京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」

きぬかけの路エリアの紅葉さんぽ

妙心寺大法院:新緑と紅葉の時期にだけ特別公開される露地庭園。別世界のような美しさが堪能できます

提供元:妙心寺大法院

妙心寺大法院:新緑と紅葉の時期にだけ特別公開される露地庭園。別世界のような美しさが堪能できます

※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

現地スタッフ おすすめポイント
現地スタッフ

「きぬかけの路(みち)」は、北東の金閣寺から龍安寺を経て、南西の仁和寺へと3つの世界遺産を結ぶ全長約2.5kmの散策路。衣笠山麓を抜ける道は、歴史と自然が溶け合い、秋には紅葉が彩る絶景に出会えます。風光明媚な景色を楽しみながら、心がほどけるような秋さんぽへ出かけてみませんか。

京都の混雑状況(2025年8月28日現在) ★★★★☆ 例年よりも混雑しています。 ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。

京都市バス「等持院南町」からスタートです!

京都市バス「等持院南町」へのアクセス:バス「京都駅前」より市バス10・26系統またはJR西日本バス 高雄・京北線で約42分、バス「等持院南町」より徒歩約11分
モデルコースの所要時間:3時間

ルート

京都市バス「等持院南町」からスタート!

徒歩約10分(約700m)

1

「等持院」

徒歩約25分(約1700m)

2

「仁和寺」

徒歩すぐ(仁和寺境内)

3

「NINNAJI -JAXURY SPACE-」

徒歩約18分(約1100m)

4

「妙心寺大法院」

穏やかな水面に、歴史と紅葉が映る秋

等持院:庭園の東側では、草書体の心の字をかたどって作られた「心字池」の水面に紅葉が映る秋景色が広がる

提供元:等持院

等持院:庭園の東側では、草書体の心の字をかたどって作られた「心字池」の水面に紅葉が映る秋景色が広がる

とうじいん

等持院

室町幕府初代将軍・足利尊氏公により、暦応4年(1341)に創建された等持院。天龍寺の開山・夢窓国師を迎えて開かれた、臨済宗の禅寺です。霊光殿には足利歴代将軍(5代・14代を除く)と徳川家康の座像が並ぶなど、足利家の菩提寺として貴重な文化財が保存されています。方丈(本堂)の北側には尊氏公の墓である宝筐印塔もあります。庭園東側の「心字池」では紅葉の時期には水面に映る“逆さ紅葉”が楽しめ、周囲の苔や石、松との対比が季節の移ろいを際立たせます。茶室「清漣亭」と「芙蓉池」を有する西庭とあわせて二つの池泉回遊式庭園があり、枯山水の南庭(方丈前)も見逃せません。武家政権ゆかりの歴史と、意匠を凝らした庭園美が調和する空間で、静かに深まる秋を味わうことができます。

等持院:書院からは「芙蓉池」を中心とした茶室「清漣亭」がある西庭を臨め、等持院限定菓子の「芙蓉の月」がセットになったお抹茶や梅昆布茶、番茶をいただくことができます。初秋は芙蓉の花が彩りを添えます

等持院:書院からは「芙蓉池」を中心とした茶室「清漣亭」がある西庭を臨め、等持院限定菓子の「芙蓉の月」がセットになったお抹茶や梅昆布茶、番茶をいただくことができます。初秋は芙蓉の花が彩りを添えます

等持院:方丈の南側には紅葉と白砂のコントラストが美しい枯山水庭園があります。現在の方丈は元和2(1616)年に武将・福島正則が妙心寺塔頭海福院に建立し、その後文化9(1812)年に等持院に移築されたと伝わります

提供元:等持院

等持院:方丈の南側には紅葉と白砂のコントラストが美しい枯山水庭園があります。現在の方丈は元和2(1616)年に武将・福島正則が妙心寺塔頭海福院に建立し、その後文化9(1812)年に等持院に移築されたと伝わります

基本情報
所在地

京都市北区等持院北町63番地地図

アクセス

嵐電北野線「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前」駅より徒歩約5分、市バス10・26系統およびJR西日本バス 高雄・京北線「等持院南町」から徒歩約11分

電話番号

075-461-5786

URL

https://toujiin.jp

時間

月曜日~日曜日 9:00-16:30(16:00受付終了) ※12月30日~1月3日は9:00-15:00(14:30受付終了)

休日

年中無休

料金

「拝観料大人」600円、「抹茶」600円、「梅昆布茶」500円、「番茶」400円


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見所
「仁和寺」まで徒歩約25分(約1700m)
「仁和寺」まで徒歩約25分(約1700m)

龍安寺と仁和寺間の道沿いには「きぬかけの路」石碑があります。平成3年に公募で決まった愛称で、宇多天皇が真夏に雪見をするために衣笠山(別名きぬかけ山)に絹を掛けたと伝わる故事が由来となっています


