京都在住の私がすすめる「京のまち歩き」
京都を見る 更新日:2026.01.08
寒空に咲く椿の花見
大豊神社:東山三十六峰の十五峰目「椿ヶ峰」の麓に佇む古社。境内の参道や社殿の周りを赤や白、ピンクの椿の花々が彩り、見頃には花手水の演出も
※掲載した内容は全て取材時点での情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

「古事記」や「万葉集」にも登場するほど古くから日本で愛され、江戸時代には多くの品種が生み出された椿。神事や茶の湯にも結びつきのある椿は、常緑の葉姿から「永遠の美」の象徴とされてきました。寒空の下で凛と咲くその花姿を、早春の京都で味わってみませんか。
京都の混雑状況(2025年11月25日現在) ※現地取材スタッフの主観に基づく取材時の混雑状況です。
時代を越えて咲き継がれる椿の系譜
提供元:城南宮
城南宮:織田信長の実弟・有楽斎長益が茶花として愛したことで知られる「有楽(うらく)」
じょうなんぐう
城南宮
平安遷都の際に国の安寧と都の守護を願い都の南に創建された古社「城南宮」は、方除・厄除の神社として信仰を集め、歴代天皇の行幸地としても知られます。境内の神苑「楽水苑」では約150品種・400本の椿が、春の山や平安の庭など各所に咲き、秋から春にかけて長く楽しめます。
写真の「有楽(うらく)」は、織田信長の実弟・有楽斎長益が茶花として愛したことからこの名が付いたとされます。室町時代に中国から渡来した原種とヤブツバキの交雑によって生まれた品種とされ、淡紅色に紫を帯びた一重のラッパ咲きがその特徴です。このほかにも推定樹齢300年を超える神苑内最古のヤブツバキ「長生椿」や、苑内の「源氏物語」に関わる椿の道に育つ、登場人物や巻名が付けられた椿など、多様な品種が境内を彩ります。
提供元:城南宮
城南宮:2026年2月18日(水)~3月22日(日)には「しだれ梅と椿まつり」が開催されます。白や薄紅色の梅花を背景に、苔の絨毯の上に散る椿という、早春だけの美景が楽しめます
提供元:城南宮
城南宮:「神苑」は昭和の小堀遠州と讃えられる中根金作氏による作庭で、趣の異なる5つの庭で構成。冬には雪化粧した景観が「平安の庭」の水面に静かに映り、4月末~5月には南側の「室町の庭」で藤やツツジが見頃を迎えます
| 基本情報 | |
|---|---|
| 所在地 | 京都市伏見区中島鳥羽離宮町7番地地図 |
| アクセス | 地下鉄烏丸線・近鉄「竹田」駅より徒歩約15分、市バス19号系統「城南宮」より徒歩すぐ |
| 電話番号 | 075-623-0846 |
| URL | |
| 時間 | 月曜日~日曜日 9:00-16:30 ※神苑拝観受付終了16:00 |
| 休日 | 年中無休 ※「しだれ梅と椿まつり」2026年2月18日(水)~3月22日(日)、期間中は北神苑のみ公開 |
| 拝観料 | 「神苑拝観」大人800円、しだれ梅と椿まつり期間大人1,000円、夏季期間一律300円 |
五色の椿がひらひらと舞う春の情景
提供元:地蔵院(椿寺)
地蔵院(椿寺):豊臣秀吉が「北野大茶湯」の縁で献木したと伝わる「五色八重散椿」の2世としだれ桜が共演する境内
じぞういん(つばきでら)
地蔵院(椿寺)
神亀3(726)年に行基が聖武天皇の勅願で創建したことを起源とする「地蔵院」は、安土桃山時代の天正年間(1573-1592)に現在地へ移った由緒ある寺院です。天正15(1587)年に豊臣秀吉が開いた「北野大茶湯」の縁で献木したと伝わる「五色八重散椿」から、「椿寺」の名で親しまれています。現在境内に咲く椿は樹齢約200年の二世で、一本の木に紅・白・桃・絞りの花を咲き分ける珍しい品種。散り際には花びらが一枚ずつ舞い落ちる“散り椿”の趣が、春の佇まいを優美に演出します。例年の見頃は3月下旬~4月上旬で、開花のタイミングによってはしだれ桜との共演も楽しめます。また、境内には忠臣蔵ゆかりの天野屋利兵衛の墓所もあり、花と歴史の気配がそっと寄り添う落ち着いた時間が流れています。
提供元:地蔵院(椿寺)
地蔵院(椿寺):境内の「五色八重散椿」にちなみ、5つの色を基調にした華やかな椿のオリジナル御朱印帳が用意されています。他にも「五劫思惟阿弥陀仏」が描かれたデザインのものも。価格は1冊1,500円(税込)
提供元:地蔵院(椿寺)
地蔵院(椿寺):仁和寺などへと続く嵐電北野線「北野白梅町」駅のすぐ近く、一条通沿いに山門が構えられています。椿の開花状況などは公式ブログ「椿寺だより」で随時更新されているので、訪問前に境内の様子などが確認できます
