京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を歩く 更新日:2024.03.21
花咲く春の白川沿い散歩

白川筋:フォトスポットとして人気の高い知恩院近くの白川筋は春には桜、夏には青々とした柳など四季折々の景色が楽しめます
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。


白川は東山北部の谷を源流とする延長7.3kmに及ぶ河川。今回はその中でも岡崎疎水から鴨川へと流れ込む下流の白川沿いをお散歩します。風情ある京都らしい景色を楽しみながら、周辺スポットへと立ち寄ってみてください。
京都の混雑状況(2024年2月29日現在) ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。
皇室ゆかりの静かな境内に格調高く花開く

提供元:青蓮院門跡
青蓮院門跡:「華頂殿」にある「蓮の襖絵」は木村英輝氏による奉納で、いつでも華やかな様相で迎えてくれます
しょうれんいんもんぜき
青蓮院門跡
江戸時代には仮御所としても使用されたことから「粟田御所」とも呼ばれる「青蓮院門跡」は、天台宗の京都五箇室門跡の一つに数えられる格式高い寺院。そもそも門跡寺院とは、門主(住職)が皇室や摂関家によって受け継がれてきたお寺のことで、皇室にゆかりの深い寺院でもあります。
主庭は室町時代の相阿弥の作と伝えられる池泉回遊式庭園。そして、客殿である「華頂殿」の東面には、江戸時代の小堀遠州作と伝えられる「霧島の庭」があり、5月上旬には霧島つつじが真っ赤に咲く姿が楽しめます。「華頂殿」には木村英輝氏による蓮の襖絵が60面奉納されており、いつでも華やかな様相で迎えてくれます。また、門前には親鸞聖人お手植えと伝わる楠の銘大木(京都市の天然記念物)があり、見どころは尽きません。

提供元:青蓮院門跡
青蓮院門跡:主庭である「相阿弥作の庭」は、龍心池を中心として、滝口から東側にかけて築山が設けられている築山泉水庭でもあります。柔らかな水音のBGMが心を癒してくれます

提供元:青蓮院門跡
青蓮院門跡: 本堂の北側に建つ「小御所」は、仮御所の際には上皇も使用されたと伝わる建物です。しかし明治期に焼失し、現在は江戸中期の建物が移築されています。四季折々に美しい東山の自然と庭園を一望することができます
基本情報 | |
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所在地 | 京都市東山区粟田口三条坊町地図 |
アクセス | 地下鉄東西線「東山」駅より徒歩約5分、市バス5・46・100系統「神宮道」より徒歩約3分 |
電話番号 | 075-561-2345 |
URL | |
時間 | 月曜日~日曜日 9:00-17:00(16:30受付終了) |
休日 | 年中無休 |
拝観料 | 大人600円 |
変えないを守り続ける頑固なものづくり

一澤信三郎帆布:牛乳配達袋から派生した「168中」(写真左)と、持ち手と本体の異なる色あいが楽しめる「H-13」(写真右)
いちざわしんざぶろうはんぷ
一澤信三郎帆布
その丁寧な仕立てと飽きのこないデザインが人気の帆布かばん店「一澤信三郎帆布」は、来年2025年に創業120周年を迎えます。元々は「大工袋」や「牛乳配達袋」など職人が使う道具袋を作り始め、現代の生活にあわせたものへとゆるやかに発展。すべてが専属の職人による手作りという、創業当時のものづくりが引き継がれており、購入時にボタンなどのちょっとしたカスタマイズ加工に対応してもらえることも。何年も使い続けることができる頑丈な造りですが、天然素材ならではの経年劣化は修繕も可能です。同じ形でもサイズやカラーのバリエーションが豊富なので、自分好みの一品を見つける楽しみが味わえます。

一澤信三郎帆布:1階には綿帆布や柄もの、トートバッグなどのお土産や日常使いにおすすめなかばんが並んでいます。2階には麻帆布や、職人袋の名残を残した個性あるラインアップが揃います

