京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

水に浮かぶ花アート・花手水

勝林寺:住職が毎朝手ずから活ける、絵画のように美しい花手水

勝林寺:住職が毎朝手ずから活ける、絵画のように美しい花手水

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

寺社に参拝する際に身と心を清める手水舎(ちょうずしゃ)。その手水鉢に花を浮かべ飾る花手水(はなちょうず)が近年注目を集めています。元々、花手水とは野外の神事で水が使えない時に花や葉についた朝露で身を清めることを意味していました。季節を彩る新しい時代の花手水を巡る京都旅はいかがでしょうか。

京都の混雑状況(2024年5月30日現在) ★★★★☆ 例年よりも混雑しています。 ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。

絢爛な花が彩る天神さん発祥の地

北野天満宮:花手水は楼門を入った右手にあり、荘厳な境内を彩る

提供元:北野天満宮

北野天満宮:花手水は楼門を入った右手にあり、荘厳な境内を彩る

きたのてんまんぐう

北野天満宮

全国に約1万2000社ある天神信仰発祥の神社であり、京文化が根付く西陣の地を守護し、文化芸能の神社としても信仰を集める「北野天満宮」。早春には梅を愛した御祭神・菅原道真公ゆかりの50種類約1500本もの梅が咲き誇ります。こちらの花手水は2020年6月に始まったもので、過去には、道真公の逸話や伝説を描いた「北野天神縁起絵巻」を花で表現するなど、社にちなんだ花手水が好評です。現在は週に一度ほどの頻度で活け変えが行われ、そのタイミングはSNSで確認することができます。荘厳な境内を彩る花手水は楼門をくぐった右手にあるので、参拝の前にぜひ愛でましょう。

北野天満宮:御本殿(国宝)は豊臣秀吉の御子息である秀頼公が慶長12年(1607)に造営したもの。後西天皇御宸筆(直筆)の勅額「天満宮」が掲げられ、貴重な御神宝類や文化財が多数所蔵されています

提供元:北野天満宮

北野天満宮:御本殿(国宝)は豊臣秀吉の御子息である秀頼公が慶長12年(1607)に造営したもの。後西天皇御宸筆(直筆)の勅額「天満宮」が掲げられ、貴重な御神宝類や文化財が多数所蔵されています

北野天満宮:旧暦の七夕の時期(例年8月上旬)には「御手洗祭(みたらしまつり)」が行われ、「御手洗川足つけ燈明神事」・「御本殿石の間通り抜け神事」に参加することができます

提供元:北野天満宮

北野天満宮:旧暦の七夕の時期(例年8月上旬)には「御手洗祭(みたらしまつり)」が行われ、「御手洗川足つけ燈明神事」・「御本殿石の間通り抜け神事」に参加することができます

基本情報
所在地

京都市上京区馬喰町地図

アクセス

嵐電(京福電鉄北野線)「北野白梅町」駅より徒歩約5分、市バス50・55・203号系統ほか「北野天満宮前」より徒歩約1分

電話番号

075-461-0005

URL

https://kitanotenmangu.or.jp

時間

月曜日~日曜日 7:00-17:00(開門時間)※時期により異なる

休日

年中無休

料金

境内無料


都の北東を守護する古社で花に心洗われる

八大神社:皐月梅やスプレー菊を使い、白を基調とした爽やかな花手水

八大神社:皐月梅やスプレー菊を使い、白を基調とした爽やかな花手水

はちだいじんじゃ

八大神社

永仁2(1294)年3月15日に八大天王が勧請されたと記録が残る「八大神社」は、八坂神社と同じ素盞嗚命とその妻・稲田姫命、子である八王子命をご祭神として祀る古社。一乗寺地域の氏神で、古来より「北天王(北の祇園)」とも称される平安京の表鬼門(北東)を守護する神社でもあります。
新型コロナの感染が拡大していた際に、参拝者に楽しんでもらおうと始めた花手水。毎週金曜日に花の活け替えが行われますが、暑い時期の見頃は4日ほどなので、週末の参拝がおすすめです。写真は皐月梅など白を基調したお花ですが、夏はアジサイやひまわりなど一層色鮮やかな様相に。社務所で尋ねると、お花の種類を教えてもらうことができます。

八大神社:2022年からスタートした本殿前石段のガラスボールのいけばな。6月末ごろまではアジサイがあしらわれ、秋には紅葉や季節の草花が境内に華やかさを添えます

提供元:八大神社

八大神社:2022年からスタートした本殿前石段のガラスボールのいけばな。6月末ごろまではアジサイがあしらわれ、秋には紅葉や季節の草花が境内に華やかさを添えます

八大神社:かの宮本武蔵が決闘前に参拝。飛び地境内の「一乗寺下り松(現在5代目)」で吉岡一門と決闘し勝利したことから、必勝開運のご利益があると多くのスポーツ選手などが訪れるそう。本殿横には決闘当時の「下り松」の古木が祀られています

八大神社:かの宮本武蔵が決闘前に参拝。飛び地境内の「一乗寺下り松(現在5代目)」で吉岡一門と決闘し勝利したことから、必勝開運のご利益があると多くのスポーツ選手などが訪れるそう。本殿横には決闘当時の「下り松」の古木が祀られています