| 基本情報 | |
|---|---|
| 所在地 | 京都市北区大将軍川端町2地図 |
| アクセス | 京福電車「北野白梅町」駅より徒歩約4分、市バス10・50・52・55・202・204・205号系統ほか「北野白梅町」より徒歩約3分 |
| 電話番号 | 075-461-1263 |
| URL | |
| 時間 | 月曜日~日曜日 9:00-16:00(閉門) |
| 休日 | 年中無休 |
| 拝観料 | 境内無料 |
動物たちが守る椿ゆかりの古社
提供元:大豊神社
大豊神社:椿ヶ峰の麓にある境内では苔むした石段に散った椿が華を添え、動物が守る社を彩る
おおとよじんじゃ
大豊神社
東山三十六峰の十五峰目「椿ヶ峰」を御神体とする山霊信仰を起源とする「大豊神社」は、仁和3(887)年、宇多天皇の御悩平癒を祈って藤原淑子が少彦名命を祀ったことに始まる勅願社です。「椿ヶ峰」の名の通り椿とのゆかりは深く、社殿の前には苔むした石段に落ち椿が連なる静かな情景が広がります。境内には現在も約120本の椿が植えられ、樹齢400年の古木「大豊八重神楽」をはじめ、カラフルで多彩な椿の花々が参道や社殿周りを彩ります。また春には、白と紅、二本のしだれ桜が寄り添うように咲き、椿との共演が楽しめます。哲学の道沿いに佇む静かな社で、色とりどりの椿を愛でる心華やぐひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。
提供元:大豊神社
大豊神社:境内の大国社前には狛犬ではなく狛ねずみが鎮座し、椿でおめかししている時も。他にも本殿前の狛へび、稲荷社の狛きつね、愛宕社の狛とび、日吉社の狛さるなど、本殿と4つの末社それぞれをゆかりの動物が守護しています
提供元:大豊神社
大豊神社:年に一輪だけ咲く「ハーフ&ハーフ椿」。一つの花の中で色がくっきり分かれる珍しい椿で、赤と白、あるいは紅と桃など、その年ごとに表情が変わるのも魅力です。開花が確認されると毎年話題になり、その一輪に出会えるかどうかも参拝の楽しみとなっています
| 基本情報 | |
|---|---|
| 所在地 | 京都市左京区鹿ケ谷宮ノ前町1地図 |
| アクセス | 市バス5・32・93・203・204号系統ほか「東天王町」より徒歩約7分 |
| 電話番号 | 075-771-1351 |
| URL | |
| 時間 | 月曜日~日曜日 9:00-17:00 |
| 休日 | 年中無休 |
| 拝観料 | 境内無料 |
椿の多彩な魅力を集めた植物園の春景
提供元:京都府立植物園
京都府立植物園:約250品種・600本という圧巻の規模を誇る「つばき園」は、古典品種から現代の品種まで椿の魅力を楽しめるエリア。園内の北側に位置しているので、北山門から入るのが便利です
きょうとふりつしょくぶつえん
京都府立植物園
大正13(1924)年に開園した「京都府立植物園」は、日本で最初の公立植物園。約24万㎡の敷地に多様な植物が育ち、冬から春には北東エリアの「つばき園」が見頃を迎えます。約250品種・600本もの椿が植えられており、濃朱紅色が鮮やかな古典品種「日光」は、外弁の内側に細かな“唐子弁”が重なる「唐子咲き」が特徴の珍しい花姿。同じく唐子咲きの「月光」(別名・白芯卜伴)とともに江戸時代から愛され、京都の由緒ある寺院にも多く植えられてきました。気品ある花姿は茶花としても重宝されています。毎年3月には「つばき展」が開かれ、椿の切枝展示など、品種の美しさと文化背景の両面から椿の奥深さに触れることができます。
提供元:京都府立植物園
京都府立植物園:濃朱紅色が鮮やかな古典品種で、外弁の内側に細かな“唐子弁”が重なる「唐子咲き」が特徴の椿「日光」
提供元:京都府立植物園
京都府立植物園:同時期には園内の「球根ガーデン」でスイセンも見頃を迎え、早春らしい彩りが一帯に広がります。2月中旬からは「早春の草花展」が行われるなど、椿だけでなく様々な草花を鑑賞することができます
| 基本情報 | |
|---|---|
| 所在地 | 京都市左京区下鴨半木町地図 |
| アクセス | 地下鉄烏丸線「北山」駅より徒歩すぐ |
| 電話番号 | 075-701-0141 |
| URL | |
| 開園日 | 月曜日~日曜日 9:00-17:00(入園は16:00まで) |
| 休園日 | 12月28日~1月4日 |
| 入園料 | 一般500円(税込)※65歳以上・高校生250円(税込) |
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