京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

初夏に訪れたい竹林スポット

地蔵院:境内に約1万本もの孟宗竹が生い茂る地蔵院は「竹寺」として親しまれています

提供元:地蔵院

地蔵院:境内に約1万本もの孟宗竹が生い茂る地蔵院は「竹寺」として親しまれています

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

新緑が輝く初夏、京都の竹林をそよぐ風が心地よい季節。日差しを和らげる青竹の葉音に包まれ、静寂の中で涼を感じるひとときはいかがでしょうか。今回は歴史と風情が息づく、初夏に訪れたい竹林の名所を紹介します。

京都の混雑状況(2025年3月28日現在) ★★★★☆ 例年よりも混雑しています。 ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。

桃山の雅を映す東山の名刹と竹の道

高台寺:拝観順路にそって境内を進み茶室を過ぎると、参道の両脇に竹が生い茂り太陽の光が差し込む幻想的な空間が現れます

提供元:高台寺

高台寺:拝観順路にそって境内を進み茶室を過ぎると、参道の両脇に竹が生い茂り太陽の光が差し込む幻想的な空間が現れます

こうだいじ

高台寺

慶長11(1606)年に豊臣秀吉の正室・高台院(北政所ねね)によって、夫の菩提を弔うために建立された「高台寺」。戦国の世を統一し、天下人として日本の礎を築いた豊臣秀吉を支え続けたねねは、秀吉の死後に出家し、高台寺で余生を過ごしました。境内には開山堂や霊屋、茶室など今なお創建当時の堂宇が点在。中でも伏見城の遺構である傘亭や時雨亭も現存しており、豪華で洗練されたデザインが特徴的な桃山建築を間近で見ることができます。庭園は小堀遠州による作庭と伝わり、池のほとりでは四季折々の風情が広がります。境内を巡ると竹林の参道が現れ、参道の両脇に青々とした竹が生い茂る幻想的な小径が続きます。例年春・夏・秋~初冬には、幽玄の世界へと誘う夜間特別拝観を実施予定。かつてねねも歩いたかもしれない歴史の息づく空間。竹の葉がそよぐ音に耳を傾けながら、往時に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

高台寺:江戸初期の作庭家・小堀遠州によるものと伝わる池泉回遊式庭園。新緑の季節には青紅葉が境内を鮮やかに彩り、瑞々しい青葉が水面に映える様子が楽しめます

提供元:高台寺

高台寺:江戸初期の作庭家・小堀遠州によるものと伝わる池泉回遊式庭園。新緑の季節には青紅葉が境内を鮮やかに彩り、瑞々しい青葉が水面に映える様子が楽しめます

高台寺:国の重要文化財に指定される、秀吉とねねを祀る霊屋(おたまや)。内陣全体に施された「高台寺蒔絵」は桃山文化を代表する漆工芸美術で、精緻な金蒔絵の美しさで知られます

提供元:高台寺

高台寺:国の重要文化財に指定される、秀吉とねねを祀る霊屋(おたまや)。内陣全体に施された「高台寺蒔絵」は桃山文化を代表する漆工芸美術で、精緻な金蒔絵の美しさで知られます

基本情報
所在地

京都市東山区高台寺下河原町526地図

アクセス

京阪「祇園四条」駅より徒歩約10分、市バス206・207号系統ほか「東山安井」より徒歩約7分

電話番号

075-561-9966

URL

https://www.kodaiji.com/

時間

9:00-17:30(17:00受付終了)※夜間特別拝観時 9:00-22:00(21:30受付終了)