格式ある境内に広がる豊かな秋景色

仁和寺:寛永21(1644)年に建立された重厚な五重塔と紅葉のコントラストは必見

提供元:総本山仁和寺

仁和寺:寛永21(1644)年に建立された重厚な五重塔と紅葉のコントラストは必見

にんなじ

仁和寺

春の御室桜で知られる「仁和寺」は仁和4(888)年に宇多天皇によって創建され、現在は真言宗御室派の総本山となっています。1994年には「古都京都の文化財」として世界遺産にも登録されました。秋には紅葉した木々が境内を彩り、静寂に包まれた空間にしっとりと溶け込みます。また境内には、五重塔や二王門、金堂など江戸時代に建立された建造物が整然と並び、その歴史ある風景に紅葉が映える様子はまさに絵巻物のよう。とくに五重塔を背景にした紅葉の木々がある一角は人気の写真スポットになっています。さらに国宝の金堂は、京都御所の紫宸殿を寛永年間(1624-1644)に移築したもので、優美な佇まいが印象的。その金堂へと続く参道も紅葉の名所で、歴史と彩りが織りなす景観が訪れる人を迎えてくれます。今秋も夜間特別拝観※を予定。
※【雲海ライトアップ(夜間拝観)】
開催日:2025年10月24日(金)~12月14日(日)の金・土・日・祝日開催
時間:18:30-21:00(受付18:00-20:30)
拝観料:「雲海ライトアップ」大人2,800円(高校生以下無料)、「観音堂・夜間特別拝観との共通券」 3,300円
備考:拝観休止日は公式HP参照。法要等の調整によって、急遽開催不可になる場合あり

仁和寺:京都御所の御常御殿を移築した宸殿は、格式ある儀式の場として使われてきました。現在の宸殿は明治中頃から大正初頭にかけて再建されたもの。宸殿の北庭からは池泉式庭園越しに五重塔と紅葉を望む景色が楽しめます

提供元:総本山仁和寺

仁和寺:京都御所の御常御殿を移築した宸殿は、格式ある儀式の場として使われてきました。現在の宸殿は明治中頃から大正初頭にかけて再建されたもの。宸殿の北庭からは池泉式庭園越しに五重塔と紅葉を望む景色が楽しめます

仁和寺:「雲海ライトアップ」と称して実施される夜間特別拝観。境内を包み込むように広がる雲海の演出と紅葉が生み出す幻想的な光景という、昼間とは異なる特別な秋の風景を楽しめます

Daiki Inada @Tokyo Camera Club

仁和寺:「雲海ライトアップ」と称して実施される夜間特別拝観。境内を包み込むように広がる雲海の演出と紅葉が生み出す幻想的な光景という、昼間とは異なる特別な秋の風景を楽しめます

基本情報
所在地

京都市右京区御室大内33地図

アクセス

嵐電北野線「御室仁和寺」駅より徒歩約3分、市バス10・26・59号系統「御室仁和寺」より徒歩すぐ

電話番号

075-461-1155

URL

https://ninnaji.jp/

時間

月曜日~日曜日 9:00-17:00

休日

年中無休

拝観料

「御所庭園」大人800円(高校生以下無料)


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見所
「NINNAJI -JAXURY SPACE-」まで徒歩すぐ(仁和寺境内)
「NINNAJI -JAXURY SPACE-」まで徒歩すぐ(仁和寺境内)

境内西側にある「観音堂」は重要文化財に指定されている江戸時代の建築で、千手観音を本尊とします。その向かい側にあるのが次のスポットです


四季の彩りを映す蔵で、本物のひと時を

NINNAJI -JAXURY SPACE-:朝日焼の器で提供される宇治抹茶と塩味の効いたチョコレートクリームがとろける「ハナレモナカ」

NINNAJI -JAXURY SPACE-:朝日焼の器で提供される宇治抹茶と塩味の効いたチョコレートクリームがとろける「ハナレモナカ」

にんなじ じゃくしゅありーすぺーす

NINNAJI -JAXURY SPACE-

仁和寺の境内にある「NINNAJI -JAXURY SPACE-」は、“日本ならではの本物の豊かさ”をテーマにした「JAXURY」選出ブランドを扱うカフェ。蔵をリノベーションし、上質な空間として2023年に再生されました。ドリンクは京都の「小川珈琲」の有機コーヒーや、嬉野の「きたの茶園」の有機煎茶・和紅茶などに加え、京都・宇治「山本甚次郎」などの3種の宇治抹茶もラインナップ。抹茶は同じく宇治の茶陶・朝日焼の器で提供されます。この抹茶と相性抜群の「MAISON CACAO」の「ハナレモナカ」は、塩味の効いたチョコレートクリームがとろける贅沢な一品。また、境内の御室桜をモチーフにした2種の串団子も人気です。他にも季節の限定メニューや、仁和寺での竜王戦対局にちなんだ特別メニューも登場する予定です。

NINNAJI -JAXURY SPACE-:店内は最小限の補修で蔵の雰囲気を活かした空間で、梁や壁に趣を残しています。1階は注文カウンターと大きな机を囲む席、2階は靴を脱いであがる座敷席になっています

NINNAJI -JAXURY SPACE-:店内は最小限の補修で蔵の雰囲気を活かした空間で、梁や壁に趣を残しています。1階は注文カウンターと大きな机を囲む席、2階は靴を脱いであがる座敷席になっています

