京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

2024年は辰年、東山の龍を巡る

建仁寺:海北友松による五十面の襖絵の一つ「雲龍図襖」

提供元:建仁寺

建仁寺:海北友松による五十面の襖絵の一つ「雲龍図襖」

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

方角を司る四神のうち“東”を鎮守する青龍。太陽が昇る方角でもある東は「誕生」「始まり」などを意味し、辰年は大きな変化が起きることが多いとも言われています。辰年となる2024年は、東山で新年の安寧を祈る「龍を巡る旅」でスタートを切ってみてはいかがでしょうか。

京都の混雑状況(2023年10月26日現在) ★★★★☆例年よりも混雑しています。 ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。

市バス「祇園」からスタートです!

市バス「祇園」へのアクセス:「京都」駅より市バスで約17分
モデルコースの所要時間:3時間

ルート

市バス「祇園」からスタート!

徒歩すぐ(約90m)

1

「八坂神社」

徒歩約5分(約400m)

2

「永楽屋 細辻伊兵衛商店 祇園店」

徒歩約7分(約500m)

3

「建仁寺」

徒歩約16分(約950m)

4

「清水寺」

龍の棲まう古社で新しい年を迎える

八坂神社:本殿の下には大きな池があり、青龍が棲んでいると言われる。気の集まる龍穴としても有名

提供元:八坂神社

八坂神社:本殿の下には大きな池があり、青龍が棲んでいると言われる。気の集まる龍穴としても有名

やさかじんじゃ

八坂神社

平安遷都以前より鎮座する京都を代表する古社「八坂神社」は、都の疫病除けの神社として信仰されてきました。承応3 (1654)年に再建された本殿の下には、大きな池があり青龍が棲んでいると言われています。「気」が集まる龍穴としても知られており、龍と縁の深い神社でもあります。大地の気が溢れる清水で洗い清めた「青龍石」を授与してもらうこともでき、 身近に持つと「御力」がいただけるほか、 自宅の神棚か東の方角にお祀りすると「福」を招くそう。また、本殿には八岐大蛇退治などで有名な素戔嗚尊(すさのをのみこと)、その妻である櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)などが祀られ、厄除・災難除をはじめ様々なご利益があるとされています。辰年の平安を祈願してはいかがでしょうか。

八坂神社:表参道は、正保3年(1646)に建立された「石鳥居」と奥に南楼門が見える境内の南側です。初詣に訪れる際は、ぜひ正門であるこちらからお参りしましょう

提供元:八坂神社

八坂神社:表参道は、正保3年(1646)に建立された「石鳥居」と奥に南楼門が見える境内の南側です。初詣に訪れる際は、ぜひ正門であるこちらからお参りしましょう

八坂神社:本殿下の池(龍穴)の影響か、境内各所で地下水が湧き出ています。末社の大神宮社と美御前社の前に社が設けられ、地元では気を得られる「力水」と呼ばれます。美御前社のご神水は「美容水」とも呼ばれ、1~2滴顔につけると美人になれると舞妓さんたちにも親しまれています

提供元:八坂神社

八坂神社:本殿下の池(龍穴)の影響か、境内各所で地下水が湧き出ています。末社の大神宮社と美御前社の前に社が設けられ、地元では気を得られる「力水」と呼ばれます。美御前社のご神水は「美容水」とも呼ばれ、1~2滴顔につけると美人になれると舞妓さんたちにも親しまれています

基本情報
所在地

京都市東山区祇園町北側625地図

アクセス

市バス46・201・206号系統ほか「祗園」より徒歩すぐ、京阪「祇園四条」駅より徒歩約5分

電話番号

075-561-6155

URL

https://www.yasaka-jinja.or.jp/

時間

境内自由

休日

年中無休

料金

参拝自由、「青龍石」初穂料1,000円


次の
見所
「永楽屋 細辻伊兵衛商店 祇園店」まで徒歩約5分(約400m)
「永楽屋 細辻伊兵衛商店 祇園店」まで徒歩約5分(約400m)

