京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

源氏物語・紫式部ゆかりの地巡り(京都・宇治)

宇治十帖モニュメント:朝霧橋のたもとにある像。「宇治十帖」に登場する「浮舟と匂宮」のワンシーンがモチーフに

宇治十帖モニュメント:朝霧橋のたもとにある像。「宇治十帖」に登場する「浮舟と匂宮」のワンシーンがモチーフに

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

源氏物語54帖のうちの最後の10帖である「宇治十帖」の舞台となった宇治は、平安貴族の別荘地として発展しました。源氏物語・紫式部を語る上ではずせない場所。今回は平安時代から残る数々の文化遺産を、間近に体感することができるスポットをご紹介します。

京都の混雑状況(2024年7月31日現在) ★★★★☆ 例年よりも混雑しています。 ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。

平安貴族たちが極楽浄土を見た場所

平等院:藤原道長の息子・頼通によって開創。1053年に建てられた鳳凰堂は改修を繰り返しながら現代へと受け継がれています

提供元:平等院

平等院:藤原道長の息子・頼通によって開創。1053年に建てられた鳳凰堂は改修を繰り返しながら現代へと受け継がれています

びょうどういん

平等院

宇治のシンボルともいえる世界遺産「平等院」は、まさしく源氏物語の主人公・光源氏のモデルといわれる、嵯峨天皇の皇子・源融が所有していた別荘が元になった寺院です。1052年に藤原道長の息子である頼通が仏寺として開創。翌年には阿弥陀堂(のちの鳳凰堂)とともに多くの堂塔が建立されましたが、後にほとんどが焼失。そのため鳳凰堂は、平安時代に完成した最古の浄土庭園とともに、その華やかな時代を知る貴重な遺構となりました。庭園を四季折々に彩る草花も見どころのひとつ。秋には200本もの紅葉が一斉に色づきます。平安時代より継承されてきた、10円玉にも描かれる日本を象徴する景色。何度訪れてもその美しさは色褪せることがありません。

平等院:庭園の発掘調査で創建時の地層から花粉が発見された「百日紅」。8月から9月上旬に見頃を迎え、平安貴族たちが愛でた夏景色に近い様相を感じることができます

提供元:平等院

平等院:庭園の発掘調査で創建時の地層から花粉が発見された「百日紅」。8月から9月上旬に見頃を迎え、平安貴族たちが愛でた夏景色に近い様相を感じることができます

平等院:平等院の梵鐘は、平安時代を代表する梵鐘の一つ。園城寺(三井寺)・神護寺に並ぶ天下の三名鐘にも数えられ、「姿の平等院鐘」とも言われています。鐘楼にあるのは2代目で、初代は平等院ミュージアム鳳翔館で見ることができます

提供元:平等院

平等院:平等院の梵鐘は、平安時代を代表する梵鐘の一つ。園城寺(三井寺)・神護寺に並ぶ天下の三名鐘にも数えられ、「姿の平等院鐘」とも言われています。鐘楼にあるのは2代目で、初代は平等院ミュージアム鳳翔館で見ることができます

基本情報
所在地

京都府宇治市宇治蓮華116地図

アクセス

JR・京阪「宇治」駅より各徒歩約10分

電話番号

0774-21-2861

URL

https://www.byodoin.or.jp/

時間

【庭園】月曜日~日曜日 8:30-17:30(受付終了17:15) 【平等院ミュージアム鳳翔館】月曜日~日曜日 9:00-17:00(受付終了16:45)

休日

年中無休

拝観料

「庭園+平等院ミュージアム鳳翔館」大人700円


平安の世から宇治を守る社

宇治上神社:国宝の「本殿」は日本最古の神社建築といわれる

宇治上神社:国宝の「本殿」は日本最古の神社建築といわれる

うじかみじんじゃ

宇治上神社

平等院の鎮守社として平安時代より続く「宇治上神社」。1060年に建てられたとされる本殿は日本最古の神社建築として、拝殿とあわせて国宝に指定されています。本殿内には左殿・中殿・右殿が並び、左殿には菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)、中殿には応神天皇、右殿には仁徳天皇がそれぞれ祀られています。この地には、源氏物語に登場する光源氏の異母弟である「八の宮」のモデルと言われる、御祭神の菟道稚郎子の邸宅があったと伝わります。そのため物語内でも八の宮の住まいもこの辺りに描かれています。また、「宇治上神社」は御朱印の種類が豊富なことでも有名で、季節限定のもの以外にも、通年で紫式部にちなみ紫紺の台紙を使った「離宮」なども用意されています。

宇治上神社:鎌倉時代前期築と推定される「拝殿」も本殿とあわせて国宝に指定されています。例年9月1日に行われる八朔祭で奉納される「清めの砂」が円錐に盛られ、境内を清めています

宇治上神社:鎌倉時代前期築と推定される「拝殿」も本殿とあわせて国宝に指定されています。例年9月1日に行われる八朔祭で奉納される「清めの砂」が円錐に盛られ、境内を清めています

宇治上神社:室町時代に誕生した「宇治七名水」が現存する唯一の場所でもあります。境内に湧き出す「桐原水」で身を清めてから参拝しましょう。飲料水ではありませんのでご注意を

宇治上神社:室町時代に誕生した「宇治七名水」が現存する唯一の場所でもあります。境内に湧き出す「桐原水」で身を清めてから参拝しましょう。飲料水ではありませんのでご注意を