NINNAJI -JAXURY SPACE-:仁和寺がJAXURYに選出されたことをきっかけに、物置小屋となって眠っていた蔵をリノベーションし2023年4月にオープン。お店のすぐ前には楓の木々が並び、秋には一面真っ赤に紅葉します

NINNAJI -JAXURY SPACE-:仁和寺がJAXURYに選出されたことをきっかけに、物置小屋となって眠っていた蔵をリノベーションし2023年4月にオープン。お店のすぐ前には楓の木々が並び、秋には一面真っ赤に紅葉します

基本情報
所在地

京都市右京区御室大内33(仁和寺境内)地図

アクセス

嵐電北野線「御室仁和寺」駅より徒歩約3分、市バス10・26・59号系統「御室仁和寺」より徒歩すぐ

電話番号

非公開

URL

https://www.instagram.com/jaxury_space_official_jp

時間

月曜日、水曜日~日曜日 10:00-16:30(16:15LO)

休日

火曜日、不定休

料金

「お抹茶(お菓子付き)」2,000円(税込)~、「有機コーヒー」600円(税込)


次の
見所
「妙心寺大法院」まで徒歩約18分(約1100m)
「妙心寺大法院」まで徒歩約18分(約1100m)

仁和寺を後にして一条通りを南に向かって進むと、妙心寺の北総門が見えてきます。広大な境内には46もの塔頭寺院が立ち並びます。次のスポットはその中の1つです


露地庭園を染める紅葉に出会う特別な時間

妙心寺大法院:客殿でお抹茶と和菓子をいただきながら紅葉に染まる露地庭園を眺める贅沢なひと時

提供元:妙心寺大法院

妙心寺大法院:客殿でお抹茶と和菓子をいただきながら紅葉に染まる露地庭園を眺める贅沢なひと時

みょうしんじだいほういん

妙心寺大法院

寛文2(1662)年に創建された「妙心寺大法院」は、真田信繁(幸村)の兄で初代松代藩主を務めた真田信之の菩提寺として、孫娘の長姫(おさひめ)が信之の遺言に沿って建てた妙心寺の塔頭寺院です。普段は非公開ですが年に2回、新緑と紅葉の時期にあわせて、茶室「有隣軒」の露地庭園が特別公開されます。露地とは、茶室へ至るまでの通路や庭の空間のことで、世俗を離れた清浄世界を表すもの。飛石や雪見灯籠が配された庭は苔に覆われ、紅葉の時期には木々の鮮やかな彩りが庭一面に広がります。まるで一幅の絵のような景観を眺めながらながらお抹茶と和菓子をいただき、秋の美しさを心ゆくまで味わってみてはいかがでしょうか。

妙心寺大法院:客殿からは茶室「有隣軒」へ向かう途中に設けられた「腰掛待合」も見ることができます。露地庭園の中で客を迎えるための小さな空間で、腰を下ろして身なりを整えたり、庭を眺めながら心を落ち着けたりと、茶席へ向かう前の準備のために使われる場所です

提供元:妙心寺大法院

妙心寺大法院:客殿からは茶室「有隣軒」へ向かう途中に設けられた「腰掛待合」も見ることができます。露地庭園の中で客を迎えるための小さな空間で、腰を下ろして身なりを整えたり、庭を眺めながら心を落ち着けたりと、茶席へ向かう前の準備のために使われる場所です

妙心寺大法院:客殿には、江戸時代中期の絵師・土方稲領による襖絵「叭叭鳥図(ははちょうず)」があります。中国などに分布するムクドリの一種・叭叭鳥を題材に、約100羽が自由に飛び交う姿を墨一色で描いた作品です

提供元:妙心寺大法院

妙心寺大法院:客殿には、江戸時代中期の絵師・土方稲領による襖絵「叭叭鳥図(ははちょうず)」があります。中国などに分布するムクドリの一種・叭叭鳥を題材に、約100羽が自由に飛び交う姿を墨一色で描いた作品です

基本情報
所在地

京都市右京区花園大薮町20地図

アクセス

嵐電北野線 「妙心寺」駅より徒歩約4分、市バス10・26系統「妙心寺北門前」より徒歩約5分、JR嵯峨野線「花園」駅より徒歩約10分

電話番号

075-461-5162

URL

https://www.instagram.com/daiho_in/

時間

【紅葉の露地地庭園特別拝観】2025年11月1日(土)~11月30日(日)9:00-16:00

休日

通常非公開 ※春季・秋季に特別公開あり

料金

「拝観料(抹茶菓子付)」1,000円


お疲れ様でした

お疲れ様でした

大法院を堪能した後は妙心寺境内の散策もおすすめ。雲龍図のある妙心寺法堂をはじめ退蔵院や大心院、桂春院などの塔頭も通常公開されており、妙心寺公式HPでは1時間で回れるコースから半日コースまで紹介されています。また、妙心寺南総門からはJR「花園」駅までは徒歩約5分です


周辺MAP

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