提供元:八坂神社

四条通の正面にある「西楼門」は、1497年に再建された境内最古の建造物。門を抜けた先にある狛犬の台座には、龍を含めた四神が描かれているのでお見逃しなく


暮らしに彩りを与える一枚の手ぬぐい

永楽屋 細辻伊兵衛商店:店内には干支柄の他にも、龍をモチーフにデザインされた手ぬぐいが多数並びます

永楽屋 細辻伊兵衛商店:店内には干支柄の他にも、龍をモチーフにデザインされた手ぬぐいが多数並びます

えいらくや ほそつじいへえしょうてん ぎおんてん

永楽屋 細辻伊兵衛商店 祇園店

元和元年(1615)創業の老舗手ぬぐい専門店「永楽屋」。歴代の当主「細辻伊兵衛」が発表する手ぬぐいは、400年続く歴史の中で、それぞれの時代を映すものになっています。毎年秋ごろに発表される干支手ぬぐいは、縦型と横型の2種類。縦型は墨絵シリーズで、2024年の「墨絵辰」は雲間に姿を現す迫力のあるデザインに。横型は毎年「裂取」と呼ばれる手法を使ったパッチワークのようなデザインで、ベースカラーの赤が印象的。辰の模様には松・竹・梅のおめでたい柄が使われており、お正月にぴったりな仕上がりになっています。手ぬぐいとしてはもちろん、オリジナルのタペストリー棒を活用したり、額に入れたりして、インテリアとして飾るのもおすすめです。

永楽屋 細辻伊兵衛商店:店内には手ぬぐいだけでなく、結ぶとバッグになる大風呂敷なども販売されています。南座のはす向かいにある祇園店。1階奥には「市川團十郎白猿コラボショップ」が併設され、写真なども展示されています

永楽屋 細辻伊兵衛商店:店内には手ぬぐいだけでなく、結ぶとバッグになる大風呂敷なども販売されています。南座のはす向かいにある祇園店。1階奥には「市川團十郎白猿コラボショップ」が併設され、写真なども展示されています

永楽屋 細辻伊兵衛商店:「永楽通宝」が描かれた暖簾が目印。貨幣の永楽通宝と永楽屋の商品がどちらも均一に質が良く美しいということから、織田信長公より「永楽屋」という屋号を与えられたと伝わります

永楽屋 細辻伊兵衛商店:「永楽通宝」が描かれた暖簾が目印。貨幣の永楽通宝と永楽屋の商品がどちらも均一に質が良く美しいということから、織田信長公より「永楽屋」という屋号を与えられたと伝わります

基本情報
所在地

京都市東山区四条通大和大路東入祇園町北側242地図

アクセス

京阪「祇園四条」駅より徒歩約1分

電話番号

075-532-1125

URL

https://www.eirakuya.jp/

営業日

月曜日~日曜日 11:00-22:00

休業日

年中無休

料金

「手ぬぐい 干支辰」2,420円(税込)~


次の
見所
「建仁寺」まで徒歩約7分(約500m)
「建仁寺」まで徒歩約7分(約500m)

永楽屋 細辻伊兵衛商店 祇園店の2階には「ほそつじいへえ Tea House」が併設されています。東山散歩の途中に、厚みのあるパンケーキとムレスナティーでほっと一息つけます


禅の教えを双龍が守る寺

建仁寺:創建800年を記念して小泉淳作画伯が約2年の歳月をかけて描いた法堂の天井画「双龍図」

提供元:建仁寺

建仁寺:創建800年を記念して小泉淳作画伯が約2年の歳月をかけて描いた法堂の天井画「双龍図」

けんにんじ

建仁寺

京都最古の禅寺である「建仁寺」は、建仁2(1202)年に創建されたことからその名がつけられました。法堂の天井画「双龍図」は、創建800年を記念して小泉淳作画伯が約2年の歳月をかけて描いたもの。畳108畳分にも及ぶ大作は、訪れる人を圧倒します。水神として寺院を火から守護し、仏法の教えを雨のように降らすとして法堂の天井に描かれることの多い雲龍図。龍が描かれる際には、その格の高さによって爪の本数が変わります。こちらの双龍頭は、一番格上の五本爪を持ち、かつ龍の尾と足がすべて描かれているとても珍しいものなので、ぜひ細かな部分にも注目してみてください。写真を撮ることができるので、スマホの待ち受けにいかがでしょうか。

建仁寺:元々は方丈に招かれたお客様が最初に通される「礼の間」の襖に描かれていた「雲龍図」。絵師・海北友松による五十面の襖絵の一つで、現在は8幅の表具仕立てで複製されたものを、直接見ることができます