休日

年中無休 ※法務により方丈に入堂不可の日があります

拝観料

大人600円、中高生250円 ※掌美術館を含む


瑞々しい竹の調べに心ほどけるひととき

地蔵院:境内には約1万本もの孟宗竹が生い茂り「竹寺」として知られる緑が輝く寺院

提供元:地蔵院

地蔵院:境内には約1万本もの孟宗竹が生い茂り「竹寺」として知られる緑が輝く寺院

じぞういん

地蔵院

貞治6(1367)年に室町幕府の管領・細川頼之が宗鏡禅師を招いて建立した「地蔵院」は、一休禅師が幼少期を過ごした場所としても知られています。境内には約1万本もの孟宗竹が生い茂り、その美しさから「竹寺」として親しまれています。 本堂には本尊の地蔵菩薩を中央に、夢窓国師、宗鏡禅師、細川頼之の木像が安置されており、南側には宗鏡禅師と細川頼之の墓所が佇みます。方丈前には宗鏡禅師の作庭とされる「十六羅漢の庭」と呼ばれる平庭式枯山水庭園があり、庭園内の16の石は十六羅漢の修行の姿を表現しています。 京都府南部の石清水八幡宮に願をかけているため、その方向に少しずつ傾いているそう。 竹林と苔、青紅葉が織りなす、涼やかな癒しの空間が広がります。

地蔵院:中門の左手にある小さなお社には才能を引き出してくださる弁才天が祀られています。中門を進むと方丈があり、事前に申し込みをすれば「寺ピアノ」と名づけられた音楽奉納を行うことができます

提供元:地蔵院

地蔵院:中門の左手にある小さなお社には才能を引き出してくださる弁才天が祀られています。中門を進むと方丈があり、事前に申し込みをすれば「寺ピアノ」と名づけられた音楽奉納を行うことができます

地蔵院:方丈内にある猪目窓のある茶室も見どころのひとつ。可愛らしいハート形の窓が切り取る唯一無二の景色は必見です

提供元:地蔵院

地蔵院:方丈内にある猪目窓のある茶室も見どころのひとつ。可愛らしいハート形の窓が切り取る唯一無二の景色は必見です

基本情報
所在地

京都市西京区山田北ノ町23地図

アクセス

阪急「上桂」駅より徒歩約12分、京都バス73・83系統「苔寺・すず虫寺」より徒歩約3分

電話番号

075-381-3417

URL

https://www.takenotera-jizoin.jp/

時間

火曜日、水曜日、金曜日~日曜日 9:00-16:00(閉門16:30)

休日

月曜日、木曜日、8/1、8/14、8/15
※月・木曜日が祝日の場合、正月三が日、4/20~6/30、10/1~12/10は無休
※法要・悪天候・メンテナンスなどの理由で、拝観休止や拝観時間短縮の場合あり

拝観料

一般大人500円、小中高校生300円


無数の祈りが重なる静寂の地

あだし野念仏寺:境内の奥に広がる竹林の参道。さらに奥へと進むと六面六体地蔵があります

提供元:あだし野念仏寺

あだし野念仏寺:境内の奥に広がる竹林の参道。さらに奥へと進むと六面六体地蔵があります

あだしのねんぶつじ

あだし野念仏寺

賑わう嵐山の北西にある奥嵯峨地区の山麓に位置する「華西山東漸院念仏寺」は、通称「あだし野念仏寺」として知られています。「あだし」とは「はかない・むなしい」という意味で、平安時代には風葬の地であったことから「化野(あだしの)」と呼ばれるようになったそう。この地に最初に建立されたのは弘法大師・空海が開いた五智山如来寺と伝わり、後に浄土宗の開祖・法然上人が常念仏道場としました。境内の中央には、明治中期に地元の人々の手で集められた無縁仏の石仏や石塔を安置する「西院の河原(さいのかわら)」があります。境内の奥に続く竹林の参道をゆっくりと歩きながら、喧噪を離れ心穏やかなひとときを過ごしてみてはいかがでしょう。

あだし野念仏寺:現在の本堂は正徳2(1712)年に再建されたもの。本尊には鎌倉時代湛慶作の阿弥陀如来坐像が祀られ、左側には十一面観音菩薩像、 右側には左足を下げ台座から立ち上がるように見える阿弥陀如来半跏像があります

