京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を歩く 更新日:2023.09.21
京の台所・錦市場商店街を巡る

© 京都錦市場商店街
錦市場商店街:京都市内の中心部に位置する商店街。江戸時代の絵師・伊藤若冲ゆかりの場所であり、若冲の作品が描かれたタペストリーやシャッターが点在します
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。


「京の台所」として知られ、400年もの歴史を持つ錦市場。質の良い地下水に恵まれ、平安時代にはすでにこのあたりに市が立っていたとも伝わります。現在120軒以上もの店舗が立ち並ぶ全長390mの錦市場で体験できる、京の味と文化をご紹介します。
京都の混雑状況(2023年8月31日現在) ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。
お客さんへの「熱い」思いを継ぐ鍋焼きうどん

冨美家 錦店:60年以上愛される名物の鍋焼きうどん「冨美家鍋」
ふみや にしきてん
冨美家 錦店
名物の鍋焼きうどん「冨美家鍋」で知られる「冨美家」ですが、昭和21(1946)年の創業時はあんみつなどを供する甘味処でした。その名残は、2010年に第一工場跡地にオープンした「お食事処冨美家(現在の冨美家 本店)」で感じることができます。創業の地である錦店では、九条ねぎや丹波鶏、白みそなどを使った京都らしいうどんなどの食事メニューが楽しめます。60年以上愛される「冨美家鍋」はアツアツの鍋焼きうどんで、季節を問わず常に1番人気のメニューなのだそう。素材は全て自社で製造加工されており、昔ながらの味が守られています。鶏天などのトッピングは単品で注文可能なので、ぜひお好みの具材を追加してみてください。

提供元:冨美家
冨美家 錦店:落ち着いた店内は、新しいながらもどこか懐かしい雰囲気。2階はよりゆったりとしたテーブル席になっています。ランチタイムは混み合うので、時間に余裕をもって訪れるのがオススメです

提供元:冨美家
冨美家 錦店:2018年にバームクーヘン専門店から、うどん店として再オープンした錦店。現在は本店と交互にオープンしているので、錦店が閉まっている時はすぐ近くにある本店を訪れてみてください
基本情報 | |
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所在地 | 京都市中京区錦小路通堺町西入中魚屋町493地図 |
アクセス | 地下鉄烏丸線「四条」駅・阪急「烏丸」駅より各徒歩約5分 |
電話番号 | 075-221-0354 |
URL | |
営業日 | 木曜日~月曜日 11:00-17:30LO |
休業日 | 火曜日~水曜日、年末年始(1月1、2日休み) |
料金 | 「冨美家鍋」880円(税込) |
ほんものと独創性が生み出す味わい

京こんぶ 千波:創作佃煮や汐吹昆布など常時100種類以上の商品が店頭に並びます
きょうこんぶ ちなみ
京こんぶ 千波
昆布と佃煮の専門店「京こんぶ千波」は、唯一無二の創作佃煮と出会えるお店です。元は昆布など乾物のみの取り扱いでしたが、2代目が看板商品のかつお梅と塩昆布を使った「おやじなかせ」を発案。以来増え続けるオリジナル佃煮など、店頭には100種類以上もの商品が並びます。ゴマ油が香る中華風ピリ辛佃煮「ラー油きくらげ」や、山椒をたっぷり使った人気第2位の「吹き寄せ茶漬け」などの定番商品の他に、芳しい香りで贅沢な「松茸昆布」など季節限定の商品も。これらの佃煮は冷やっこやラーメンにはもちろんのこと、パンにのせてもあうのだそう。また、汐吹昆布シリーズは、お刺身と一緒に食べるのがツウな味わい方。お酒とのペアリングやポン酢などの調味料のちょい足しなど、ぜひお好みの組み合わせを見つけてください。

京こんぶ 千波:親父も泣くほど美味しいから「おやじなかせ」。この個性的な名前には、2代目がユニークな創作佃煮を生み出した際に、初代が「なんというものを作ってくれた…。」と新しい時代と世代交代を感じて涙を流したという由来があるそうです

