京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

仏像制作の工房でオリジナルご朱印帳作り

冨田工藝:ヒノキの木の表紙に彫刻刀で模様を彫り、自分だけのオリジナル御朱印帳に

冨田工藝:ヒノキの木の表紙に彫刻刀で模様を彫り、自分だけのオリジナル御朱印帳に

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

多くの宗派の本山寺院が集まる京都には、古来、仏教美術や仏具の制作を担う専門店が遍在します。今回はそうした専門店で開かれている「ご朱印帳彫刻ワークショップ」をご紹介します。色鮮やかに染められたヒノキの木に仏教ゆかりのモチーフを彫刻刀で心を込めて彫る、ユニークな制作体験から京都旅行を始めてみてはいかがでしょうか。

京都の混雑状況(2024年3月28日現在) ★★★★☆ 例年よりも混雑しています。 ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。

とみたこうげい

冨田工藝

仏像・お位牌の制作を行う「冨田工藝」には、ギャラリーやショップが併設されています。店内の奥にある工房では職人らが制作作業を行っているので、木を削る音や削りたてのヒノキの香りに包まれます。また彫刻の技術を実際に体験することができる教室やワークショップなども定期開催。「佛像彫刻教室」では、講師と相談しながら実際に仏像を作ることができます。より気軽に体験できる「ご朱印帳彫刻ワークショップ」では、ヒノキの木の表紙に彫刻刀で模様を彫る自分だけの御朱印帳を作ることができます。完成したオリジナル御朱印帳を携え、東山散策へ繰り出してみてはいかがでしょうか。

冨田工藝:2015年に工房を改装した五条通沿いにあるモダンな店舗

冨田工藝:2015年に工房を改装した五条通沿いにあるモダンな店舗

冨田工藝:仏具に関わるセレクトショップである店舗では、仏像の制作過程が見られることも

冨田工藝:仏具に関わるセレクトショップである店舗では、仏像の制作過程が見られることも

【ご朱印帳彫刻ワークショップ】
開催日時

水曜日・土曜日10:30-12:00、日曜日13:30-15:00

所要時間

約90分 ※所要時間は目安です

料金

5,000円 (材料費含)

持物

不要(彫刻刀など必要なものはすべて用意してあります)
※2日前までに電話(075-541-0123)にて要予約

定員

1名~6名 ※6名以上の場合は要相談

冨田工藝
所在地

京都市東山区五条橋東二丁目36-2地図

アクセス

京阪「清水五条」駅より徒歩約5分、市バス80号系統「五条大和大路・東山開睛館前」より徒歩約1分

電話番号

075-541-0123

URL

https://tomita-k.jp/

時間

月曜日~土曜日10:00-19:00、日曜日・祝日10:00-17:00    ※ワークショップ開催日:水曜日・土曜日10:30-12:00、日曜日13:30-15:00

休業日

年中無休 ※お盆・正月や、納品などの出張のため臨時休業の場合あり

料金

「ご朱印帳彫刻ワークショップ」5,000円(税込)

ベースの色を選ぶ

御朱印帳は2色が美しくグラデーションし、カラフルに塗られたヒノキが表紙になっています。7、8種類ほど用意されているので、好きな色を選びましょう。

ベースの色を選ぶ:グラデーションカラーに色付けされた表紙

ベースの色を選ぶ:グラデーションカラーに色付けされた表紙

下絵を決める

次に下絵を決めます。蓮の花びらを散らす「散華」などの仏教にちなんだ絵柄が常時9種類ほど用意されており、これに季節の柄が追加される場合も。今回は阿弥陀如来さまのお顔をモチーフにした下絵を選びました。

下絵を決める:仏教にちなんだ9種類程度の下絵

下絵を決める:仏教にちなんだ9種類程度の下絵

下絵を貼り付ける

下絵が書かれた紙の裏面がシールになっているので、色付けされたヒノキの面に貼り付けます。後ではがせるので安心してください。同じ柄でも、色との組み合わせでまったく違う雰囲気になります。

下絵を貼り付ける:裏面がシールになった下絵をヒノキの面に貼る

下絵を貼り付ける:裏面がシールになった下絵をヒノキの面に貼る

彫刻刀の使い方を学ぶ

御朱印帳の準備ができたら、彫刻刀の使い方を教えてもらいます。指を切らないような持ち方と、手の置き方がポイント。使うのは「三角刀」という先が三角形になった一番スタンダードなものです。

彫刻刀の使い方を学ぶ:指を切らないように三角刀の使い方のポイントを聞く

彫刻刀の使い方を学ぶ:指を切らないように三角刀の使い方のポイントを聞く

試し彫り

教わった持ち方で三角刀を使って木片で試し彫りをしてみます。力の入れ方やカーブの描き方などを練習しましょう。削ったヒノキの木くずからふんわりと良い香りが漂ってきます。

試し彫り:木片で彫刻刀の練習

試し彫り:木片で彫刻刀の練習

下絵に沿って彫る

練習ができたら早速本番スタートです。筆のように、強い力だと太く彫ることができ、優しい力加減だと細い線になります。曲線や細かい部分は難しいので丁寧に彫っていきましょう。

下絵に沿って彫る:力加減によって線の太さが変わるので丁寧に

下絵に沿って彫る:力加減によって線の太さが変わるので丁寧に

微調整をする

全体的に彫れたら、下絵シールをはがして最終調整をしていきます。隙間のスペースを使って柄をプラスしてもOK。少しのバランスの違いで表情も変わってくるので、同じ柄でも個性がでます。

微調整をする:下絵シールをはがして最後の調整

微調整をする:下絵シールをはがして最後の調整

御朱印帳シールを貼る

彫り終わったら最後に「御朱印帳」シールを貼ります。不器用な人でも、大体の人がここまでの作業を90分以内で終えることができるそうなので、次の予定があっても安心です。

御朱印帳シールを貼る:彫り終わった表紙の仕上げ

御朱印帳シールを貼る:彫り終わった表紙の仕上げ

完成

今回は紅色に阿弥陀如来さまのお顔を彫って左上に御朱印帳シールで仕上げました。薄紅色に散華模様も人気があるそう。体験中に聞ける講師の楽しいお話に、ついつい手が止まらないようにしてくださいね。

完成:色と柄の組み合わせと、彫りのバランスで唯一無二の仕上がりに

完成:色と柄の組み合わせと、彫りのバランスで唯一無二の仕上がりに

体験を終えて
体験を終えて

ヒノキのぬくもりある香りに包まれた店内で、気持ちが整い集中して彫り進めることができました。講師の方とお話するのも楽しく、仏像・仏具作りの裏側や周辺の観光情報についても教えてくださり、知識が深まる時間となりました。/写真は講師の小田尚美さんと

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