提供元:建仁寺

建仁寺:元々は方丈に招かれたお客様が最初に通される「礼の間」の襖に描かれていた「雲龍図」。絵師・海北友松による五十面の襖絵の一つで、現在は8幅の表具仕立てで複製されたものを、直接見ることができます

建仁寺:禅宗の四大思想(地水火風)を表現したものと言われる「○△□乃庭」は、作庭家・北山安夫が手掛けたもの。同じく北山安夫作庭の「潮音庭」と、加藤熊吉により作庭された「大雄苑」とあわせ、方丈の3つの庭園は必見です

提供元:建仁寺

建仁寺:禅宗の四大思想(地水火風)を表現したものと言われる「○△□乃庭」は、作庭家・北山安夫が手掛けたもの。同じく北山安夫作庭の「潮音庭」と、加藤熊吉により作庭された「大雄苑」とあわせ、方丈の3つの庭園は必見です

基本情報
所在地

京都市東山区大和大路通四条下る小松町地図

アクセス

京阪「祇園四条」駅より徒歩約7分、市バス58・80・86・202・206・207号系統「東山安井」より徒歩約5分

電話番号

075-561-6363

URL

https://www.kenninji.jp/

時間

月曜日~日曜日 10:00-17:00

休日

年中行事による拝観時間の変更あり

料金

拝観料 一般600円、中高生300円、小学生200円 ※小学生未満は無料


次の
見所
「清水寺」まで徒歩約16分(約950m)
「清水寺」まで徒歩約16分(約950m)

建仁寺塔頭・霊源院のあたりから八坂通を進むと、テレビや映画で見た「京都らしい」風景が見えてきます。カフェやお土産屋さんに立ち寄りながら、次のスポットへと向かいましょう


東山を守護する龍が御座す寺

清水寺:高さ約30mの国内最大級を誇る三重塔。南東の鬼瓦が龍になっている

提供元:清水寺

清水寺:高さ約30mの国内最大級を誇る三重塔。南東の鬼瓦が龍になっている

きよみずでら

清水寺

清流が湧き出る音羽山に開創された「清水寺」。言わずと知れた京都の名所ですが、「観音さまの化身である龍が音羽の瀧に夜ごと飛来して水を飲む」という伝承があるように、龍とゆかりが深い場所。鎮守社「地主神社」の拝殿には狩野元信よって描かれた丸龍が、夜ごと天井を抜け出し音羽の瀧の水を飲むため、龍の目に釘を打ちつけたという伝説も(※現在は社殿の修復工事中)。また、三重塔の東南の角には、鬼瓦が龍になっている部分があります。京都の西北ある愛宕山には火伏の神が鎮座していることから、その反対側に位置する音羽山に水神である龍を置くことで火除け守りにしたとか。辰年の2024年にぜひ参拝したい、龍伝説が残る古刹です。

清水寺:3本に分かれた「音羽の瀧」は、清水寺の開創の起源であり寺名の由来となった瀧です。「金色水」や「延命水」と呼ばれ、水を一口飲むことで、心身を清め、願いが叶うとも伝わります

提供元:清水寺

清水寺:3本に分かれた「音羽の瀧」は、清水寺の開創の起源であり寺名の由来となった瀧です。「金色水」や「延命水」と呼ばれ、水を一口飲むことで、心身を清め、願いが叶うとも伝わります

清水寺:例年3月15日・4月3日・9月15日に行われる「青龍会」は、長さ18メートルの青龍を先頭に、荘厳な装束に身を包んだ会衆が地域守護と除災を祈願して境内と門前町を練り歩きます

提供元:清水寺

清水寺:例年3月15日・4月3日・9月15日に行われる「青龍会」は、長さ18メートルの青龍を先頭に、荘厳な装束に身を包んだ会衆が地域守護と除災を祈願して境内と門前町を練り歩きます

基本情報
所在地

京都市東山区清水1丁目294地図

アクセス

市バス80・86・202・206・207号系統ほか「五条坂」・「清水道」より各徒歩約15分

電話番号

075-551-1234

URL

https://www.kiyomizudera.or.jp/

時間

月曜日~日曜日 6:00-18:00 ※季節により変動あり

休日

年中無休

料金

拝観料 一般400円


お疲れ様でした

お疲れ様でした

清水坂を下り二年坂を進むと、ねねの道へと続きます。豊臣秀吉の妻、ねねが晩年の19年間を過ごした圓徳院には、赤松燎画伯の遺作となる襖絵「白龍」が納められています


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