京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を遊ぶ 更新日:2024.01.11
きらめく螺鈿蒔絵体験
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。
貝殻の内側・真珠層が生み出す七色の輝きを漆器に施す「螺鈿」は、奈良時代より続く伝統技法。今回はこの技法に触れることができる貴重な体験スポットをご紹介します。伝統産業が息づく西陣エリアで、作品を創作する時間を満喫してください。
京都の混雑状況(2023年11月30日現在) ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。
きょうのてづくりたいけん
京の手創り体験
地域観光情報研究社が運営する「京の手創り体験」は、1998年に修学旅行生向けにスタートした体験施設。漆器に模様をつける「漆器加飾」には色付き漆で描く色絵や、金粉で表現する蒔絵・沈金、本金箔を使った箔押し、そして今回紹介する貝殻素材を使った螺鈿などの種類があります。他にも和本づくりや金彩友禅など、京都の様々な伝統工芸の技術を気軽に体験することができます。京扇子以外は全て当日に持ち帰ることができるので、お土産や贈り物にもピッタリ。ぜひ時間にゆとりを持って、伝統工芸の技術をじっくりと体験してみてはいかがでしょうか。
【漆器加飾(螺鈿蒔絵)Bコース】※当日3時間前までに要予約 | |
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料金 | 3,800円 |
所要時間 | 約90分~ ※所要時間は目安です |
定員 | 1名~6名 |
京の手創り体験 | |
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所在地 | 京都市上京区堅門前町414 西陣産業会館(西陣織会館西館)101号室地図 |
アクセス | 地下鉄烏丸線「今出川」駅から徒歩約10分、市バス9・12・51・59・101・102・201・203号系統ほか「堀川今出川」より徒歩約1分 |
電話番号 | 075-415-5777 |
URL | |
時間 | 月曜日~金曜日 9:00-17:00 ※10:00-15:00申込受付可能 |
休業日 | 土曜日、日曜日、祝日 |
料金 | 「漆器加飾(螺鈿蒔絵)Bコース」3,800円(税込) |
絵柄を選ぶ
まずはどんな絵柄にするか決めましょう。用意された様々な絵柄から選択することも可能ですが、描きたいものを事前に考えて下絵を持参する方も多いそうです。
下絵を描く
絵柄が決まったら、チャコペーパーを使って漆器に下絵を描きます。Aコース(3,300円)では丸絵皿やコンパクト鏡など小さめのもの、Bコース(3,800円)はアクセサリーボックスやペンスタンドなど大きめの漆器を選ぶことができます。
螺鈿部分を切り取る
螺鈿にしたい絵柄を選び、その絵柄に沿って貝殻の内側を加工して作られた板状の素材をカットしていきます。一気に切るのではなく、少しずつ深く傷をつけていくイメージです。ここが仕上がりの良し悪しに繋がるので、丁寧に行うのがポイントです。
漆を塗り貼り付ける
切り取った螺鈿部分の裏側に漆を塗り、漆器に貼り付けます。端が浮き上がらないように、まんべんなく漆を塗っていきましょう。貼り付ける際も、目線の高さで浮き上がりがないかチェックしながら進めます。
蒔絵部分に漆を塗る
蒔絵部分の縁取りや、細かい柄に筆で漆をのせていきます。この漆を塗った部分が金色の模様「蒔絵」になります。漆をつけた筆先を細くしてから使うと繊細に作業ができます。時間をかけすぎると漆が固まってしまうのでなるべく素早く行いましょう。
金粉をまぶす
粉筒を使って、模様部分全体に金粉をまぶしていきます。粉筒に金粉を詰めすぎると出づらいのでほどほどに。先端部分を軽く爪でトントンと叩くのがコツだそうです。
漆を固める
金粉をまぶしたあとは20~30分ほど漆を固めます。隣に「西陣織会館」があるので、この時間を利用して見学やお買い物をしてみてはいかがでしょうか。近くに喫茶店もあるので、温かい飲み物で休憩もできますよ。
金粉をハケではらう
漆が固まったら金粉をハケではらいます。隙間なく金粉をまぶしているので優しく、かつしっかりと不要な部分を落としていきましょう。
拭きあげて綺麗に整える
螺鈿部分や模様のないところに残った金粉を、濡れ布巾と乾いた布巾で交互に拭きます。最後に綿棒で細かな汚れを取り除いて、綺麗に整えます。
完成
拭き取りが終われば完成です。螺鈿部分は光の加減で雰囲気が変化するので、天気がよければぜひ太陽のもとで写真を撮ってみてください。
自分の好みの絵柄を螺鈿で型どることができ、愛着のある作品になりました。型抜きや漆で線をなぞる作業など繊細な工程が多く、一つひとつの作業に気持ちを込めることができるので、大切な人へのプレゼントにもおすすめです。/写真は代表の物部 展国さんと
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