 参拝自由 |
貴船の伏流水が生んだ美と癒し

貴船コスメティックス&ギャラリー:人気の4種類のテーマにそった香りを楽しめるリードディフューザー
きふねこすめてぃっくすあんどぎゃらりー
貴船コスメティックス&ギャラリー
「貴船コスメティックス&ギャラリー」は、1868 年まで貴船神社の社家を務めてきた鳥居家が営む料理旅館「右源太」がプロデュースする「KIFUNE COSMETICS」の基幹店です。「KIFUNE COSMETICS」は、宿のエステサービスのため「満月の夜に汲んだ貴船の水」を使用して考案した化粧品がそのルーツ。2018年には鞍馬・貴船の植物と水で蒸留したアロマオイルを使用したブランド「鞍馬REIKI」が登場しました。4種類のテーマにそった香りを楽しめるリードディフューザーの中でも、「Inspiration ひらめき」を表す黒ラベルの芳醇なカフェイン系の香りが特に人気を集めているそう。お土産には個包装された「貴船石鹸」がおすすめです。

貴船コスメティックス&ギャラリー: 店内にはオーナーがセレクトした約50人のクラフト作家らによる作品が展示販売されているほか、窓際にはカフェスペースも併設されています

貴船コスメティックス&ギャラリー: 店舗は200年前に建てられた庄屋を移築した趣のある建物。高い天井と大きな木の梁に静かな温かみを感じます
基本情報 | |
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所在地 | 京都市左京区鞍馬貴船町27地図 |
アクセス | 京都バス「貴船」より徒歩約3分 |
電話番号 | 075-741-1117 |
URL | |
営業日 | 月曜日~日曜日 11:00-17:00 |
休業日 | 年中無休 |
料金 | 「鞍馬REIKIリードディフューザー」1,980円(税込)、「貴船石鹸」495円(税込) |

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