京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

京金継ぎのアクセサリー作り

香凛:信楽焼や清水焼などの器のかけらを金継ぎして作られる、世界で1つの美しいアクセサリー

香凛:信楽焼や清水焼などの器のかけらを金継ぎして作られる、世界で1つの美しいアクセサリー

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

割れたり欠けたりした器をうるしで接着し、継ぎ目を金などで装飾して修復する日本の伝統技法「金継ぎ」。今回は、現代的にアレンジされた独自の金継ぎ手法で、陶磁器のかけらを唯一無二のアクセサリーに仕立てる体験をご紹介します。

京都の混雑状況(2025年6月26日現在) ★★★☆☆ 例年よりも少し混雑しています。 ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。

かりん

香凛

金継ぎアトリエ「香凛」は、信楽焼や清水焼などの窯元や骨董品店から集められた器のかけらを使って、アクセサリーを仕立てる体験や作品の販売を行う町家の工房です。工房の棚やテーブルいっぱいに広がる陶片の中から、心惹かれる“運命の一片”を探す時間は、まるで宝探しのよう。かぶれにくい素材と独自の技法を用いた金継ぎは、初心者でも安心して挑戦できます。また、金継ぎアクセサリーのワークショップでは、ピアス・イヤリング・ピンブローチ・ブローチ・帯どめの5種類からお好みのものを選んで制作することができます。壊れたものに新たな命を吹き込む、⽇本の⼼を感じる創作時間は、完成した作品とともに、旅の思い出になることでしょう。ぜひこの貴重な体験をしてみませんか。

香凛:店頭にはプレゼントやお土産にもおすすめの金継ぎアクセサリー作品が並ぶ

香凛:店頭にはプレゼントやお土産にもおすすめの金継ぎアクセサリー作品が並ぶ

香凛:富小路通沿いにある路地を入って左側1件目にある工房は、赤い暖簾が目印

香凛:富小路通沿いにある路地を入って左側1件目にある工房は、赤い暖簾が目印

【金継ぎアクセサリーワークショップ】
料金

1つのかけら使用 3,900円(税込)、2つのかけら使用 4,500円(税込) ※天然石オプション500円(税込)

所要時間

約90分  ※所要時間は目安です

定員

1名~6名 ※6名以上の場合は電話にて要相談

香凛
所在地

京都市下京区塗師屋町92-3地図

アクセス

地下鉄烏丸線「四条」駅、阪急「京都河原町」駅・「烏丸」駅より各徒歩約5分

電話番号

090-9692-0990

URL

https://www.instagram.com/karin_kyokintsugi

営業日

月曜日~日曜日 10:00-17:00

休業日

不定休

料金

金継ぎアクセサリー(ピアス、イヤリングなどの作品)4,500円(税込)~

仕上がりの形を選ぶ

まずはエプロンをつけて説明を受けます。陶磁器のかけらを1つ、もしくは2つ使って継ぐ体験ができます。さらに「ピアス・イヤリング・ピンブローチ・ブローチ・帯どめ」の5種類から仕上がりの形を選ぶことができます。今回は2つのかけらを使い、ブローチを作っていきます

仕上がりの形を選ぶ:陶磁器かけらの数を決め、5種類のアクセサリーから選択

仕上がりの形を選ぶ:陶磁器かけらの数を決め、5種類のアクセサリーから選択

素材を探す

目の前のテーブルにあるたくさんの陶磁器のかけらに加えて、後ろの棚にもずらっと並ぶ素材から、とりあえず気に入ったものを小皿に集めていきます。同じ陶磁器でもかけらによって様々な表情を見せるので悩ましい時間ですが、15分ほどで一旦区切りをつけます

素材を探す:15分の宝探しタイムを楽しむ

素材を探す:15分の宝探しタイムを楽しむ

デザインを決める

陶磁器素材を選んだら、次は裏表や形を組み合わせながら全体のデザインを考えていきます。+500円で天然石を追加することもでき、さらに悩ましくなりますが、それもまた楽しいひと時。継ぎやすい形や組み合わせなどを先生からアドバイスしてもらいながら決めていきましょう

デザインを決める:選んだ素材を組み合わせていく

デザインを決める:選んだ素材を組み合わせていく

素材を接着する

デザインが決まったら接着していきます。向きや場所を忘れないよう写真を撮ってから進めるのがおすすめ。溶剤を混ぜ合わせ、隙間ができないように埋めながらしっかりと接着していきます

素材を接着する:接着剤を使って隙間を埋めながら貼り合わせる

素材を接着する:接着剤を使って隙間を埋めながら貼り合わせる

「うるし」の解説

接着剤が乾くのを待つ間に「うるし」についての解説があります。本物のうるしの木を見ながら、その歴史や貴重さなどについて学ぶことができます。漆器が高級品である理由に納得がいくお話ばかりです

「うるし」の解説:歴史や希少性について学ぶ

「うるし」の解説:歴史や希少性について学ぶ

金具付けと下地準備

裏面にも接着剤を塗り、ピンブローチの金具を貼ります。乾かしている間に、かぶれにくい「カシュー漆」を使い、うすめ液と少量の金粉を混ぜて下地を作ります

金具付けと下地準備:裏面に金具を貼り付け下地を混ぜる

金具付けと下地準備:裏面に金具を貼り付け下地を混ぜる

下地を塗る

作った下地を裏面・側面・つなぎ目の、金に仕上げたい部分に塗っていきます。厚くぼてっと塗ってしまうと金粉が沈んでしまうので、なるべく薄く塗るのがポイント。ムラがあっても問題ありませんが、塗り残しがあると白く残ってしまうので要注意です

下地を塗る:裏面・側面・つなぎ目に薄く塗るのがポイント

下地を塗る:裏面・側面・つなぎ目に薄く塗るのがポイント

金粉で仕上げる

下地が塗れたら金粉で仕上げをしていきます。筆で金粉をすくい1か所にトントンと落とします。それを広げていくと下地を塗った部分だけに金粉が残ります。各手順で先生が仕上がりをチェックしてくれるので安心です

金粉で仕上げる:筆で金粉を落とし広げていく

金粉で仕上げる:筆で金粉を落とし広げていく

作業完了・完成

金粉が付けられたらいったん作業完了です。工房の窓際で作品の撮影をする方も多いとか。可愛く包装してもらって持ち帰り、自宅で2日ほど乾燥させた後で軽く水洗いをして完成となります。

完成:2日ほどしてから水洗いして完成

完成:2日ほどしてから水洗いして完成

体験を終えて
体験を終えて

静かで落ち着いた町家空間で体験ができました。違う用途で使われていた陶磁器を繋ぎ直すことで、独自のアクセサリーになる発想がとても面白いなと思います。世界に一つしかない宝物になりました。/写真は店主・講師の木村香織さんと

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