提供元:あだし野念仏寺

あだし野念仏寺:現在の本堂は正徳2(1712)年に再建されたもの。本尊には鎌倉時代湛慶作の阿弥陀如来坐像が祀られ、左側には十一面観音菩薩像、 右側には左足を下げ台座から立ち上がるように見える阿弥陀如来半跏像があります

あだし野念仏寺:親に先立った子が積む石塔を鬼が崩すという「賽の河原」の伝説に由来のある「西院の河原」。化野の風景と重なることから名付けられました。毎年8月にはここで無縁仏にろうそくを灯しお供えする「千灯供養」が行われます

提供元:あだし野念仏寺

あだし野念仏寺:親に先立った子が積む石塔を鬼が崩すという「賽の河原」の伝説に由来のある「西院の河原」。化野の風景と重なることから名付けられました。毎年8月にはここで無縁仏にろうそくを灯しお供えする「千灯供養」が行われます

基本情報
所在地

京都市右京区嵯峨鳥居本化野町17地図

アクセス

JR「嵯峨嵐山」駅・嵐電「嵐山」駅下車後、京都バス92・94号系統「鳥居本」より徒歩約2分

電話番号

075-861-2221

URL

https://nenbutsuji.jp/

時間

月曜日~日曜日 9:00-16:30(受付終了)※閉門は受付終了から最大30分後、1・2・12月は15:30受付終了。臨時宗教式典の日は時間の変更、又は休観となる場合あり

休日

年中無休 ※京都市に暴風警報が発令された場合、積雪・凍結の日は安全確保のため休観

拝観料

大人500円、中高生400円(小学生以下無料、保護者同伴に限る)


初夏の涼を感じる竹林の静寂

竹林の小径:嵐山にある青々とした竹が生い茂り約400mにわたる緑のトンネルのような道

竹林の小径:嵐山にある青々とした竹が生い茂り約400mにわたる緑のトンネルのような道

ちくりんのこみち

竹林の小径

嵐山の「竹林の小径」は、京都を代表する景勝地の一つです。「野宮神社」から「大河内山荘」へと続く約400mにわたる道の両側には青々とした竹が生い茂り、まるで緑のトンネルを歩いているような感覚を味わえます。風が吹くと竹が揺れ、心地よい音色が響くのも魅力。初夏には葉が日差しを和らげ、涼やかな空気が広がるため、快適な散策が楽しめます。また、竹林の周辺は平安時代には貴族の別荘地として愛された場所で、今も変わらぬ静寂と風情が広がります。付近にある世界遺産の「天龍寺」や源氏物語にも登場する皇族ゆかりの「野宮神社」とあわせて嵐山観光には欠かせないスポットのため、混雑を避けるなら早朝の散策がおすすめです。

竹林の小径:竹林を抜けて山手側からすぐの場所に、嵐山公園(亀山地区)があり、保津峡を見渡せる展望台も。休憩所などもあるので一休みするにも便利です

竹林の小径:竹林を抜けて山手側からすぐの場所に、嵐山公園(亀山地区)があり、保津峡を見渡せる展望台も。休憩所などもあるので一休みするにも便利です

竹林の小径:嵐山公園とは反対にトロッコ「嵐山」駅がある方向に進むと、夏にはハスが湖面いっぱいに広がる小倉池が見えてきます。近くには日本唯一とも言われる髪や美容に関わる神社「御髪神社」があります

竹林の小径:嵐山公園とは反対にトロッコ「嵐山」駅がある方向に進むと、夏にはハスが湖面いっぱいに広がる小倉池が見えてきます。近くには日本唯一とも言われる髪や美容に関わる神社「御髪神社」があります

基本情報
所在地

京都市右京区嵯峨小倉山田淵山町・嵯峨天龍寺芒ノ馬場町地図

アクセス

嵐電「嵐山」駅より徒歩約10分、市バス11・28・93号系統・京都バス62・94号系統ほか「嵐山天龍寺前」より徒歩約10分

時間

散策自由

休日

年中無休

料金

散策自由

前回までの特集