京こんぶ 千波:店頭で味見ができる商品もあるので、気になるものはぜひひと口お試しを。それ以外の商品でも、気になるものは質問すると詳しく教えてもらえます。オープン直後から午前中が比較的ゆったりしているそう
基本情報 | |
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所在地 | 京都市中京区錦小路柳馬場西入る中魚屋町483-2地図 |
アクセス | 地下鉄烏丸線「四条」駅・阪急「烏丸」駅より各徒歩約5分 |
電話番号 | 075-241-3935 |
URL | |
営業日 | 月曜日~日曜日 9:00-18:00 |
休業日 | 1月1日~2日 |
料金 | 「おやじなかせ 90g」500円(税込)、「吹き寄せ茶漬け 90g」550円(税込) |
錦市場の歴史を知るゆばの名店

湯波吉:錦市場で唯一のゆば製造販売店では、生ゆばをその場で味わうことができます
ゆばきち
湯波吉
江戸時代の寛政2(1790)年創業の「湯波吉」は、錦市場で唯一のゆば製造販売店。店内奥には、湯葉を作る平たい銅製の鍋がずらっと並ぶ製造所があり、昔ながらの手作り製法が受け継がれています。国産大豆と錦の地下水だけを使って作られるゆばは、「生ゆば」と「乾燥ゆば」の2種類があります。賞味期限の短い生ゆばは、京都に来たからこそ味わえる贅沢な逸品。お土産やおもたせにぴったりな「乾燥ゆば」は、「結びゆば」や「よせ巻ゆば」など美しく形が整えられたものの他に、端切れを集めた「徳用ゆば」も常連さんに人気だそう。230年余の歴史に裏打ちされた京の味。錦市場散歩で外せない一軒です。

湯波吉:「とゆゆばチップス」や、和菓子店の「鳴海屋」とコラボレーションして作られた「おからのあられ」など、素朴な味わいや軽やかさが癖になる、食べだすと止まらないヘルシーなお菓子も揃います

湯波吉:店頭の冷蔵ショーケースに生ゆば、店内右手に箱詰めの乾燥ゆばなどが陳列されています。生ゆばは、奥のイートインスペースで食べることもできます
基本情報 | |
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所在地 | 京都市中京区錦小路通御幸町西入鍛冶屋町213地図 |
アクセス | 阪急「河原町」駅より徒歩約3分 |
電話番号 | 075-221-1372 |
URL | |
営業日 | 月曜日~土曜日 9:00-18:00 |
休業日 | 第4水曜日、日曜日 |
料金 | 「つまみゆば(小)」464円(税込)、「徳用ゆば(60g)」540円(税込) |
人の手で造り出す熟成の旨味

錦・高倉屋:店先には、手作りで仕上げられた吉野杉の木樽に名物のぬか漬けが漬けられています
にしき・たかくらや
錦・高倉屋
錦市場の東端にある京漬物専門店「錦・高倉屋」の店先には、手作りで仕上げられた吉野杉の木樽が並びます。樽に直接漬けるぬか漬けは、木の通気性が発酵を促し、木香が漬物の旨味を深くするそう。昔ながらの製法で作られる高倉屋の漬物は、同じ素材でも毎年味が少しずつ変化するのも手作りならでは。ぬか漬けの中でも、オススメは胡瓜の古漬。炊き立てご飯や日本酒との相性は最高。酸味が強いので薄く切って、水でさらしながら味をみて、ギュッとしぼって水気を切って土生姜やお醤油をつけて食べてみてください。また、京野菜の浅漬けや、定番のしば漬けは常に人気があるそうです。職人技で育てる旬の野菜を使った京漬物で、日々の食卓を彩ってみてはいかがでしょうか。

錦・高倉屋:漬物の名称がかかれた提灯と杉樽が目印。店頭で味見ができる商品もあるので、店員さんに気軽に声をかけてみてください

錦・高倉屋:「錦・高倉屋」の隣には、系列店の立ち飲み屋「立ち呑み 賀花」と、朝6時から営業している食堂「高倉屋商店」があります。どちらも高倉屋の漬物を味わうことができます ※「高倉屋商店」は月曜定休
基本情報 | |
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所在地 | 京都市中京区東大文字町289-2地図 |
アクセス | 阪急「河原町」駅より徒歩約2分 |
電話番号 | 075-256-3123 |
URL | |
営業日 | 月曜日~日曜日 10:00-17:30 |
休業日 | 年末年始 |
料金 | 「古漬胡瓜ヌカ漬(2本)」540円(税込) |

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