一澤信三郎帆布:帆布製のかばん専門店なので、暖簾や外壁には布に包むと書いて“かばん”という文字が記されています。「京都で作って、京都で売る」というモットーのもと、お店のすぐそばに工房があり、一部外から見学できます
基本情報 | |
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所在地 | 京都市東山区東大路通古門前上ル高畑町602地図 |
アクセス | 地下鉄東西線「東山」駅より徒歩約5分、市バス12・31・46・86・201・202・203・206号系統「知恩院前」より徒歩約2分 |
電話番号 | 075-541-0436 |
URL | |
時間 | 月曜日、水曜日~日曜日 10:00~18:00 |
休日 | 火曜日(季節により無休) |
料金 | 「168中」15,400円(税込)、「H-13」6,050円(税込)など |
京の風情と芸能を受け継ぐ祇園の地

祇園 白川:洗練された茶屋建築が建ち並ぶ新橋・巽橋周辺は、石畳の道と白川に沿って柳がゆれる美しい街並みが楽しめます
ぎおん しらかわ
祇園 白川
京都を象徴する景色のひとつ祇園・白川。祇園という地名の由来となった「祇園社(現在の八坂神社)」の門前町として発展し、「祇園内六町」が開発され江戸時代後期には500軒もの茶屋が祇園に存在したそう。その名残がある洗練された茶屋建築が建ち並ぶ新橋・巽橋周辺は、石畳の道と白川に沿って柳がゆれる美しい街並みが楽しめます。川のそばには祇園を愛した大正期・昭和期の歌人・吉井勇の「かにかくに碑」が建てられています。この辺りは、清水寺近くの産寧坂地区などと並び「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、景観が保全されています。界隈には京料理やフレンチ、中華料理などのレストランをはじめ、観光客でも入りやすいカフェもあり、ランチからディナーまで堪能できます。

祇園 白川:巽橋のすぐそばにある「辰巳大明神」は、京都御所より辰巳の方角(南東)にあり、この方角を守ることが名前の由来と伝わります。古来祇園で親しまれ、芸舞妓らは芸事の上達を願って手を合わせるそう

祇園 白川:春には40本ほどの桜が彩りを添え、さらに美しさを纏う祇園白川。地域のお店や住民が主体となって開催される「祇園白川宵桜ライトアップ」は、例年見頃の3月下旬に行われます
基本情報 | |
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所在地 | 京都市東山区元吉町白川筋地図 |
アクセス | 京阪「祇園四条」駅より徒歩約4分 |
休日 | 年中無休 |
料金 | 散策自由 |
過ぎゆく時が育む美しきもの

ちんぎれや:色褪せない美しさを持つ古代裂(こだいぎれ)の数々。現代では再現できない技術が使われたものも多くあります
ちんぎれや
ちんぎれや
明治35(1902)年創業の「ちんぎれや」は古代裂(こだいぎれ)を扱う専門店。「古代裂」とは骨董価値のある古い布のことで、着物などの形を残すものから端切れなど様々な形で残されています。写真にあるような華やかなものから、100年経ってようやく色が落ち着くという藍染や、現代では再現できない技術が使われたものも多く、そのどれもが時代の変遷を感じさせながらも色褪せない美しさを宿しています。博物館級の貴重な品々を実際に購入できるとあって、コレクターはもちろん、資料としても活用できるためデザイナーや研究者からも支持されているお店です。まずは、数千円から購入することができるがまぐちなどから、気軽に奥深い古代裂の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

ちんぎれや:店内に整然と並べられた美しい裂の数々。時間を忘れ見入ってしまいますが、気になるアイテムについて店主に質問をしながらお話を聞くのもオススメです

ちんぎれや:お店は古門前通を少し北に進んだ大和大路通沿いにあります。豊かな文化を誇った江戸時代から明治初期にかけての品々を、ぜひ直接見て優しく触れてみてください
基本情報 | |
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所在地 | 京都市東山区縄手通り三条南入元町372番地の1地図 |
アクセス | 地下鉄東西線「三条京阪」駅・京阪「三条」駅より各徒歩約1分 |
電話番号 | 075-561-4726 |
URL | |
時間 | 月曜日~土曜日 10:00-18:00 |
休日 | 日曜日 ※月曜日が祝日の場合のみ日曜日も営業、年末年始 |
料金 | 「がま口小」2,000円(税込)~、「豆がまぐち」1,500円(税込)~、「合財」4,000円(税込)~ |

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