基本情報
所在地

京都府宇治市宇治山田59地図

アクセス

京阪「宇治」駅より徒歩約10分、JR「宇治」駅より徒歩約18分

電話番号

0774-21-4634

URL

https://www.ujikamijinja.jp/

時間

月曜日~日曜日 9:00-16:20(最終入場 16:10)

休日

年中無休

拝観料

境内無料


源氏物語を締めくくる最後の地

夢浮橋ひろば:宇治橋を背に紫式部像が建つ、宇治を代表するフォトスポットのひとつ

夢浮橋ひろば:宇治橋を背に紫式部像が建つ、宇治を代表するフォトスポットのひとつ

ゆめうきはしひろば

夢浮橋ひろば

平成15(2003)年に宇治ライオンズクラブによって整備された休憩どころ「夢浮橋ひろば」は、紫式部像が配され、宇治エリアのフォトスポットになっています。宇治を舞台とした源氏物語の最後「橋姫」から「夢浮橋」までの十帖、通称「宇治十帖」では川霧にけむる宇治川がなくてはならない舞台装置だとされています。式部像の後ろにかかる宇治橋が初めてかけられたのは646年といわれ、1300年以上前から人々が行き交う宇治の象徴として、様々な文学作品や絵画などにも登場します。宇治川周辺には宇治神社の前にかかる朝霧橋や、橋のたもとにあるモニュメントなど、「宇治十帖」にちなんだスポットがたくさんあるのでぜひ散策してみましょう。

夢浮橋ひろば:式部像の前に建てられた「夢浮橋之古蹟」と書かれた石碑。こちらは1988年に宇治市文化財愛護協会によって建立されたものです

夢浮橋ひろば:式部像の前に建てられた「夢浮橋之古蹟」と書かれた石碑。こちらは1988年に宇治市文化財愛護協会によって建立されたものです

夢浮橋ひろば:広場は宇治橋から平等院へと向かう参道を繋ぐ交差点にあります。お手洗いやベンチなどがあり、観光客はもちろん地元の人たちの休憩所としても賑わっています

夢浮橋ひろば:広場は宇治橋から平等院へと向かう参道を繋ぐ交差点にあります。お手洗いやベンチなどがあり、観光客はもちろん地元の人たちの休憩所としても賑わっています

基本情報
所在地

京都府宇治市宇治橋西詰地図

アクセス

京阪「宇治」駅より徒歩約5分、JR「宇治」駅より徒歩約8分

時間

散策自由

休日

年中無休


宇治のまちで見る大河ドラマの世界

光る君へ 宇治 大河ドラマ展:大河ドラマ「光る君へ」(NHK) の世界が体感できる展示が盛りだくさん

提供元:宇治市

光る君へ 宇治 大河ドラマ展:大河ドラマ「光る君へ」(NHK) の世界が体感できる展示が盛りだくさん

ひかるきみへ うじ たいがどらまてん~みやこのたつみ みちなががきずいたまち~

光る君へ 宇治 大河ドラマ展 ~都のたつみ 道長が築いたまち~

2024年の大河ドラマ「光る君へ」(NHK)の放送を契機に、源氏物語ゆかりの地・「宇治」で「大河ドラマ展」が開催されています。主演の吉高由里子さんによるウェルカムVTRや、大判メインビジュアルが出迎えてくれるエントランスから展示がスタート。ドラマ制作の舞台裏や時代背景を解説した特集パネル、番組の衣装・小道具展示のほか、キャストの等身大パネルなどのフォトスポットもあります。4Kシアターではここでしか見られない、独自の映像コンテンツが上映。さらに宇治について学べる歴史展示もあり、藤原道長が築いた宇治のまちの俯瞰図が書き下ろしの大判イラストになっています。女房装束の十二単の重さや、平安貴族が愛したお香の香りなどが体験できるコーナーも。期間限定での開催なのでお見逃しなく。

光る君へ 宇治 大河ドラマ展:まひろ(紫式部)と道長の番組衣装を間近で見られる展示は必見。ドラマに登場する小道具の展示では当時の暮らしの一端を知ることができ、見どころは尽きません
※展示内容は時期により異なる場合があります

提供元:宇治市

光る君へ 宇治 大河ドラマ展:まひろ(紫式部)と道長の番組衣装を間近で見られる展示は必見。ドラマに登場する小道具の展示では当時の暮らしの一端を知ることができ、見どころは尽きません ※展示内容は時期により異なる場合があります

光る君へ 宇治 大河ドラマ展:お茶と宇治のまち歴史公園交流館「茶づな」は、宇治茶の伝統やまちの歴史を楽しく学べるミュージアムや体験スペースなどを備えた会館。1階の物販所では関連グッズの販売も行われています

提供元:宇治市

光る君へ 宇治 大河ドラマ展:お茶と宇治のまち歴史公園交流館「茶づな」は、宇治茶の伝統やまちの歴史を楽しく学べるミュージアムや体験スペースなどを備えた会館。1階の物販所では関連グッズの販売も行われています

基本情報
所在地

京都府宇治市菟道丸山203-1 お茶と宇治のまち歴史公園交流館「茶づな」内地図

アクセス

京阪「宇治」駅より徒歩約4分、JR「宇治」駅より徒歩約12分

電話番号

075-353-0870

URL

https://uji-dramaten.jp/

開催日

2024年3月11日(月)~2025年1月13日(月・祝) 9:00-17:00(最終入場 16:30)
※開催日、開催時間は、主催者等の都合により予告なく変更となる場合があります

休日

なし

入館料

「大人(高校生以上) 」500円 

主催

宇治市

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