基本情報
所在地

京都市左京区一乗寺松原町1番地地図

アクセス

叡山電鉄「一乗寺」駅より徒歩約10分、市バス5・北8号系統ほか「一乗寺下り松町」より徒歩約7分

電話番号

075-781-9076

URL

https://www.hatidai-jinja.com/

時間

月曜日~日曜日 9:00-17:00(社務所、参拝は終日可能)

休日

年中無休

料金

境内無料


小倉山麓の雄大な自然が育む静かなひと時

二尊院:約5万坪の境内で育つ季節の花で花手水が行われ、夏には人気のアジサイが登場します

提供元:二尊院

二尊院:約5万坪の境内で育つ季節の花で花手水が行われ、夏には人気のアジサイが登場します

にそんいん

二尊院

嵯峨天皇の勅願により第三代天台座主である円仁によって、承和年間(834~848)に建立された「二尊院」は、百人一首にも登場する小倉山のふもとにあります。御本尊に「釈迦如来」と「阿弥陀如来」の二尊を祀ることからその名で呼ばれていますが、正式には「小倉山二尊教院華臺寺」という天台宗の寺院です。総門をくぐると真っ直ぐに伸びる参道は「紅葉の馬場」と称される紅葉の名所。夏には瑞々しい青紅葉のトンネルが出迎えてくれます。
二尊院では、約5万坪の境内で育つ季節の花で花手水が行われ、本堂縁側には花鉢が飾られます。また、花玉をあしらった涼やかな様子は、見るだけで暑気が払われるよう。嵐山散策の際には、ぜひ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

二尊院:二尊が安置される本堂は京都市の指定文化財で、平成28(2016)年に約350年ぶりとなる大改修が完了。後奈良天皇の自筆による「二尊院」が掲げられています

提供元:二尊院

二尊院:二尊が安置される本堂は京都市の指定文化財で、平成28(2016)年に約350年ぶりとなる大改修が完了。後奈良天皇の自筆による「二尊院」が掲げられています

二尊院:境内への入口となる正門「総門」は、慶長18(1613)年に伏見城の「薬医門」を角倉了以によって移築・寄進されたもの。唐草模様、数珠入り三つ巴紋など美しい文様が施されています

提供元:二尊院

二尊院:境内への入口となる正門「総門」は、慶長18(1613)年に伏見城の「薬医門」を角倉了以によって移築・寄進されたもの。唐草模様、数珠入り三つ巴紋など美しい文様が施されています

基本情報
所在地

京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町27地図

アクセス

嵐電(京福電鉄嵐山線)「嵐山」駅より徒歩約15分、JR「嵯峨嵐山」駅より徒歩約19分、市バス28・91号系統「嵯峨釈迦堂前」より徒歩約10分

電話番号

075-861-0687

URL

https://nisonin.jp/

時間

月曜日~日曜日 9:00-16:30

休日

年中無休

拝観料

大人(中学生以上)500円


心奪われる花手水という名のアート作品

勝林寺:ひときわ目を引く豪華な花手水は毎朝活けなおされるので、いつも新鮮な様相が楽しめます

勝林寺:ひときわ目を引く豪華な花手水は毎朝活けなおされるので、いつも新鮮な様相が楽しめます

しょうりんじ

勝林寺

天文19(1550)年に創建された「勝林寺」は、臨済宗東福寺派の大本山である東福寺塔頭のひとつ。東福寺の鬼門に位置し、仏法と鬼門を守護する毘沙門天を祀ることから「東福寺の毘沙門天」とも称されます。落ち着いた雰囲気の境内で、ひときわ目を引く豪華な花手水。花を美しく保つため、住職が手ずから毎朝活けなおすそうで、花数が多いときは1時間ほどかかることも。冬季以外は、毎週火曜日・土曜日に入れ替えられます。花以外にも小物で季節感を表現し、夏にはビー玉や白石を使った涼感ある仕上がりに。撥水素材の塗料を使った、水に浮かぶアート作品の展示も予定されています。豊富な種類とそのデザイン性で知られる御朱印も、ぜひお参りの記念に授かりましょう。

勝林寺:本堂前にはその美しさから吉祥天が宿るという「吉祥紅葉」が植えられ、紅葉の名所となっています。初夏には、輝く青紅葉とそよぐ薫風が静かに包み込んでくれます

勝林寺:本堂前にはその美しさから吉祥天が宿るという「吉祥紅葉」が植えられ、紅葉の名所となっています。初夏には、輝く青紅葉とそよぐ薫風が静かに包み込んでくれます

勝林寺:予約制で坐禅や写経、写仏体験に参加することもできます。お寺に興味をもってもらおうというご住職の思いから、他にも様々な体験や取り組みが開催されているので、ぜひ公式SNSをチェックしてみてください

提供元:勝林寺

勝林寺:予約制で坐禅や写経、写仏体験に参加することもできます。お寺に興味をもってもらおうというご住職の思いから、他にも様々な体験や取り組みが開催されているので、ぜひ公式SNSをチェックしてみてください

基本情報
所在地

京都市東山区本町15-795地図

アクセス

JR・京阪「東福寺」駅より各徒歩約8分、市バス58・88・202・207・208系統「東福寺」より徒歩約5分

電話番号

075-561-4311

URL

https://shourin-ji.org/

時間

月曜日~日曜日 10:00-16:00

休日

年中無休

拝観料

境内無料、「坐禅体験」大人1,200円、「写経体験」1,000円~、「写仏体験」1,500円~ ※体験はすべて予約制

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